カラオケの採点基準でよく目にする「ビブラート」は、歌手が表現の幅を広げるために必要です。ビブラートを上手に使いこなすことによって、歌唱レベルを上げることができます。
ビブラートは、歌手にとってはもちろん、ライブや歌の収録の仕事も受けることがある声優にとっても、役立つテクニックです。
アニメ・声優関連ライブの市場規模は拡大し続けています。ぴあ総研によると、2018年1月〜12月のアニメ音楽・声優ライブ公演チケットの売り上げは推定で200億円に達しました。これは2017年の181億円から10.5%増えています。
2019年にはさらに195%増加し、245億円という推計になりました。コロナ禍での落ち込みがあったものの、現在は回復傾向にあり、今後はさらに拡大し続けると予想されています。
アニメ・声優関連ライブの市場規模からも分かるように、現在では声優がアイドルまたはアーティスト活動をする機会が非常に多いです。声優を目指すなら、ビブラートをマスターすることで、強みになるでしょう。
この記事ではビブラートの出し方と、出せない時の原因・解決方法を解説していきます。声優志望者はもちろん、それ以外でもビブラートをマスターしたい方は、ぜひご覧ください。
ビブラートとは?
ビブラートは、歌う時に声を揺らし、響かせるテクニックのことです。
歌詞の終わりに音を伸ばす時、声を小刻みに震わせるような歌い方を聴いたことはありませんか?
声を途切れさせることなく、それでいて小刻みに揺らすビブラートは、音が美しく響くので歌が上手に聴こえます。
ビブラートを使いこなす歌手・アーティストには、次のような方がいます。
- 槇原敬之
- 西川貴教(T.M.Revolution)
- 小田和正
- 飛鳥涼(CHAGE and ASKA)
- 松任谷由美
- 宇多田ヒカル
どの方も多くの人が、「歌がうまい!」と称賛する歌手・アーティストですよね。
称賛される理由の1つとして、ビブラートをマスターしていることが挙げられるのではないでしょうか。
声優がビブラートをマスターするメリット
歌手にとってビブラートが重要なテクニックであることは分かります。
しかし、声優は歌を歌うのではなく、キャラクターに声を吹き込む仕事。ビブラートの習得は不要なように思いますよね。
確かに必須ではありませんが、声優がビブラートをマスターすることにも、きちんと仕事に繋がるメリットがあります。
そのメリットを、以下でご紹介します。
メリット①演技の幅が広がる
声優が声を吹き込むキャラクターは多種多様。その中には歌手やアイドルなど、“歌を得意とするキャラクター”もいます。
歌を得意とするキャラクターが作品の中で歌う場合、声優と歌手を分けるパターンと、声優自身が歌まで担当するパターンがあります。
もしも声優自身が歌まで担当する場合、上手に歌えないと視聴者に違和感を抱かせてしまいますよね。
知名度やギャラにも関わってきますから、できれば自分で歌まで歌いたいところです。
ビブラートのテクニックがあれば、“歌を得意とするキャラクター”を演じやすくなり、演技の幅が広がります。
メリット②キャラクターソングを歌いやすくなる
作品によっては、声優が「キャラクターソング」を歌うことがあります。
キャラクターになりきって歌うキャラクターソングは、歌の上手い・下手は問われないことが多いですが、歌が上手い方が聴いている人の印象に残りやすいです。
ビブラートをマスターしておけば、キャラクターソングの収録を依頼された時に、自信を持って歌うことができますよ。
メリット③声優アーティストとしての活躍を見込める
声優の中には、歌手・アーティストとしても活躍している方々がいます。
水樹奈々さんや宮野真守さん、蒼井翔太さんなどが有名ですね。
このように、声優と歌手の活動を両立している方は「声優アーティスト」と呼ばれます。
歌が上手くなれば、声優アーティストとしての活躍を見込め、知名度や収入がさらにアップするかもしれません。
声優アーティストを目指す第一歩として、ビブラートをマスターしてみてはいかがでしょうか?
ビブラートの出し方
ここからは、ビブラートの出し方について解説していきます。
ビブラートの出し方には3つあります。
- ①あごを使う方法
- ②喉を使う方法
- ③横隔膜を使う方法
1から順に難易度が低いので、まずは①あごを使う方法からチャレンジしていきましょう。
慣れてきたら②、③へとステップアップしてください。
①あごを使う方法
あご(口)を使うビブラートはとても簡単なので、初心者でもすぐできるようになるはずです。
手順はたった2ステップ。
- 自分が出しやすい音程で「あ〜〜〜〜」と発声する
- 「あうあうあう」と下顎を動かし、音に波を加える
これだけでビブラートを出せます。
最初は違和感を覚えるかもしれませんが、慣れてくれば自然なビブラートになるので、たくさん練習しましょう。
②喉を使う方法
喉を使うビブラートは「ちりめんビブラート」とも呼ばれます。
ちぢれ麺のように、細かく波のあるビブラートです。
難易度はあごを使う方法とあまり変わらず、こちらも簡単に習得できます。
- 喉を振動させて「ああああああああああ」と発声する
- 「あぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ」といった感じに、“あ”の音程を変える
以上が喉を使うビブラートの出し方です。
細かく音程を変えるほど、自然でなめらかなビブラートになります。
③横隔膜を使う方法
横隔膜を使うビブラートは、あごや喉を使う方法に比べると難易度が高いです。
しかし、マスターすれば自然で安定感のあるビブラートが出せるので、練習してみてください。
手順は次の通りです。
- 運動した後のように、口で「ハァハァハァ」と荒い呼吸をし、横隔膜が動く感覚を覚える(※)
- 鼻から息を吸う
- 1の横隔膜の動きを続けたまま、「あ〜」と発声しながら口から息を吐く
※横隔膜は肺の下、みぞおちのあたりにある筋肉です
最初はなかなか成功しづらいですが、練習を重ねていくと、徐々にビブラートが出せるようになるはずです。
ビブラートが出せない原因と解決方法
最後に、手順の通りにやってもビブラートが出ない時の原因と解決方法をご紹介します。
「ビブラートが出せない」とお悩みの方は、ぜひご覧ください。
力が入りすぎている
ビブラートを出すには、喉や首、体がリラックスしていなければなりません。
もしもビブラートが出ないのなら、それは体が緊張していることが原因の1つだと考えられます。
最初の頃は力みがちになってしまいますが、まずは深呼吸をしたり、簡単なボイストレーニングをしたりして、リラックスした状態を作ることを心がけましょう。
腹式呼吸ができていない
ビブラートが出ない原因としては、腹式呼吸ができていないことも挙げられます。
特に横隔膜を使うビブラートは、腹式呼吸ができる方とできない方では、やりやすさが全然違います。
腹式呼吸をご存知ない方、身についていない方は、まずは腹式呼吸をマスターしましょう。
>>【簡単】腹式呼吸のやり方を解説|声優が身につけるメリットは?
まとめ
今回はビブラートの出し方と、出せない時の原因・解決方法を解説しました。
声優がビブラートをマスターすることには、演技の幅が広がる、キャラクターソングを歌いやすくなる、声優アーティストとしての活躍が見込めるなど、様々なメリットがあります。
あごや喉を使うビブラートは、誰もが比較的簡単に出せるので、ぜひ練習してみてください。
あごや喉を使って出せるようになったら、横隔膜を使う方法もチャレンジしてみましょう。
ただし、一番大事なのは声優としての基本。ビブラートの練習と並行して、演技や発声の練習も忘れずに行ってくださいね。
自力での練習が難しいと感じる場合は、スクールなどの利用を検討してみてはいかがでしょうか?
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