声優でアフレコなど行う場合や歌を歌う際、マイク越しに「ぺちゃっ」と雑音が入ると気になりますよね。
この雑音は「リップノイズ」と呼ばれていて、あなたが気づかないうちに発していることも。
リップノイズは当の本人だけではなく、聴き手も気になってしまうため、声の仕事に就きたい方ならできるだけ抑えたいものです。
今回はリップノイズが起こってしまう原因や、改善方法などをご紹介。またリップノイズを軽減できる機材も紹介しているので参考にしてください。
目次
リップノイズとはどんな音?
リップノイズは唇が開閉する音や舌を動かした際に起こる「ぺちゃっ」「ぴちゃっ」などの雑音をいいます。
リップノイズはマイクを通すと、小さな音でも不快に聞こえてしまうので注意が必要です。
またレコーディングや録音時にリップノイズが入ってしまうと除去する作業が入ってしまうため、声優を目指すのなら、日頃から対策しておくと良いでしょう。
リップノイズとポップノイズの違い
リップノイズと混合されやすいのが「ポップノイズ」です。ポップノイズは息を吐いたときにマイクにぶつかる「ぱふっ」や「ぽふっ」という破裂音のことです。
またオーディオ機器のスイッチを切り替える際に出る「ぼふっ」という音も同様です。
リップノイズにしろポップノイズにしろ、聴き手にとってあまり気持ちのよくない音といっても過言ではありません。
リップノイズが起こる3つの原因とは
リップノイズを改善する前に、「なぜ起きてしまうのか」という原因を最初に突き止めておきましょう。
そうすることで日頃からリップノイズが起きないようにする対策も取れます。リップノイズが起こる原因として
- 唾液が多いから
- 口内の乾燥やベタつき
- 唇の乾燥
の3つが挙げられます。それぞれどうやって起きるのか詳しく見ていきましょう。
原因①唾液が多いから
唾液が多いと口内の粘膜同士がくっつきやすくなり、リップノイズが発生してしまいます。
粘膜は口内での密着が避けられませんが、唾液が多い方ほど「ぺちゃっ」などのリップノイズが発生しやすくなるでしょう。
原因②口内の乾燥やベタつき
口の中が乾燥すると唾液が濃くなりベタベタするような粘度になります。
粘膜同士がくっつきやすい状態になっているので、何か発声することでリップノイズが出てしまうことに。
特に長時間歌を歌ったり発声したりすることで、口内が乾燥して「ぺちゃっ」という雑音がマイクにまじってしまうこともあります。
原因③唇の乾燥やベタつき
口内ではなく唇が乾燥することで、上唇と下唇を離した際に「ぱっ」というリップノイズが発生しやすくなります。
唇が乾燥する原因はいくつかありますが、主に空気の乾燥や水分不足、摩擦などが考えられます。
改善策として後述しますが、唇が乾燥しやすい方はリップクリームなどを塗って保湿するクセをつけておきましょう。
リップノイズを防ぐ6つのやり方
リップノイズで雑音をマイクに通さないためにも、改善策を覚えておきましょう。
リップノイズを防ぐ方法は以下の通りです。
- 本番前に少し水を飲む
- 歯を磨く
- リップクリームを塗る
- 対策口の中の油分を摂りすぎない
- 対策リラックスする
- 空腹時を避ける
これら6つの対策を見ていきましょう。
対策①本番前に少し水を飲む
録音時やマイクを使う前に少し水を飲んでおくことが大切です。
口内が乾燥する前にこまめに水分補給しておけば口の中が潤い、ベタつきも抑えられます。
しかし水分ならなんでも良いというわけではなく、甘いジュースや糖分が入った飲み物は避けるようにしましょう。
糖分が口内に残っているとどうしてもベタベタしてしまい、リップノイズが発生してしまいます。
また口呼吸がクセになっている方は、口内が乾燥しやすくリップノイズが起こる可能性も。そのため普段から鼻呼吸を意識するようにしてください。
対策②歯を磨く
口内の粘膜を除去したいのなら、録音時やレコーディング時に歯磨きすることをおすすめします。
歯磨き後はしっかりゆすいで、口内に粘膜を残さないように気をつけましょう。
歯を身が磨くだけではなく、舌の苔にも粘膜がついているので舌の汚れも落としてください。
そうすることで口内がスッキリして、リップノイズが発生しにくくなります。
対策③リップクリームを塗る
本番前は唇にリップクリームを塗り、保湿するようにしましょう。唇が潤っていると上唇と下唇が離れて、リップノイズが起こりにくくなります。
