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グッドスマイルカンパニー特別講義開催レポート!

2009年8月30日、「ねんどろいど」などでフィギュアメーカー随一の人気をほこるグッドスマイルカンパニーから、原型師の佐藤ノブヒロ氏と3Dデザイナーの中村文年氏を講師にむかえて特別講義が行われました。
本物の原型や3Dモデリングツールなど、普段は目にすることができない資料を使っての講義に参加した学生たちも興味しんしん!
手作業と3DCGのコラボレーションの様子がうかがえるお話の一端を紹介します。

――本日はよろしくお願いします。まずは、原型師さんと3Dデザイナーさんのお仕事をご説明いただけますか。

特別講義の様子1
佐藤:

原型師の仕事は、資料をもとに、版元さんやイラストレーターさんと話し合いながらラフを作って、ラフをもとに立体に起こす作業ですね。手で粘土をこねたり削ったりして作ってます。

中村:

3Dデザイナーは、規則的な模様とかシンメトリー(左右対称)とか、手だと時間がかかるところを3Dソフトで作ってます。今のところは原型師のサポート的な役割ですが、出力機も進化しているので、これからは「デジタル原型師」みたいに呼ばれる人たちがどんどん出てくると思います。

――お仕事で特に注意なさっていることはありますか。

佐藤:

元のキャラクターに似ているかどうかが一番ですね。あとはバランスと、CGでも変わらないと思うんですが、骨格や筋肉の付き方がおかしくないかを見ます。そこはジャンルも大きさ問わず同じなんです。

中村:

必ず出力するものだというのを頭に入れてやっています。データの段階から実寸で作ったり、安全面を考えて角を取ったりですね。

――3Dデータはどんなところで使われるのでしょうか。
特別講義の様子2
佐藤:

頭だけちょっと小さくとか、楽器の長さを変えてほしいといったリテイクへの対応がしやすいですね。単純に削ったり足したりするだけなら手でも簡単なんですが、バランスを保ったままやらなければいけないので。ほかにもパースを計算したり、ちょいちょい出てくるんですよ。

中村:

工場に直接納入もできますし、体をデータで顔を原型師がっていう分業もしています。1度データを作ってしまえば、たとえばサイズを変えたり、模様を加えたりしてアクセサリーのデザインにしたり、いろんな使い方が考えられますね。

佐藤:

多角的な展開にすごく良いですよね。版元さんに提案するときにも、2Dより3Dで見せた方が伝わりやすいので。原型師も3Dデザイナーも、どっちも良いところを活かし合って行くと、今までとは違うものができるのかなと思います。

――お二人が業界に入った頃からだけでも、時代が変わっているという感じでしょうか。フィギュア制作に携わるようになったきっかけを教えていただけますか。

佐藤:

高校生の頃から『スター・ウォーズ』なんかのフィギュアが好きだったんですね。それで雑誌で原型師っていう職業を知って、いきなりその人のところに手伝わせてくださいってメールを出したんです。そうしてしばらくしたら「ちょっと来なさい」と返事をいただいて。

中村:

最初はパソコンのネットワーク関係の仕事をしてまして、そのお客さんが3Dのソフトとプリンターを買ってしまって。買ったはいいけどだれも使えないからちょっと使ってくれないかということから今に至ります。もちろん、ウルトラマンとかのソフトビニール人形で遊んではいたんですが、手先が器用ではないので作れないと思ってたんです。でも3Dソフトなら向いてる、作れると思いまして。

――フィギュアを作っていて辛かったこと、良かったことはなんですか。

佐藤:

きついのは締切ですかね(笑) できあがってお客さんに喜んでもらえたときは、単純にやっててよかったと感じますね。

中村:

三面図の通りに作ったのに、出力するとイメージと合わないことがあったりするのは難しいです。でも、自分でモデリングしたデータが形になると、やっぱり嬉しいですね。

――ものを作る喜びが根底にあるんですね。最後に、学生や業界志望の人たちに向けてメッセージをお願いします。

特別講義の様子3
中村:

なんでも良いので、とにかく自分の気に入ったデータを1度出力してもらえたらなと思います。実際手で触れて置いておけるっていうのはすごく気持ちが良いですよ。「こんなつもりじゃないのにな」とか、今後のモデリングに活かせる発見もあるので、ぜひ出力をおすすめします。出力できる場所は秋葉原とかにいろいろありますから。

佐藤:

ちょっと前までは目指すにも方法がよく分からない業界だったので、興味を持った人が気軽に入ってこられるような感じにしていきたいなあと思ってるんですね。逆に入ってきたいなあと思ってる人たちも積極的にアプローチしてほしいですね。新しい人が入ることで、新しいものが生まれる可能性が出てくるので。

中村:

フィギュアでも、ゲームやアニメでも、車でもインテリア雑貨でも、今は全て3Dデータを使ってるんですね。道は無数にあるので、3DCGをやられているかたは、どんどんどんどん勉強していっていただきたいなと思います。

――若い力求む!という感じですね。本日は貴重なお話を聞かせていただいて、どうもありがとうございました。

佐藤ノブヒロ氏

< 佐藤ノブヒロ氏プロフィール >
有限会社グッドスマイルカンパニー開発部 / ディレクター。
フリーを経て、グッドスマイルカンパニーに入社。
数多くの人気作の原型制作やディレクションを手がける。

中村文年氏

< 中村文年氏プロフィール >
有限会社グッドスマイルカンパニーデザイン部。
全体を通して3Dデータを使って作られた「ガッチャピン1号」など、3Dデータをフィギュア制作に活用している。

2009.8.30収録 司会進行:滝本佑治(AMG、CG学科) 構成:矢野ちえみ、平岩真輔

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