「自分では大きな声を出しているつもりなのに、相手には聞こえていない…」
「思いや考えがいつも正しく伝わらない」
そんな“声が通らない”という悩みをお持ちではありませんか?
しかし、声が通らないという悩みを持っていても、原因や改善方法が分からなければどうしようもないですよね。
そこで、この記事では声が通らない原因と、よく通る声になるための改善方法を解説します。
日常生活で声が通らないことに悩んでいる方にはもちろん、将来歌手や声優など、「声を使った仕事をしたいけど声を出すのは苦手」という方にも役立つ記事となっていますので、ぜひご覧ください。
声が通らない8つの原因
まずは、声が通らない原因から見ていきましょう。
声が通らない原因には次のようなものがあります。
1.姿勢が悪い
小学校や中学校で、「歌を歌う時は姿勢よく」と指導された経験はありませんか?
姿勢は声の出方に大きな影響を与える要素の1つです。
そんな姿勢の悪さが、声の通りにくさに繋がっていることが考えられます。
姿勢が悪いといえば、“猫背”を思い浮かべる方が多いでしょう。
猫背の姿勢は、一見すると脱力しているようですが、実は重い頭が前方へ倒れるのを無意識に支えている=頭を持ち上げようとしているので、首や肩に力が入ってしまっています。
結果、上半身が硬直してしまい、上手く声を出せなくなっているのです。
それだけではなく、首や頭が前に出ていることから、喉が閉まり、肺が圧迫されます。
このため、息を十分に吸えないことも、声が通りにくくなる理由となっています。
2.胸式呼吸をしている
一般的に、呼吸法には大きく2種類があり、1つは胸のまわりの筋肉を使う「胸式呼吸」、もう1つはお腹の筋肉を使う「腹式呼吸」です。
多くの人が普段、無意識にしている呼吸法は胸式呼吸ですが、胸式呼吸は腹式呼吸に比べて、一度に吸い込める空気の量が少ないことから、声を出す時にはあまり向いていません。
このため、発言する際に胸式呼吸をしていると、声が通りにくくなります。
腹式呼吸と胸式呼吸の違いについては、下記のコラムも参考にしてください。
【簡単】腹式呼吸のやり方を解説|声優が身につけるメリットは?
3.喉が閉まっている
喉が閉まっている状態とは、喉の奥のスペースが狭まっている状態と言い換えられます。
喉の奥のスペースが足りないと、多くの息をいっきに吐き出すことができません。結果、通る声を出すには、多少の無理をする必要があります。
しかし、喉の奥に十分なスペースがあれば、多くの息をいっきに吐き出すことができるので、力まずに大きな声を出すことが可能。
通りやすい声で話をするにはもちろん、喉を痛めないためにも、きちんと喉を開いて声を出すことが大切です。
4.口が開いていない
喉と同様、口もしっかり開けていないとなりません。
声を発する時は、肺から息を吐き出す必要があるのですが、吐き出す息の量が少ないと、実際に出る声が小さくなってしまいます。
そして、口の開きが小さいということは、体内から体外へ、息が通過しにくいということ。声も小さく、通りにくくなります。
また、舌や唇の動きが制限されることから、聞き取りにくい発音になってしまうことも、声が通りにくいと感じる原因の1つです。
5.息を上手く吐けていない
喉が閉まっていたり、口が開いていなかったりすると、多くの息を吐き出せないことは上述の通りです。
他にも様々な理由で息を上手に吐けていない場合、声の通りは悪くなります。
例えば息をしっかりと吸えていない場合、必然的に吐ける息の量も減るのは想像できますよね。
このように、息を上手く吐けていないと、通らない声になってしまうのです。
6.体に力が入っている
緊張している時など、体に力が入ってしまっていると、次のような理由から声が通りにくくなります。
- 息を吸いにくい
- 声帯周辺が圧迫される
緊張している時以外には、不安な時にも体に力が入りがちです。
このため、「声が通りにくい」とコンプレックスに感じている方ほど、余計に届きにくい声になってしまう傾向にあります。
