「思うように声が出せない」
「歌っていると喉が痛くなってくる」
「声が不安定になる」
などの悩みがある人は、声帯をうまくコントロールできていない可能性があります。
今回は、そんな人におすすめなボイストレーニング“声帯閉鎖“についてまとめました。声帯のしくみや得られるメリット、トレーニングするときのポイントなどについても解説しています。
この記事を参考に、声帯閉鎖の感覚を掴んでくださいね。
まずは声帯閉鎖について理解しよう
声帯閉鎖のトレーニングをするにあたって、声帯閉鎖のメカニズムについて理解しておきましょう。どうやって声が出ているのかをイメージしながらトレーニングすることはとても大切です。
まず、声帯閉鎖とはその名の通り、声帯が閉鎖している状態のこと。
声帯は2枚のひだでできており、その間に空気が通るようになっています。
ひだが開いていると、間に通る空気は息として外に出ます。
反対にひだが閉じているときは、空気によってひだが振動し、声として音が出ます。
このときの声帯の閉じ具合と開き具合をうまく調整できるようになるためのトレーニングが、声帯閉鎖のトレーニングです。
声帯の開き具合とそれに伴った声の様子は、次のようなイメージを持っておくといいでしょう。
声帯の開き具合 | 声の様子 |
---|---|
完全に閉じている | 声が全く出ない |
かなり閉じている | 詰まったような声が出る |
適度に閉じている | 自然な声が出る |
少し開いている | 吐息がかった声が出る |
完全に開いている | 息だけが出る |
声帯閉鎖のトレーニングで得られるメリット
声帯閉鎖のトレーニングをすることで。できるようになることや得られるメリットは多くあります。どんなものがあるのか、それぞれ見ていきましょう。
芯のある高音が出せるようになる
声帯閉鎖を習得すると、高音に芯が出ます。
高音が息がかって弱々しくなってしまったり、息が続かなかったりする人におすすめのトレーニングです。
また、絞り出すように高音を出すクセも直りやすくなるので、余裕を持った歌い方ができるようになります。
声に安定感が出る
声帯閉鎖ができるようになると、吐く息の量が一定になるので声に安定感が出ます。
歌声がかすれたり、ロングトーンがぶれたりすることがどんどんなくなってきます。
声色をコントロールできるようになる
バラードのときは切なく、アップテンポのときは明るくなど、声色をコントロールすることは歌の表現力をアップさせるためには必要不可欠。
声帯閉鎖をマスターすれば、声帯の開き具合も調整できるようになるので、あえて声帯を開いて息を多めに歌ったり、強めに声帯を閉じて絞るような声で歌ったりとさまざまな表現ができるようになるでしょう。
喉を痛めづらくなる
声帯閉鎖は、声帯への負担がとても少ないため、習得すると喉を痛めづらくなります。
歌っているときはもちろん、セリフを読むときや普段話すときにも活きてくるテクニックです。
声を使う仕事をする人は必ず習得しておきたいテクニックでもあります。
声帯閉鎖のトレーニング方法
それでは実際に、声帯閉鎖のトレーニング方法を解説していきます。
今回声帯閉鎖のトレーニングとして紹介するのは、
- 声帯が閉じる感覚を掴むトレーニング
- エッジボイスを出すトレーニング
- スケールのトレーニング
声帯が閉じる感覚を掴むトレーニング
まずはじめに大切なのが、“声帯を閉じる“という感覚を掴むこと。
やり方はとても簡単。
「アー」と声を出し、途中で喉だけを閉じて息を止めます。そしてまた「アー」と声を出します。これを繰り返すことで、息を止めているときの声帯が閉じている感覚がわかってきます。
音程は自分の出しやすいところからスタートして、慣れてきたら高い音にも挑戦してみるといいですよ。
エッジボイスを出すトレーニング
声帯閉鎖に必要な筋肉を鍛えるトレーニング方法に、“エッジボイス”というボイトレでも定番のメニューがあります。
エッジボイスとは、「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」というような低くガラガラとした声のこと。喉に力が入っていると出せない声なので、常にリラックスした状態で声を出す練習にもなります。
やり方は次の通りです。
- ① リラックスしながら「あー」と声を出す
- ② どんどん音程を低くしていき、自分が出せる最低音まで持っていく
- ③ ガラガラした声に変わればOK
- ④ 息が切れるまでムラなく一定に声を出し続ける
慣れてきたら逆にエッジボイスから普通の声に変えてみると、声帯が開いていく感覚がわかりますよ。
スケールのトレーニング
スケールとは音階のこと。
声帯閉鎖の感覚が掴めたら、「ドレミファソラシド」の音に乗せて声を出してみましょう。このときの発音は「あ」でOKです。
音階が上がっていくと声帯が必要以上に締まったり、逆に声帯が開いて裏声になったりしてしまうので、エッジボイスを出しているときの声帯の感覚で音階をなぞっていけるように意識しましょう。
これがマスターできれば、実際に歌うときにも声帯をうまくコントロールできるようになりますよ。
声帯閉鎖のトレーニングをするときのポイント
声帯閉鎖のトレーニングをするにあたって、おさえておきたいポイントが3つあります。
息の量は一定に
声帯閉鎖で大切なのは、息の量を一定にすること。吐く息の量が不安定だとうまく声帯閉鎖ができません。
また、勢いよく息を吐くと喉を痛める原因にもなってしまいます。
喉を締めつけない
声帯閉鎖をすることと、喉を締めつけることは全くの別物。「声帯は閉じて喉は開く」というのが正しい認識です。
喉を締めたまま声を出すと声帯にダメージを負ってしまうので、注意してください。
喉を開く感覚は、あくびをしているときの感覚を思い出すといいですよ。
長時間の練習は禁物!
声帯は痛みを感じずダメージに気づきづらいですが、デリケートな粘膜なので練習のしすぎは禁物です。
長時間の練習より、短時間の練習を毎日続ける方が効果的なので、適度に休みながらトレーニングするよう心がけましょう。
まとめ
以上、声帯閉鎖のトレーニングについての解説でした。
声帯閉鎖は正しく発声するための基本とも言えるテクニックです。
意識せずともできるようになるには時間がかかるかもしれませんが、声帯は感覚を覚えていくので根気よく続けることからはじめましょう。
また、正しい発声をすることは、声優・アナウンサー・ナレーターなど、声を使う仕事を目指す人にとっても重要になってきます。
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