声優を目指す人の中には、「外国映画の吹き替えをやりたい」という人もいるでしょう。
アニメ声優の情報はたくさんありますが、外国映画の吹き替えをする声優の情報はまだ少なく、リサーチに苦労しますよね。
今回は外国映画の吹き替えの仕事について、収入を中心に実態を紹介します。
「外国映画の吹き替えって稼げるの?」「どんな仕事をしているか知りたい」という人は、ぜひチェックしてみてください。
外国映画の吹き替えの収入事情
外国映画の吹き替えは、日本俳優連合が定めたランク制で決まります。
基本的には、30分の尺につきいくらと決まっています。
作品の尺でギャラが決まるため、セリフの量が多くても少なくても、ランクが同じであれば収入は同じです。
ランク制は、次のように分類されています。
・ジュニアランク
声優デビュー後3年間は、新人期間のジュニアランクです。
ジュニアランクに限り、尺30分ではなく作品1本につき15,000円とギャラが決められています。
・ランカー
ランカーでは、30分の尺につきギャラが発生します。
30分につき15,000円からスタートし、最高ランクでは45,000円まで上がります。
・ノーランク
ノーランクになると、ギャラの交渉が可能です。
外国映画の吹き替えは「割に合わない」?
外国映画の吹き替えをしている声優の、平均年収に関するデータは発表されていません。
代わりに、プロの声優の意見を紹介しましょう。
声優の大塚 明夫さんによると、外国映画の吹き替えはコスパが悪いそうです。
その理由は、拘束時間の長さです。
外国映画の吹き替えの収録は丸1日かかる上に、ナレーションやCMの仕事に比べて収入が安いのだとか。
また、セリフの量が多いと事前準備の時間もかかります。
アフレコ現場に行く前に、台本の読み込みや映像の確認、リハーサルといった作業があり、その間ギャラは発生しません。
ただし外国映画の吹き替えは、知名度や実力がないと受けられない仕事です。
というのも、役はオーディションではなくプロデューサーやディレクターからの指名で決まることが多いからです。
外国映画の吹き替えは、収入面だけ見ると確かに割に合わないかもしれませんが、声優にとっては名誉ある憧れの仕事でもあるのです。
大塚 明夫さんも、外国映画の吹き替えについて「割に合わなくても、収入よりもいい芝居をすることを重視するため問題はない」と語っています。
参考URL:声優に憧れる人が知らない「厳しい収入事情」 | テレビ | 東洋経済オンライン
声優として収入・年収をアップさせるには
ここまで外国映画の吹き替えは、収入面では割に合わないけれどやりがいのある仕事だと紹介しました。
とはいえ「やりがいも大切だけど、やっぱり収入もある程度欲しい」という人も多いかと思います。
ここからは、外国映画の吹き替えの声優が収入・年収アップするための方法について紹介します。
さまざまな分野の仕事を受ける
声優の仕事は幅広く、外国映画の吹き替え以外にもアニメやナレーション、歌手などたくさんあります。
それぞれギャラの相場も違うので、分野を広げて単価の高い仕事を受ければ収入アップを狙えるでしょう。
幅広い分野の仕事を受けるためには、演技の幅を広げる、歌唱力などプラスアルファのスキルを身に付けるといった努力が必要です。
ランク制が適用されない声優事務所に入所する
記事の最初に紹介したランク制は、日本俳優連合に加盟する声優事務所に適用されるものです。
日本俳優連合に加盟していない声優事務所では、事務所独自のギャラ設定がされているため、ランク制よりも収入が増える可能性もあります。
これは、フリーランスで活動する場合も同じです。
ただし、ランク制は声優の収入を守るために設定されたもので、新人のうちはランク制が適用された方が収入が安定する場合もあります。
そのため、必ずしもランク制のない声優事務所の方が収入が高いとは言い切れません。
外国映画の吹き替えの仕事を詳しく
最後に、外国映画の吹き替えの仕事内容についてもう少し詳しく解説しましょう。
今回は、主に外国映画の吹き替えで活躍されている声優・唐沢 潤さんの仕事を紹介します。
まずは台本と原語の映像をもらい、アフレコ当日までにチェックします。
台本と映像から、作品の世界観や役の人物像、そして吹き替えのタイミングを確認。
アフレコは午前中に始まり、夜まで続くことも多いそうです。
リハーサルからスタートし、ディレクターから指示を受け、本番で指示通りに演技するという流れです。
片耳で原音、片耳で相手役の日本語のセリフを聞いて、画面と台本を見ながらマイクの入れ替わりのために移動……と、アフレコ現場の大変さが分かります。
自分の出番以外はスタジオの外で待機する声優も多いそうですが、唐沢さんはずっとスタジオの中にいるとのこと。
これは、「現場の空気を感じていたい」「他の人への指示を聞いて、ディレクターがどんな作品を目指しているのか知りたい」という想いからだそうです。
唐沢さんのように、真剣に作品作りと向き合える人はきっと外国映画の吹き替えの分野で活躍できるでしょう。
参考書籍:山本健翔「声優になるには」
まとめ
外国映画の吹き替えはやりがいも大きく、作品作りに対する意識が高い人にはぴったりの仕事です。
外国映画の吹き替えの収入についてネガティブな意見もありますが、仕事の分野を広げるなどで収入アップも望めるでしょう。
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