リップロールは、声優志望者がぜひマスターしておきたいテクニックの1つです。
リップロールができるようになれば、将来、声優の仕事に就いたときにさまざまなメリットがありますよ。
今回はリップロールについて、概要やマスターするメリット、やり方などをまとめました。
「リップロールってどんなテクニック?」
「どうすればできるの?」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひご覧ください。
目次
リップロールとは
リップロールは、ボイストレーニングにおける基礎的な練習の1つで、閉じた唇に息を吐き、プルプルと震わせながら発声することを指します。
基礎練習としてリップロールを使ったトレーニングを行うと、発声の基本が身に付く、高い音程や息の量をコントロールできるようになるなど、さまざまな効果があります。
また、メインの練習とするだけではなく、ミックスボイスなど他の練習に応用的に取り入れることも可能です。
さらに、口周りの筋肉や喉をリラックスさせられることから、プロの歌手がウォーミングアップとしてリップロールを行うこともあります。
リップロールによって得られる8つの効果は?
では、声優志望者がリップロールをマスターすると、どのような効果があるのでしょうか?
以下にまとめましたので、参考までにご覧ください。
効果を知ることで、「リップロールをマスターしてみせる!」というモチベーションにつながりますよ。
効果①演技力や表現力、歌唱力がアップする
リップロールは、吐く息の量を常に一定に保つ必要があります。
息の量をコントロールしなければならないことから、マスターすれば場面やセリフに応じて最適な息の量、つまり声量で演技ができるようになるでしょう。
これは、演技力や表現力のアップにつながります。
また息の量をコントロールできれば、長いセリフをスムーズに、難なく言えるようにもなります。
効果②地声と裏声を切り替えやすくなる
声をあてるキャラクターによっては、裏声を使って演技することを求められる場合があります。
そんなときにリップロールをマスターしていると、地声と裏声の切り替えが容易にでき、演技する感覚が掴めるようになります。
リップロールの最中は、唇を閉じているため大きな声が出ません。
常に一定の声量や息の量をキープします。
リップロールをマスターすることで、地声から裏声に切り替えるときに、一定の声量や息の量をキープするテクニックを応用できるので、滑らかに地声から裏声へと移行することができます。
演じられる役の幅が広がりますし、オーディションを受ける際にも強みとなるでしょう。
効果③人前や本番で失敗しにくくなる
前述の通り、リップロールにはウォーミングアップとしての高い効果も備わっています。
このため、アフレコ前にリップロールをすることで、人前や本番でセリフを噛んでしまったり、上手うまく舌が回らなかったりといった失敗の可能性を減らすことができます。
声の調子が悪いときに、その調子を整えてくれる効果もあるので、ぜひマスターして本番前のウォーミングアップとして取り入れたいところです。
効果④全身リラックスができる
リップロールは凝り固まった口元や喉の奥を開く作用があるだけではなく、全身のリラックスにも効果的なトレーニングです。
リップロールは深い呼吸を意識することで、自律神経が整いやすくなります。
自律神経は副交感神経と交感神経で形成されており、この2つのバランスが整うと幸せホルモンが分泌されてリラックス状態になります。
リップロールすれば、自然に肩の力も抜けて発声がしやすくなるでしょう。
効果⑤うまく音程をコントロールできる
リップロールで音程をコントロールする際は声帯を使います。
声帯だけで発生するため、基礎トレーニングにもなるのです。
このトレーニングを続けることで声帯の開閉がしやすくなり、口を閉じた状態でも音程をコントロールできます。
さらにリップロールすることで、発声した音が骨伝導によって中耳に届き、自分の音程が正しいのかわかるように。
音程が正しい・正しくないかは自分の感覚だと意外にわからないものです。
リップロールすれば、音程が取れているかの確認ができますよ。
効果⑥呼吸法が安定する
リップロールは呼吸筋が鍛えられ、正しい呼吸法が身につきます。
このトレーニングを継続することで、一定の息で広い音域で発声ができます。
リップロールがうまくできない方は、呼吸が安定していないと思ってもよいでしょう。
発声する際も同じ量の息を吐いたり吸ったりできるので、長時間発声しても途中で息苦しくなりません。
効果⑦体幹が鍛えられる
呼吸法にも通ずるものがありますが、安定した息を供給するためには体幹が重要です。
リップロールする際に横隔膜を使うことで、自然と体幹が鍛えられるようになります。
さらに姿勢がよくなり、安定した発声ができるように。
体幹が鍛えられることで、声帯のコントロールもしやすくなるでしょう。
効果⑧声帯を保湿しながらトレーニングできる
リップロールのように口を閉じてトレーニングすることで、声帯の保湿ができ、口腔内が渇きにくくなります。
発声すると途中で喉が渇き、声を出すのが苦しくなることもあり、声帯に負担がかかってしまうことになりかねません。
正しくリップロールすれば、声帯を痛めずにトレーニングできます。
リップロールのやり方
ここからは、リップロールのやり方を手順に沿って解説していきます。
少しコツがいるので、すぐにできるようになるわけではありませんが、繰り返すことで、きっとマスターできるはずですよ。
リップロールのやり方が分からない方は、まずは下記を参考に練習していただければと思います。
①軽く唇を閉じる
リップロールでは、まず唇を閉じます。
このときのポイントは力を入れすぎないことです。
