声優や歌手などの声を使う職業を目指している方であれば、腹式呼吸は習得した方がいい、と人やメディアから聞く機会が多いのではないでしょうか。
腹式呼吸とは、その名の通りお腹を使う呼吸法で、発声をする際にとても重要です。
今回は、腹式呼吸による発声がなぜ良いのか、そしてその練習方法について詳しくご紹介します。
腹式呼吸とは
腹式呼吸とは、お腹を使った呼吸法のことです。
空気を吸った時にお腹が膨らみ、空気を吐いた時にお腹が凹むのが特徴なので、つまりお腹の筋肉を伸縮して呼吸をしている、という事になります。
多くの人がしているのは、腹式呼吸よりも浅い胸式呼吸なのですが、実は寝ているときに、自然と腹式呼吸になっていると言われています。
腹式呼吸は深く呼吸できることから、自律神経を整える効果があるので、発声のためだけでなく、出来る事なら普段から行った方が良い呼吸法と言えます。
なぜ腹式呼吸による発声が大事なのか?
腹式呼吸がなぜ大事なのか、それは胸式呼吸による発声にデメリットがあるだけでなく、それを大きく覆すほどのメリットがあるからです。
日常生活における通常の会話であれば、胸式呼吸であっても特に問題は発生しません。
ですが、声を使う職業であれば、常日頃から発声をするということになるため、腹式呼吸じゃないと大きな支障を来しますし、そもそもとして、できないと声優や歌手になれない可能性があります。
だからこそ、腹式呼吸はなるべく早く習得するに越したことありません。
腹式呼吸をしないデメリット
腹式呼吸をしていないからと言って、日常生活に何か支障を来す訳ではありませんが、声優のように発声することが仕事の場合、いくつかのデメリットがあります。
例えば、高い声を出せなかったり、喉を痛めたりなどのデメリットがあるので、以下で詳しくご紹介します
高い音や伸びのある声が出にくい
胸式呼吸では十分な量の空気を吸えない、つまり浅く息をしているという事になるため、吐く息の量も必然的に少なくなります。
吐く息の量が少ないと、高い音はもちろんですが、伸びのある発声ができません。
それは、息が浅いにもかかわらず高い音などを出そうとすると、自然に喉に力が入ってしまい、余計に出にくくなるからです。
喉を痛めてしまう
胸式呼吸では息が浅いため、その状態で長く発声をしてしまうと、喉に負担が掛かってしまいます。
前述したように、日常生活を過ごすだけならそこまでの負担は特にありませんが、発声し続けていると、負担が喉に蓄積してしまいます。
また、浅い呼吸のままボリュームのある発声をしようとすると、喉に力が入ってしまうため、余計に負担が掛かってしまいます。
それを短時間ならまだしも、長時間続けてしまうと、負担が蓄積した結果として、喉を痛めてしまうのです。
腹式呼吸による発声のメリット
腹式呼吸は胸式呼吸と大きな違いがあるため、発声するにあたり、上記のデメリットを解消できるなど、いくつか有利に働くメリットがあります。
以下にて、メリットを詳しく解説します。
上記のデメリットが解決できる
腹式呼吸による発声をすることで、高い音や伸びのある声が出やすくなり、喉も痛めにくくなります。
腹式呼吸は胸式呼吸よりも深く息を吸えるため、自然に吐く息の量が増加し、喉に力を入れずとも高い音や伸びのある発声がしやすくなるのです。
ちなみに、喉に力を入れなくて済むため、高い音(裏声)と地声の切り替えもスムーズになりやすくなります。
また、喉に負担が掛かりにくくなり、結果として痛めにくくなるため、個人差はありますが、長時間の発声をしても喉に負担が蓄積されにくいです。
吐く息の量がコントールできる
腹式呼吸を実践することで、深く息を吸えるようになるため、発声する際に吐く息の量をコントロールしやすくなります。
ですので、喉に無理に力を入れなくても、長い歌詞や台詞、ロングトーンなどがしやすくなります。
感情表現に深みが出る
腹式呼吸により発声に余裕ができるため、声優であれば演技、歌手であれば歌の感情表現に深みが出るようになります。
違いはもちろんありますが、声優にしても歌手にしても、感情表現をしなければ、聞いてくれる人が魅入られることはありません。
喜怒哀楽を表現するためには、声に強弱や緩急をつけたりする必要があり、腹式呼吸による発声は、決して浅くない深みのある感情表現の手伝いをしてくれるのです。
腹式呼吸による発声の練習方法とは?
腹式呼吸をした上での発声をマスターするには、いくつか効果的な練習方法があります。
正しい姿勢を取ることを意識するなど、具体的な練習方法やコツについて見ていきます。
正しい姿勢
腹式呼吸は、お腹に息を溜めて吐くことを指すのですが、イメージとしては、息を吸った時にお腹が膨らみ、吐いた時にお腹が凹むイメージです。
それを当たり前のようにするためには、まずは正しい姿勢を取ることを心掛けなければなりません。
正しい姿勢というのは、背筋を伸ばして顎を引き、身体の至るところに力が入らないように上手く脱力することです。
最初のうちは壁を用いながら正しい姿勢を取るようにし、おへその下の丹田を意識しつつ先述したイメージで、ゆっくりと長い時間を使って息を吸い、同じく長い時間を使って吐くことを繰り返しましょう。
声を出す
正しい姿勢で腹式呼吸ができるようになったら、次は声を出してみましょう。
台詞や歌詞ではなく、まずは呻くように『ううう』と、『う』を連続させるように発声してみましょう。
それがきちんと腹式呼吸で発声ができるようになったら、次は『アー』や『ウー』などの母音を長く発声してみましょう。
日常会話から意識する
上記のように意識をすれば、腹式呼吸が出来る確率は上がります。
ですが、声優であれば台詞を発し、歌手であれば歌詞を歌わなければならないため、それらをしながら腹式呼吸をしなければなりません。
いきなり出来ることに越したことはありませんが、それをするには困難なので、日常会話を腹式呼吸で行うことが重要になります。
日々から実践することで、早口言葉が解消しやすくなりますし、相手は言葉の発音が聞き取りやすくなります。
ですので、台詞や歌の練習で腹式呼吸による発声が上手くいかない方は、日常会話から意識しましょう。
まとめ
腹式呼吸を習得することは、発声の可能性を広げ、そして声優や歌手になるためにも重要なファクターです。
胸式呼吸でも、高い音や伸びのある声を出せないことはありませんが、喉を痛めやすいですし、腹式呼吸を実践するからこそ習得できる発声方法もあります。
ですので、声の職業を目指している方は、腹式呼吸による発声を常に心掛けるようにしましょう。
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