カラオケで気持ちよく歌いたい、SNSにカラオケ動画を投稿してみたい、配信アプリで歌を聴いてもらいたいなど、さまざまな理由で「歌が上手くなりたい」という方が増えています。
そこで今回は、意識するだけで“今すぐ”歌が上手くなる5つの方法を現役ボイストレーナーが直伝します!
歌が上手い人と音痴と言われる人の違いや、毎日できる歌の練習方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
歌が上手く聞こえる人とそうでない人の違い
歌が上手く聞こえる人と、そうでない人や音痴と言われる人との違いには、
- 音程の取り方
- 声量
- リズムやテンポの取り方
に大きな違いがあります。それぞれについて、ポイントをまとめたので、自分の普段の歌い方がどれに当てはまるか考えながら読んでみてください。
音程の取り方
歌の上手さに大きく関わってくるのが“音程”。
「ドレミファソラシド」といった音程が、正しい音程より高くなってしまったり低くなってしまったりすると、歌が上手く聞こえません。
歌が上手い人は、流れている音楽と自分が出している声にしっかりと耳を傾けて音程を調整し、正しい音にピッタリとはめながら歌います。
声量
自信のなさや姿勢の悪さから声量が小さくなると、声が通らず歌が上手く聞こえません。
また、呼吸法が正しくないことも、声量が出ないことに繋がってきます。
歌が上手い人は、声量があり歌に迫力が出るだけでなく、声量のコントロールができることから歌に感情が乗ったように聞こえます。
リズムやテンポの取り方
歌っている中でリズムを取れていないと、のっぺりとした印象になり、あまり上手く聞こえません。また、テンポがずれていると曲より歌が速くなったり遅くなったりしてしまいます。
テンポとは簡単に言うと曲のスピードのこと。そしてリズムとは、4秒し、3拍子など、規則的になる音のことです。曲の後ろで聞こえるドラムやベースの音を意識して聴くと、リズムがわかりやすいかもしれません。
歌が上手い人は、テンポ通りに歌詞をリズムに当てはめながら歌うことができるので、聞き心地がよい歌になります。
プロ直伝!すぐに歌が上手くなる方法とコツ5つ
ここからは、現役のボイストレーニング講師が、歌が上手くなる方法とコツについて紹介していきます!
意識してすぐに取り入れられるものばかりなので、今からカラオケで歌う方や人前で歌う機会がある方もぜひ参考にしてみてくださいね!
STEP1. ウォーミングアップで身体と喉をほぐす
歌を歌うことは、運動と同じようなもの。喉のまわりの筋肉やお腹まわりの筋肉を使います。
ウォーミングアップなしで声を出すと、うまく声が響かなかったり、喉を痛めてしまったりするので、歌う前に体をしっかりとほぐして温めておくことが大切です。
喉のウォーミングアップには、“リップロール”と呼ばれるトレーニングがおすすめ。唇を「プルルルル」と振るわせる動きで、声帯をリラックスさせながら喉まわりの筋肉をほぐすことができます。
>>リップロールはボイトレの基礎!メリットや効果的な練習方法のやり方をご紹介
また、身体のウォーミングアップとしては、
- 頭を傾けたり回したりして、首まわりと肩まわりの筋を伸ばしてほぐす
- 足の裏を合わせてあぐらをかくように座り、股関節まわりを伸ばしてほぐす
などを行うといいですよ。身体が軽く感じたり、ホカホカと温まるような感覚になればウォーミングアップ完了です。
気温が低いと身体も喉もほぐれにくいので、暖かくしておくことも大切です。
STEP2. 自分が出せる声の高さにあった曲を選ぶ
“歌を上手く聴かせる”という点において考える場合は、歌いたい曲より自分が出せる声の高さににフォーカスして選曲するのがベターです。
高音が響く歌はとても魅力的ですが、無理に出そうとすると声が裏返ったり、苦しそうな歌い方になってしまったりします。
自分にとって高すぎず低すぎない曲をある程度リサーチしておいて、その歌を選ぶといいですよ。
自分のキーがわからないという人は、スマートフォンでカラオケアプリやキーを探せるアプリを活用するのもおすすめです。最近では、カラオケの採点画面でも自分の出る音域を分析してくれる機種があります。
高音にチャレンジしてみたい場合は、裏声を使うと少し楽に声が出せることがあるので試してみるのもいいかもしれません。
STEP3. マイクは斜め下45°で持とう
多くの人が見落としがちなのが、マイクの持ち方です。
アゴにつけるようにして真下でマイクを持ったり、反対にマイクの尻を上に上げて持ったりとさまざまな持ち方をする人がいますが、声は口に対して斜め下45°の向きに響きます。
そのため、声をマイクでしっかり拾って響かせるには、マイクを斜め下45°の向きに持ちましょう。
このとき、マイクの頂点がしっかりと口の方向を向いていることがポイントです。
STEP4. 正しい姿勢を心がけて
歌うときの姿勢も、歌を上手く歌うために大切。
正しい姿勢のポイントは
- 顎を引く
- 背筋を伸ばす
- 骨盤をキュッと前に出すように立つ
の3つ。
声を出すときに顎が上がってしまう人が多いですが、これは空気の通り道や声帯が閉まってしまい、反対に声が出づらくなってしまいます。そのため、顎は常に引く意識をしましょう。
背筋を伸ばす、骨盤を前に出すように立つことに関しては、正しい姿勢で正しい呼吸をするためです。姿勢が悪いとしっかり息を吸えず、声が出にくくなります。
また、お腹に力を入れて歌いづらくもなるので、できるだけ姿勢を正しましょう。
カラオケなどでも、できれば立って歌うのが理想です。
STEP5. 歌うときは“子音”と“母音”に気をつける
実際に歌っている間に意識するポイントは、歌詞の“子音“と”母音“をはっきりと発音すること。
「きみをあいしてる」
という歌詞があったとすると、
「K i」「M i」「W o」「a」「i」「SH i」「T e」「R u」
青文字部分が子音、オレンジ部分が母音です。
言葉がキレイに聞き取れる歌い方をすると、歌が上手く聞こえるようになります。
子音を強く意識したいのは、リズム感のある曲や洋楽を歌うとき。「k」「s」「t」からはじまる言葉の場合は、特に意識するといいですよ。
反対に母音を強く意識したいのは、ロングトーンのとき。母音がぼやけていると音程が安定しづらくなったり、クセのある歌い方に聞こえたりします。「a」なら「a」、「u」なら「u」と、他の母音が混ざらないストレートな歌い方を意識しましょう。
ただし、テクニックや表現方法として、子音を弱く歌ったり母音を混ぜたりすることもあるので、歌い慣れた曲などでは挑戦してみてもいいかもしれません。
家でもできる毎日の練習方法は?