7.下を向いている
顔が下を向いている時は、喉が圧迫された状態です。
喉が圧迫されていると息が上手く吐き出されず、声が通りにくくなります。
自分に自信がない方や、何かを恥ずかしいと感じている時は下を向きがちなので、気持ちがマイナスになっていても、意識して顔を上げることが大切です。
8.舌が引っ込んでしまっている
話をする時に、舌の位置を気にする方は少数かもしれませんが、舌の位置は声の通りやすさに影響を与える要素の1つです。
舌が引っ込んでいると、声の通り道が塞がり、声がこもってしまいます。結果、声が通りにくく感じるでしょう。
よく通る声になるための8つの改善方法
ここまで、声が通らない原因を紹介してきました。
しかし、原因を理解しただけでは悩みの解決には繋がりません。
そこで今度は、よく通る声になるための改善方法を解説していきます。
まずは、自分の声がなぜ通りにくいのかを分析してから、必要な改善方法を以下より試してみてください。
1. 姿勢や顔の向きを見直す
姿勢が悪かったり、顔が下を向いていたりすると通りにくい声になります。
まずは声を出す時の姿勢や顔の向きを見直してみましょう。
以下の流れを意識して姿勢を作ると、声が通りやすくなります。
- ①足を肩幅に開き、太ももの内側に力を込める
- ②胸を高めに張って、背筋を伸ばす
- ③うなじを縦に伸ばし、顎を引く
2. 腹式呼吸を身につける
腹式呼吸は、一般的な胸式呼吸よりも多くの空気を吸い込むことができ、声も通りやすくなります。
腹式呼吸ができない方は、以下のやり方を試してみてください。
- ①背筋を伸ばして立ち、お腹に手をあてる
- ②お腹をふくらませながら、鼻からゆっくり息を吸い込む
- ③お腹をへこませながら、口からゆっくり息を吐き出す
この時、息を吐き出す時間が、息を吸い込む時間の約2倍になるよう意識しましょう。
腹式呼吸のやり方については、下記のコラムも参考にしてください。
【簡単】腹式呼吸のやり方を解説|声優が身につけるメリットは?
3. 喉を開いてしゃべる
会話をする時に喉を開くことで声が届きやすくなりますが、そもそも“喉を開く”感覚が掴めていない方も多いでしょう。
喉が開いている状態は、あくびをしている時の感覚に近いです。
あくびをすると、喉の奥が広がったような感覚がありませんか?
喉を開く時は、ただ口を大きく開けるのではなく、喉の奥にスペースを確保することが大切です。
喉を開く感覚を掴むためには、わりばしを奥歯で噛みながら発声する練習方法がおすすめです。
わりばしを使うことで、喉の奥が広がり、舌根が下がっている状態を作れます。
慣れてきたらわりばしを外します。
わりばしがなくても喉が開いた状態をキープできるまで、練習を繰り返しましょう。
4.息漏れを少なくする
息漏れは、声帯を閉じる力が弱いことから起こります。
しっかりと声帯を閉じることができるよう、トレーニングしましょう。
声帯を閉じる感覚を掴むには、エッジボイスを出してみるのがおすすめです。
エッジボイスとは、ホラー映画で使われているような「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」という濁った声で、声帯が適度に閉じていなければ出ません。
エッジボイスを出す時は、以下のやり方で練習してみてください。
- ①体の力を抜いてリラックスする
- ②無理のない高さで「あー」と発声する
- ③「あ゛あ゛あ゛」といった濁った声になるまで、少しずつ音程を低くしていく
エッジボイスを出す時の感覚で会話をすれば、息漏れが減り、声も通りやすくなりますよ。
5.ストレッチをする
体が硬くなっていると、通る声は出ません。
ストレッチをして体をほぐしましょう。
- クロールをするように腕を大きく前に回す
- 背泳ぎをするように腕を大きく後ろに回す
- 首を右斜め前、左斜め前に順に倒したあと、ゆっくり回す
