職場とも言えるアフレコ現場(スタジオ)にて、声優はどういう流れで仕事をしているのでしょうか。
現場は厳然とした雰囲気に包まれている印象がありますが、声優の仕事と言ったら、やはりアフレコを思い浮かべますよね。
ここでは、アフレコ現場における声優の仕事の流れについて、詳しく解説していきます。
アフレコ現場の流れ
声優がアフレコ現場にて、どういう流れで仕事をしているのかを、スタジオに入るまでの準備段階を含め最後まで詳しく見ていきます。
以下は、30分アニメの収録を例にしています。
スタジオに入るまでの準備
声優はアフレコ現場に入るまでに、予め渡された台本や練習用映像を使用して、自宅でアフレコの練習を行います。
練習用映像は、絵コンテや線画であることが度々起きるので、台本も上手く使いながら想像力を駆使して、本番のアフレコに向けて入念な準備を行います。
声優は、どれだけの準備をしているのかどうかで、明暗が分かれる職業とも言えるので、映像の入念なチェックも含め、準備も実力のうちになります。
スタジオ入りと説明
声優が全員揃わないと、アフレコ(収録)は始まらないため、遅刻は厳禁とされています。
特に新人声優の場合は、アフレコ開始の1時間前には最寄り駅に着いて、カフェなどで時間を潰して30分前にスタジオ入り、ということが当たり前と言われています
開始時刻になったら、まずはディレクションの説明を受けます。内容は、アニメ作品の概要やセリフの変更、どういう心情・機微・抑揚でセリフを言った方が良いのかなどです。
リハーサル・テスト
全体の流れを把握するために、映像をモニターに流し、声優は台本と見比べながら台詞の確認をしていきます。
その後に通しのテストを行い、音響ディレクターが適宜声優に対して演技指導(修正)の指示が出されます。
本番
作品にもよりますが、現場である収録スタジオには、アフレコに参加する20人以上もの声優が、まさに一堂に会しているような状況で収録をします。
声優1人1人にマイクは用意されてはいないので、数本のマイクを声優が交互に使用することになります。
そのため、アフレコをする際には、マイクの前に立つタイミングも重要になります。
リテイク・部分撮り
音響ディレクターが、ミスなどの理由で納得がいかない場合に、部分的なリテイクをしていきます。とある声優は、15回以上リテイクを出してしまい、周りの声優を待たせて気まずい思いをした、という苦い経験を語っています。
また、その他大勢の人の話し声や喧騒、歓声が求められるシーンをガヤと言い、収録することをガヤ撮りと言います。
このガヤ撮りも、本番が終わってから行われます。
アフレコする際に気を付けるポイント
基本的に、30分アニメの収録は3時間以上かかるとされています。
この3時間は緊張の連続であるため、慣れないうちは、アフレコ後に疲れが一気に押し寄せてくるそうです。
では、なぜ声優のアフレコ現場が緊張の連続になってしまうのか、気を付けるポイントを解説しながら見ていきます。
とにかく音に細心の注意を払う
アフレコに参加している声優は、とにかく音を出さないことに細心の注意を払っています。
想像するに難くないと思いますが、厳然とした静寂な雰囲気の中で、声優の声だけを収録するためにアフレコを行っているため、音を出してしまうとリテイクになるからです。
ですので、携帯の電源OFFはもちろんですが、音の出るアクセサリーや服装も身に付けないように、声優は気を遣っています。
ここまで音に気を遣わなければならないのは、マイクの集音性が高いからで、台本のページをめくる音を拾えるくらいの性能の高さを誇っています。
これだけの緊張感の中でアフレコを行うため、魅力的な演技をするには、相応のメンタルが必要になるでしょう。
リテイクを出さないようにする
声優として活動を始めたうちは難しいかもしれませんが、前述したようにリテイクを出しすぎてしまうと、先輩も含め多くの人を待たせてしまい、収録時間は延びてしまいます。
音響ディレクターは作品のために妥協を許さないので、細かい演技指導はよくあると覚悟した方が良いでしょう。
また、リテイクを出しすぎてしまうと、音響ディレクターによっては次の現場に呼んでもらえない、というケースが良くあります。
そのため、仮に演技の修正指示があったとしても、まずは落ち着いて演技をすることが重要になります。
まとめ
スタジオにおける声優のアフレコの流れについて見てきましたが、どの現場でも、シビアな緊張感が常にあると思った方が良いでしょう。
しかしながら、第一線で活躍している声優は、そういった緊張感を乗り越えています。
声優を目指している方は、ぜひ参考にしてほしいです。
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