ここまででで紹介した方法は、その場ですぐにこれまでとの違いがわかるようなものでしたが、ここで紹介するのはコツコツ続けたい基礎練習です。
- 録音した歌声を聞いて研究する
- マスターしたい曲をとにかく聞き込む
- 正しい呼吸・発声の練習をする
これらの練習を行い、少しずつ歌唱力のアップを目指しましょう。決してすぐに上達を実感できるものではありませんが、根気よく続ければどんどん上達していきますよ。
録音した歌声を聞いて研究する
自分が歌っているときの声やクセを客観的に知るために、自分で録音した歌声を聞いてみるのが、歌の上達の第一歩です。
はじめはいつも自分に聞こえている声との違いに違和感を持つかもしれませんが、聞いているうちに慣れてきますよ。
自分が歌いたいような歌い方ができているか、テンポやリズムはあっているか、苦手な音程がないかなど、第三者目線で分析してみましょう。
そして、気になった部分に気をつけながら歌い、それをまた録音して聴き、さらに分析して改善点を見つけるというサイクルを繰り返すことでどんどん上手く歌えるようになっていきます。
マスターしたい曲をとにかく聞き込む
お手本となる歌を知り尽くすことは、歌が上手くなるためにとても大切です。
意識して聞きたいポイントは
- 1番と2番の歌い方の違い
- 言葉の発音の仕方
- 抑揚の付け方
- ロングトーンの長さ
などです。併せて、歌詞もある程度覚えておきましょう。
モノマネするような意識で歌うことで、自然とその歌で使われているテクニックを自分のものにできますよ。また、耳が鍛えられるので他の曲をマスターするスピードもどんどん早くなっていきます。
正しい呼吸・発声の練習をする
正しい呼吸や発声は、歌が上手くなるための基本中の基本といえます。毎日の歌の練習に組み込むことで、格段に歌唱力がアップしますよ。
正しい呼吸法
歌うときの正しい呼吸法は、多くの人によく知られている“腹式呼吸”です。
人間は寝ているときは自然と腹式呼吸になっているので、感覚を掴みたいときは仰向けで寝て呼吸をしてみるといいですよ。
腹式呼吸がいいと言われる理由は、肺活量が増えるから。普段のように胸の筋肉を使って呼吸をするよりも、腹筋を使って横隔膜を動かす方が肺が大きく広がるため、息をたくさん吸えるというメカニズムです。
やり方は簡単で、鼻から息を吸うときにお腹を膨らまし、口から息を吐くときにお腹をへこませる意識をするだけ。
これを自然に歌の中に取り入れることができるようになると、声量がアップしたり息が続きやすくなったりしますよ。
腹式呼吸については、以下の記事でも詳しく解説しているのでこちらも併せて読んでみてくださいね。
>>【簡単】腹式呼吸のやり方を解説|声優が身につけるメリットは?
正しい発声方法
正しい発声方法とは、声帯を正しく動かして喉を痛めないように声を出すこと。
自宅だとあまり大きい声が出せないことが多いので、できる練習は限られてきますがウォーミングアップとしても紹介したリップロールは日頃からできる発声練習としても効果的です。
その他には
- タングトリル
- 滑舌トレーニング
- 声帯閉鎖トレーニング
などのトレーニングがあります。どれも手軽に取り組むことができ、大きな声を出さずにできるトレーニングです。
それぞれのやり方については以下の記事でチェックしてみてくださいね。
>>巻き舌のやり方を解説!正しい方法を習得して滑舌をよくしよう
>>滑舌トレーニングで滑舌改善!声優志望にも社会人にもおすすめの練習方法とは?
>>声帯閉鎖のトレーニング方法|仕組みやメリット、ポイントなど
まとめ:ちょっとした意識で歌は上手くなる
歌が上手くなる方法は、
- ウォーミングアップで身体と喉をほぐす
- 自分が出せる声の高さにあった曲を選ぶ
- マイクは斜め45°で持つ
- 正しい姿勢を心がける
- 歌うときは“子音”と“母音”に気をつける
この5つを意識すること。これだけで、格段に歌の聞こえ方が変わります。
とはいえ、全てを歌っている中で忘れずに意識することは簡単ではないので、繰り返しの練習や毎日の発声練習などが大切になってきます。
ちょっとした意識を続けて、歌をどんどん上達させていきましょう。
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