ただしリップクリームを塗りすぎるとかえってベタベタしてしまうので、適量に塗るように気をつけてください。
対策④口の中の油分を取りすぎない
口内の油分が少ないと、舌と粘膜が離れにくくなりリップノイズが発生しやすい状態を作ってしまいます。
上述に水分を摂ることをおすすめしましたが、例外として烏龍茶は油分をなくしてさっぱりする作用があるため、油分がさらに少なくなる可能性も。
烏龍茶の飲み過ぎは控えて、ある程度油分を残すようにしましょう。
対策⑤リラックスする
緊張すると唾液の量が少なくなり、口内が乾燥してしまいます。口周りが緊張することで、唾液の粘度が高くなるのです。
口をリラックスさせるためには、背筋を伸ばして顎を引き気味にしましょう。
顎の先端をつき出さないようにすると、自然に歯の食いしばりや舌の力も抜けて緊張が溶けますよ。
リラックスできる香水やアロマなど、気持ちが落ち着くものを利用するのもおすすめです。
対策⑥空腹時を避ける
唾液の分泌が低下し口が乾いた状態のことを「ドライマウス」といい、空腹時に唾液の分泌量が減るといわれています。
食事でものをよく噛むことで唾液が分泌されるので、リップノイズを防ぐためにも歌を歌う前や録音する前などに軽食を摂るのがおすすめです。
リップノイズを除去するのに便利な機材
リップノイズがどうしても治らないのなら、便利な機材を使うのも一つの方法です。
ここでは
- ポップガード
- リップノイズに強いマスク
に関して詳しく説明していきます。
ポップガードを使う
ポップガードとは声優や歌手などが、音声録音の際にリップノイズやポップノイズを軽減する機材です。
そのままマイクなどを通して録音すると耳障りな音になってしまいますが、ポップガードがあるとリップノイズを軽減できます。
値段も1,000円台で購入できる安価なものも販売されているので、自宅で録音するときなどにあると便利です。
リップノイズに強いマイクを使う
リップノイズに強いコンデンサーマイクは集音性が高いため、音にこだわりたい方におすすめの機材です。
コンデンサーマイクは前方の音だけを収録するという特徴があり、適度な距離を守ればリップノイズが入りにくくなります。
集音性に優れているのに雑音は拾いにくく、初めて使用する方にもおすすめです。
リップノイズの改善を自分で行う2つの方法
リップノイズの改善を自分で行う方法も知っておきましょう。
ここでは
- 食生活に気をつける
- ボイトレを行う
に関してまとめました。
改善方法①食生活に気をつける
何事においても言えることですが、食生活が大切なポイントになってきます。食生活が乱れていると唾液の量が少なくなり、リップノイズが発生しやすい体質に。
食事も野菜やお肉、果物などバランスよく摂取して、健康的な身体を目指しましょう。
スナックやインスタントなどのジャンクフードは身体に悪影響の油や脂肪分を多く含むため、口腔環境の悪化につながります。
声優や歌手は身体が資本となるので、毎日の食生活に気をつけましょう。
改善方法②ボイトレを行う
リップノイズはボイストレーニングで軽減できます。リップノイズになる原因の一つとして挙げられる、「筋肉の動き」が関係してくるからです。
ボイトレすることで口周りがリラックスし、唾液も分泌されてリップノイズが軽減されます。
リップノイズが軽減できるといわれているボイトレは、主に唇をふるわせる「リップロール」や、巻き舌ともいわれる「タングトリル」です。
どちらも自宅で簡単にできるので、リップノイズを軽減するためにもトレーニングしてみてはいかがでしょうか?
ただしこれらのボイトレはコツが必要となり、独学で習得するのに少し時間がかかるといわれています。
独学で変なクセがついてしまわないように、最初からプロの講師に教えてもらうのも一つの手です。
声優になりたいのならスクールや専門学校に通って、ボイトレを習得するのもよいでしょう。
ボイトレ方法をもっと知りたい方はこちら
まとめ
リップノイズは水分補給やリップクリームなどを塗って自分で対処できます。どんなに技術や知識が高くても、リップノイズが出てしまうと一気に聴き手をがっかりさせてしまうことに。
この記事ではリップノイズの対処法を解説しましたが、根本的な知識を身につけるにはやはりスクールや専門学校に通うのがおすすめです。
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