- 上半身を脱力させ、前屈する
以上のストレッチを深呼吸しながら行うことで、自然と体から力が抜け、ほぐれます。
6.ブレストレーニングをする
ブレストレーニングは、吸う息の量を増やすために行います。
吸う息の量が増えることで、吐き出せる息の量も増え、声も通りやすくなります。
ブレストレーニングの流れは次の通りです。
- ①口を半開きにする
- ②鼻と口で、背中に向かって息を吸う ※鼻を中心に70%目安
- ③吸った息を腰、背中、肩甲骨、肩、首、顔、目の中へと入れていく
- ④口を縦に開けて息を吐き切る
以上のトレーニングを繰り返すことで、肺活量とインナーマッスルが鍛えられ、通りやすい発声ができるようになります。
7.滑舌トレーニングをする
滑舌を改善することでも、声が通りやすくなります。
「滑舌が悪いかも…」と感じている方は、滑舌トレーニングをしてみてください。
滑舌トレーニングには、次のような方法があります。
- 早口言葉を口にする
- 天井に向かって舌を出す
- 最大限の笑顔で笑う
- タングトリルの練習をする
また、言葉を発する時に腹式呼吸をしていると、余計な力が抜けて深い呼吸ができ、滑舌も良くなります。
腹式呼吸が身についていない方は、腹式呼吸の練習もしましょう。
滑舌トレーニングについて、詳細は下記のコラムで解説しています。
滑舌トレーニングで滑舌改善!声優志望にも社会人にもおすすめの練習方法とは?
8.舌の位置をコントロールする
舌が引っ込んでいると、声の通り道が塞がってしまい、声もこもります。
このため、舌の位置をコントロールできるようになると、通りやすい声を出しやすくなります。
舌の位置をコントロールするには、以下の練習をしてみてください。
- ①鏡の前で口を大きく開く
- ②舌を前歯の裏側につけ、「あー」と発声する
難しい場合は、舌を突き出すように前に出すことで、舌から力が抜け、位置の調整がしやすくなります。
自力で改善できない時はスクールへ
ここまで、声が通らない原因と改善方法について解説してきました。
ご紹介した改善方法は、どれも自宅で実践できるものばかりですが、人によってはなかなか改善されずに悩んでしまう…なんてこともあります。
声の通りにくさがどうしても改善されない方や、少しでも早く改善したい方は、スクールに通うのがおすすめです。
スクールなら、発声の知識やスキルを持つ講師から指導を受けられますし、設備も整っていますので、自宅よりもずっと良い環境でトレーニングができます。
まずは気になるスクールのパンフレットを読んだり、説明会に参加したりしてみてくださいね。
まとめ
今回は声が通らない原因と、よく通る声になるための改善方法を解説しました。
通りやすい声を手に入れれば、思いや考えを正しく伝えやすくなります。また、歌手や声優など、声を出す仕事にも就きやすくなるでしょう。
通りやすい声はトレーニングで手に入るので、「生まれつきだから」と諦めず、この記事を参考に訓練してみてくださいね。
また、「声が通らないから」と自分に不安を持っていたり、コンプレックスを感じていたりすると、無意識に体に力が入る、下を向いてしまうなどが原因で、なおさら通る声を出しにくくなります。
声の通りにくさにコンプレックスがあっても、気持ちだけは前向きに、顔を上げて会話できるようになれば、より声が通りやすくなりますよ。
声の通りにくさを改善するトレーニングは自宅でできますが、プロの歌手や声優を目指しているなどの理由から少しでも効率良くトレーニングしたい場合、スクールの利用を視野に入れましょう。
例えば声優志望者であれば、アミューズメントメディア総合学院(AMG)の声優学科がおすすめ。発声の基礎が身につくことはもちろん、表現や演技についても基礎からしっかり身につくカリキュラムなので、未経験からプロの声優を目指せます。
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