5月18日(火)、週刊ヤングジャンプにて「華麗なる食卓」を連載中のふなつ一輝先生による特別講義を開催しました。また、ふなつ一輝先生のもとでチーフアシスタントを務め、ご自身もマンガ家として活躍している菊一もんじ先生も講義に参加してくださいました。
右から、ふなつ一輝先生、菊一もんじ先生
ホワイトボードを使って、
1週間の流れを教えてくださいました。
事前に学生たちには質問を考えて来てもらい、みんなの前でその質問を発表。それに対してふなつ先生と菊一先生に答えてもらう1問1答形式の講義だったので、学生たちにとっては普段から作品を描く上でなんとなく疑問に思っていたことを、いつもの授業とは少し違った角度からアドバイスがもらえるチャンスでした。
ふなつ先生と菊一先生のユーモラスな人柄もあって、終始和やかな雰囲気で講義は進行。時々笑いを交えながらも、真剣に学生の質問に答えてくださいました。 今回はその講義の一部をご紹介します。
Q.アシスタントさんの採用基準を教えてください。
最低限のマナーをわきまえている方ですね。例えばきちんとあいさつができるとか。チーフクラスのアシスタントの採用ともなれば話は別になりますが、よほどでない限り、絵の上手い・下手というよりはそちらが大事ですね。
Q.どんな状況の時にネタを考えていますか?
誰かと話している時やお風呂に入っている時など、何かマンガ以外のことをしているときに思いつくことが多いです。だからこそ、担当やアシスタントさんとの会話も大切なんです。1人で机に向かっている時は意外とアイデアが浮かびません。むしろ机に座っているときは、そんな風にして思いついたアイデアをまとめる作業をする時ですね。
Q.模写などはされてきましたか?
小さな頃はしていましたね。ただ、模写というよりは他の作家さんのキャラクターを自分流にアレンジして描いてみるといったことの方が多いですね。そういうことを通して新たなキャラクターのアイデアが浮かぶこともあります。
Q.アシスタントさんは最大でだいたい何人くらいいらっしゃいますか?
最大7人です。曜日に分けて1人につき週1~3日で来てもらっています。一番多い日は水曜日で、同時に4人のアシスタントさんが仕事場にいる日です。
―アシスタントさんの人件費はどれくらいかかりますか?
原稿料はほとんどがアシスタントさんにかかる人件費と光熱費や道具代に消えてしまいます。なので自分で使えるお金はほぼ印税のみということになります。だからこそヒットを飛ばさないといけないんですよ(笑)
Q. 初めて持ち込みや投稿をされたときのエピソードを聞かせてください。
僕は高校を卒業後、6年間印刷会社でサラリーマンをしていて、高校の時から20歳くらいまでジャンプに投稿していました。そこからしばらくブランクを置いて、24歳のときにやっぱりマンガ家の夢を諦めきれず、「これが最後だ!」という決意をし、夜行バスで東京へ。
最初にヤングジャンプ編集部に持ち込みに行った時、編集さんがとても真剣に原稿を読んでくれて、読み終わるとひと言「いやぁ、力作ですね」と、少し苦し紛れのコメントをもらっちゃいました(笑)。一応賞に出しておいてくれるとのことだったので、その場に原稿を置いていきました。するとそれが準入選したんですね。それがデビューのきっかけとなりました。
その年の忘年会に参加したときに、最初に原稿を見てくれた編集さんに「あの時、『いやぁ、力作ですね』と少し濁したようなコメントをしていましたが、正直どう思ったんですか?」と聞いてみたんです。そうしたら「正直、趣味じゃなかった」と(笑)。
つまりは、担当さんが趣味ではなくても他の編集さんに認めてもらえれば賞は取れるということですね!
この他にも学生たちは最近マンガを描く上で悩んでいることから、ふなつ先生や菊一先生の日常生活のことにいたるまで、あらゆる質問が飛び交いました。
生原稿を見せていただきました。
学生たちも興味津々の様子です。
ふなつ先生の講義は今年秋に後編を開催する予定です。
その時は学生の作品をじっくりとご覧になっていただき、アドバイス等をいただく予定です。次にお会いする時にはもっと成長した姿を見せようと、学生たちもいっそう作品制作をがんばっていきます!