声優や俳優が行なっているアフレコ。
何となくの意味は分かっていても、具体的にどういう事をしているのか、詳細をご存知の方は、もしかしたらあまり多くはないのでないでしょうか。
また、アテレコやプレスコとの違いがよく分からないという方も、いるのではないでしょうか。
ここでは、アフレコに関する様々な情報をご紹介します。
アフレコとは
アフレコとは、和製英語にしてアフター・レコーディングの略称です。
その名の通り、既に出来上がっている映像や絵に、後から声を当てるレコーディング作業の事をアフレコと言います。
アフレコの歴史は、日本で公開される洋画を観客が違和感なく見られるように、1956年から始まりました。
1990年代あたりからアフレコの技術が飛躍的に向上し、あらゆる音程の音をレコーディングできるようになったそうです。
アフレコとアテレコは殆ど同じ意味
アテレコとは、直接演じていない登場人物に声を当てなければならない時に、その部分にだけ声を当ててレコーディングする事を指します。
もともとアテレコはアフレコから派生した用語のため、アテレコもアフレコとほぼ同じ意味と言っても差し支えはなく、あくまで区別のために使用されているのです。
また、吹き替えや特撮のレコーディングにおいては、アフレコではなくアテレコが用いられる事があります。
基本的にアテレコという用語も、アフレコと同様に日本でしか使用されません。
アフレコが使われる現場
アニメ
日本のアニメ制作ではこのアフレコが一般的で、声優は出来上がった絵に対し、声を当てていく事になります。
ですので、セリフの量や時間が限られた中で、最大限の演技をしなければなりません。
声優がアフレコをする際は、基本的に収録ブースに声優全員がスタンバイする事になります。
ここで注意点として挙げられるのが、遅刻です。声優全員が揃わなければ収録が始められないため、1人でも遅刻をしてしまうと、収録スタッフも含め多くの人に迷惑を掛けてしまいます。
ですので、アフレコ現場の最寄駅や付近に1時間早く着いている、という事が良くあります。
また、アフレコマイクは集音性が非常に高いため、息をするのも敏感になってしまうくらいの緊張感が漂っています。
少しでも物音を立ててしまうとリテイクになってしまうため、スマホの電源を落とす事もそうですが、音の鳴りやすいアクセサリー類や靴、服などにも細かく気を遣っています。
台本のページをめくる音もマイクが拾ってしまう可能性があるため、収録後には疲れが一気に来る、と語っている声優が多いです。
映画やドラマの吹き替え
海外の映画やドラマの吹き替えをアフレコする際は、役者の演技に合わせて声を当てます。
具体的には、翻訳された台本を手にヘッドフォンやイヤホンなどで原音を聞きながら、レコーディングする事になります。
アニメのアフレコと異なるポイントしては、人間に声を当てる関係上、役者の息継ぎに合わせた上で演技をしなければなりません。
アニメよりも自然な演技が求められるので、吹き替えのアフレコには違った能力が求められます。
実写作品
屋外で実写作品を撮影する際に、実は声が録音できないというのはよくあります。
室外機や爆発、風や雨など、何らかの音が原因で、明確に役者の台詞が収録できない事がよく起きるからです。
そのため、自分が演じている声の部分が何らかの原因で明確に聞き取れないため、自分で声を当てるというのが、実写作品におけるアフレコになります。
ですが、演技の質が低下するなどの理由により、アフレコを好まない役者が多くいるそうです。
アテレコとプレスコの違い
録音方法
プレスコとはプレスコアリングの略称で、録音方法はアテレコと完全に逆になります。
つまり、先に音声を収録し、その音声に合わせて映像や絵を作る事になるのです。
主に利用されている現場
アニメ
プレスコは、フルアニメーションの制作が一般的な欧米にて、よく使われる録音方法です。
また、先程もご紹介したように日本のアニメ制作はアフレコが一般的でありますが、日本のアニメ創成期ではプレスコが主でした。
数は少ないのですが、現在でもプレスコでアニメを制作しているケースがあります。
限度はもちろんありますが、アフレコと違いアドリブを場合によっては行えることもあって、声優の演技力がより試される録音方法と言えます。
メリットとしては、声優の自然な演技力を土台にするため、アニメーターがそれに合わせて作画できる事が挙げられます。
ですが、作画により時間を掛けてしまうというデメリットもあります。
ミュージカル映画
ミュージカル映画でも、よくプレスコを用いて収録される事が多いです。
具体的には、事前に歌のレコーディングを行い、それに合わせて役者が口パクで歌ったり、はたま踊ったりなどを演技する事になります。
アフレコをする環境(スタジオ)
アフレコをする際には、きちんと録音ができるように、なおかつ余計な音が入らない環境を整えるのが一般的です。
そのため、音量や音質を細かく調節できるミキサーや防音壁、声を当てる映像や絵を映すスクリーンなどが基本的に用意されています。
そしてアフレコの責任者と言えるのが、アニメでは音響監督、吹き替えでは演出やディレクターです。
声優や俳優のキャスティングや演技指導などを行うので、アフレコをするうえで、何度も話をする機会があるでしょう。
まとめ
アフレコとアテレコ、そしてプレスコとの違いを、お分かり頂けたでしょうか。
特に声優を目指している人は、アフレコとプレスコの違いを知っておいた方が良いでしょう。
アフレコに興味がある方は、ぜひ参考にしていただきたいです。
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