2005年10月20日、キャラクターデザイン学科講師、デビルロボッツ・キタイシンイチロウ氏と人気アーティスト・ヨシヤスさんの特別講義が行われました。第一線で活躍している2人に、学生からの真剣な眼差しが向けられ、教室は向上心に溢れる共同体と化しました!
前半は課題のキャラクターデザインの批評会。 後半は2人の学生時代から今に至るクリエイタートークの2部構成。興味深い講義に教室は大いに盛り上がりました。
■課題批評会 |
まずは、課題作品、動物をモチーフにしたオリジナルキャラクターデザインの批評会です。
[ 課題内容 ]
・動物をモチーフにしたキャラクターデザイン案
・キャッチコピー
・ストーリー
・ターゲット
・ネーミング
・グッツアイデア
制作期間は、何と1日半!タイトなスケジュールにもかかわらず、力作が勢揃いしました。フォルムを描いては消しを何度も繰り返し、徹夜で授業に参加した学生も数多くいました。
「学生は時間が無いを言い訳に出来ない!」
「このプレゼンシートはデザインフェスタに出せるな。」
「ロゴは借り物の書体じゃなく、自分でつくろう! 」
というキタイ氏の叱咤激励もあり、モチーフとしての作品の見せ方のアドバイスも得て、プロの厳しさを体感した学生達でした。
ヨシヤスさんが特に強調したのは、線の大切さ。
「線が印象を与える比重は非常に大きいです。線の気持ちよさ、綺麗だと思う線、流れをもっと研究しましょう。」
「ハリ感のある線はどんなだろうと、徹底的に突き詰めましょう。それが自分の持ち味になるから!オリジナルの概念が出来たら強みになります。こういうジャンルのものを作りたいという方向性さえ決まれば、イラストレーション等のソフトを使ってもいいし、手書きでも勿論可。全てのデザイン、パーツには必然性がないといけません。色々研究すると必ず見えてきます。課題は入口にすぎないので、自分の得意な方向に引き寄せて、デザインを楽しみましょう。 」
アニメーション、ゲーム等に展開出来るキャラクターを考えていた学生は、これらのアドバイスに、線のテクニックを向上させることの大切さを改めて認識したそうです。 |
■キタイシンイチロウ&ヨシヤス クリエイタートーク |
後半は、学生時代から現在に至るクリエイタートークです。
グラフィックデザイン、デッサンを中心に広告デザインを勉強していた2人は、同級生とはいえ、対照的なタイプの学生でした。
キタイ氏は、課題ど真ん中の格好いいデザイン。表彰されることもよくありました。
Macintoshがちょうど流行り出した頃で、イラストレーターでマークや、フォントも緻密につくっていたそうです。
当時は、写植の時代で、全員がパソコンを所有していたわけではなく、手作業で線をひいていました。
ヨシヤスさんも同じようにこだわりを持って作品作りをしていましたが、2Dの課題が出ても、人があっと驚く面白い映像づくりに没頭していたとのこと。
「課題にも出ていなかった映像を始めたんです。今では考えられないけど、深夜のコンビニの防犯カメラを止めてもらって強盗のシーンを撮影したり、音楽、編集、何でも夢中に取り組みました。他の人が作っている素晴らしい作品にも触発されたんです。」
キタイ氏もヨシヤスさんの実行力を賞賛しながら、「デザインの基礎を作ってから、オリジナルティをどんどん出していくのが大切だ。」と力説しました。
“かわいいけどちょっぴり毒がある”世界を展開中のキタイ氏ならではのコメントです。
ヨシヤスさんは卒業後、大阪のCM制作会社に入り、プロダクションマネージャーになったり、マルチーズというユニットを組んで作品づくりに没頭したそうです。
キタイ氏もLINDBERG(リンドバーグ)のジャケットデザインで鮮烈デビューし、それを機会に次々と大きな仕事をこなしてきました。
幅広いネットワークがある2人が、声を大にして伝えたい共通のこと。それは・・・”人とのつながりの大切さ”。
ヨシヤスさんがキャラクターづくりを始めたきっかけは、 知り合いの漫画家(CGアーチスト)をつてに上京し、東京で開いた個展。その後、ロンドンで個展を開催する等、イギリスのファッションカルチャー誌「THE FACE」の特集、「注目する世界のアーティスト29人」 に選ばれたのは皆さんご存知だと思います。
現在2人は超多忙な日々を送っており、様々なキャラクターを世に送り出し、大活躍していますが、学校で学んだことや、いい作品を生み出す人々との出会いが土台となっているそうです。
TVの仕事でも、スケッチでのアイデア出し等から始まって、色々と苦労はしますが、多くの人が見てくれて反応があるのが非常にやりがいになるとのことです。
こんな話が実際聞けるのも、業界とのつながりが強いアミューズメントメディア総合学院ならでは!行ってみないと始まらない!!まずは、体験説明会に参加してみましょう。 |