引き結ぶように固くぎゅっと閉じてしまうと、唇が震えません。
必ずリラックスした状態で、唇を閉じるようにしてください。
②上唇を前に出してアヒル口を作る
続いては、鏡を見ながら少し唇を突き出し、「アヒル口」を作ります。
上唇が下唇より、ほんの少し前に出るようにすると、リップロールがしやすくなります。
③口角を上げる
アヒル口を作ったら、そのままの口の形で口角を上げます。
難しい場合は指を使って引き上げましょう。
④息を吐く
最後に閉じた唇の間から、ゆっくりと息を吐き出します。
このとき、唇がブルブルと震えたら、正しくリップロールができている証拠です。
最低でも10秒間継続できるようにしてください。慣れてきたら30秒に挑戦しましょう。
リップロールの練習メニュー【応用編】
応用として、さまざまなリップロールの練習メニューをご紹介します。
主に歌手が実践するメニューですが、よりリップロールを上達させるためには、声優志望者も取り組んで損はありません。
ぜひやってみてください。
音の長さを変えてみる
リップロールは、音を出す時間が特に決まっていません。
そのため、長く音を出す練習と短く音を出す練習、どちらも行ってみるのがおすすめです。
長く音を出すときは10秒〜15秒、息を吐き続けます。
短く音を出すときは、一瞬だけ息を吐き出し、止めることを何度も繰り返します。
音の長さを変えた練習をしておけば、実際に仕事でリップロールを活用するとき、音の長さに関係なく活かせるようになりますよ。
音の高さを変えてみる
慣れてきたらリップロールで出す音の高さを、高音で出していた方は低音に、低音で出していた方は高音に変えてみましょう。
途中で音の高さを変えるのも良い練習になります。
音の大きさを変えてみる
小さな音から大きな音まで、音の大きさを変えたリップロールの練習にも取り組んでみましょう。
最初は一定の音の大きさをキープしたまま、慣れてきたら小さな音と大きな音を組み合わせてみるのも良いでしょう。
小さな音で5秒、その後大きな音で5秒、といったようにチャレンジしてみてください。
リップロールでトレーニングするときの注意点
リップロールの効果を高めるためには、以下の注意点を覚えておきましょう。
段階ごとに練習する
リップロールの段階は以下の通りです。
- 唇の振動
- 振動の継続
- 振動を継続しながら音を出す
- さまざまな音程を出す
- 音楽を聴きながら音をコントロールする
1を飛ばしていきなり5を行ったとしても、リップロールはうまくできません。
まずは唇の振動を確かめて、自分がリラックスできているかのチェックが必要です。
毎日少しずつ繰り返すことで、声優や歌手に求められる基本的な能力が身につきます。
こちらの記事もおすすめ:リップロールの練習方法とは?やり方も利点もご紹介
練習のし過ぎに注意する
リップロールをし過ぎてしまうと、声がやせ細ってしまうこともあります。
特に間違った方法で行うと、変なくせがついて、意識していないのに声帯が閉じてしまうこともあり得るのです。
低音域から高音域まで出せるようになったとしても、声が弱々しくなり、発声に影響が出てしまうことも。
リップロールは長時間ではなく、毎日5分でも良いので継続することが大切です。
リップロールがうまくできない・続かない原因と対策
上述の手順に沿ってもリップロールができない・続かない場合、次のような原因が考えられます。
対策と共にご紹介するので、当てはまっていないか確認してみてください。
体に力が入ってしまっている
慣れないことをするときは、つい力んでしまいがちですが、体に力が入っているとうまくリップロールができません。
必ずリラックスした状態で練習を始めましょう。
特に大事なのが口周りの筋肉(表情筋)です。
表情筋が緊張していると感じたら、口周りをマッサージしてからリップロールの練習をしてみてください。
唇が乾燥している
リップロールをするときに唇が乾燥していると、息が漏れやすくなってしまって成功しづらくなります。
唇が乾いている場合は、リップクリームなどを使って保湿をしてください。
適度に水分補給をするのも効果的です。
息を吐ききれていない
リップロールがうまくできない原因の一つとして、息を最後まで吐ききれていないことがあげられます。
長く続かない人は腹式呼吸を何度か行い、息を吐き切る練習をしてみてください。
限界まで息を吐き切ることで、横隔膜がうまく作用し、リップロールが継続できるようになります。
息が漏れている
唇をプルプルと震わせようと思っても、スーッと息が漏れてしまう場合は、唇に隙間ができてしまっている可能性があります。
リップロールは軽く下唇と上唇を閉じるのが基本ですが、この場合はもう少し閉じたほうが良いでしょう。
繰り返しリップロールを行うことで、力の入れ具合が把握できます。
ただし、それでもリップロールがうまくできなかったり継続できなかったりした場合は、基礎的なことが間違っていることも。
正しいリップロールのトレーニング方法を身につけるためには、スクールでプロの講師に教えてもらうことも視野に入れましょう。
まとめ
今回はリップロールの概要や声優志望者がマスターするメリット、やり方などを解説しました。
最初は難しいかもしれませんが、練習を重ねれば上達しますし、いずれ自在に使いこなせるほどにマスターできます。
今までリップロールの名前しか聞いたことがなかった方、やり方が分からなかった方も、習得を目指して練習してみてくださいね。
ただし、リップロールは「活かせるテクニック」であり、声優に必要不可欠な知識やスキルは他にもたくさんあります。
本気で声優を目指している方は、スクールに通って徹底的に学ぶのがおすすめです。
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