令和4年4月8日、アミューズメントメディア総合学院『令和4年度入学式』をメルパルクホールにて挙行しました。創立から、まもなく30年を迎えるアミューズメントメディア総合学院。エンタテインメント業界のプロを目指し、夢への第一歩を踏み出した新入生たちが、今年もたくさん入学してきました。

皆さんには今日この瞬間から「プロへの第一歩を踏み出した」という意識を強く持ってほしいと願います。
AMGのカリキュラムは、皆さんをプロに押し上げるために、考えに考え抜いて洗練された教育プログラム。そして、皆さんをこれからサポートする教職員、並びに講師の方々は、業界を熟知したプロの人たちです。
「絶対にプロになる」という皆さんの気持ちと、目標に向かう行動を切らさない限り、夢は必ず実現します。これからの2年間、辛いこと、大変なことも訪れるかと思いますが、失敗を恐れず、成長の糧にしてください。
苦難を乗り越えた時の達成感は、これまでに味わったことのない経験になるはずです。そして、揺るがない自身につながります。今、この瞬間に抱いている気持ちを決して忘れず、悔いを残さないよう、プロへの階段を登ってください。

AMGは、これまで2万人に及ぶクリエイター、パフォーマーを輩出してきました。コロナ禍のような非常事態になると痛感しますが、日々の生活にエンタテインメントや娯楽作品がなくても、生きてはいけます。ですが人間は、ただ息をしているだけでは生きていると実感できないようにできています。
これは、吉田理事長の言葉ですが「人間は感動をすることができる地球上で唯一の生き物」なんです。
本校の建学の精神は、産学共同・現場実践教育です。これは、長年にわたり一貫して提唱し続けてきたシステムであり、AMGの最大の強みです。エンタメの勉強は、口で言って頭で覚えても成長できるものではありません。在学中から少しでも多くの経験をすることが大事なんです。
この2年であなたたちの夢が実現に近付くことを心から期待しています。今日からの2年間、一緒に頑張りましょう。

プロになってものを作るというのは、本当に大きな幸せです。
「感動した」「この作品がすごく支えになった」など、お客様からの声を聞くことも自分自身の支えになったり勇気をもらえたりしますが、同時に私自身としてはものづくりをしている時と、その作品が完成したときの心のときめきがどうしても忘れられないのです。
もちろん、作っている最中はとても大変です。辛いことや挫けそうになることもあります。ですが、それを経て、作品が完成したときに味わう達成感や心のときめきは、何ものにも代えがたいものがあります。この感動は、社会に出て、ものづくりをしたときに初めて気付くことだと思います。
ぜひ、この2年間で様々な経験をして、立派なプロフェッショナルとなって、我々と一緒に働いてほしいなと思っております。道は決して平坦ではないですが、夢は必ず叶うと信じて、皆さん頑張ってください。

「度胸」「愛嬌」「IQ」。皆さんに実践していただきたい3つです。
「度胸」は、一歩を踏み出す勇気。今日その一歩を踏み出している皆さんは、度胸は既にあると思います。
次に「愛嬌」。これが、業界では一番大事なんです。スタジオに入ったとき、自分の持っている最高の笑顔と声で挨拶をすることで、色んな方に覚えていただけます。
そして「IQ」。これは、知能指数という意味ではありません。声優を例に挙げると、台本の読解力や、人に共感してもらう力です。
また、皆さん「プロを目指す自分たち」と捉えているかもしれませんが、皆さんと僕の立場はまったく変わりません。自分はもうプロだからと満足してしまうと、そこで終わりだと思うからです。AMGで学ぶのは2年間ですが、卒業した後もずっと自分が目指していることを好きでい続けるということが、僕は一番大事だと思います。

ちょうど先日、ゲーム業界に関わる大きなニュースがありました。
プロの間でも広く使用されているゲーム制作で使用するツール、アンリアルエンジン。そのバージョンが約8年ぶりに最新版へアップデートされたというニュースでした。
最新版に搭載された新機能は、ゲーム制作者が長年とらわれてきたポリゴン数の制限とライティングの制限を取り払う、革新的な技術です。自動車業界や建築業界、放送業界などでも使われているツールなので、ゲーム業界はもちろん、世の中がこのリリースに沸きました。
アンリアルエンジンは、私が10年以上その最先端を追いかけ、扱い、突き詰め、プライドを持って関わってきたものです。だから、今日こうして自信を持って語れる。
ぜひ皆さんも今日から７年後、卒業から５年後に語れるものを持てる人材を目指してください。それが自分のクリエイターとしての個性に繋がります。

在学中、皆さんに身に付けて欲しいことが2つあります。
1つ目は「自己分析能力」です。自分の能力、他人との差、周りからの評価を正しく認識し、素直に受け入れる。そのうえで、より良い作品を描くために必要なことを考えて行動してください。
2つ目は「嫉妬心」です。「同業者の成功に嫉妬できなくなったら作家業は廃業」。この言葉は、私がずっと心に留めている言葉の一つです。相手と自分との実力差を感じた時、まずはその人を称え、そして大いに嫉妬しましょう。自分を奮い立たせる道具として嫉妬という感情をうまく使ってください。
また、在学中は明るい未来へのステップとして、卒業後は作家業を続けていくうえでの一番のサポーターとして、このAMGをフルに活用してください。そして、仲間でありライバルでもある同期、先輩、先生方と共に有意義な学院生活を送ってください。

世界で日本のアニメが支持されている一方で、アニメの制作現場では、クリエイターが不足しているという現実があります。
かねてより親交のありました吉田理事長が長年にわたり、若きクリエイターの育成に尽力されていることと、クランチロールの理念である「社会から受けた恩恵を社会に還元し、アニメ業界においてCSRを果たす」という希望が結びつきました。そして、将来性のある有能な人材を発掘し、未来のアニメ業界の発展に寄与することを目的として、この奨学金制度を設立するパートナーシップを締結しました。
皆さんには、いつまでも入学時の志や初心を忘れず、AMGでの学業に励んで、エンタメ業界で働くことへの情熱を燃やし続けて欲しいと思います。また、新しいアニメは時代背景なしには生まれません。世の中で起きていることに広く関心を持っていただくことも大切だと思います。

それぞれが思い描く夢を実現させるために、たくさんの希望と不安を抱えながらもこの日を迎えられたことを大変嬉しく思います。
感染症の影響がある日々の中でも、エンタテインメントの世界は色褪せることなく、私たちを照らしてくれました。キャラクターの言葉や行動が、自らの道を照らすための明かりとなっている方も多いのではないでしょうか。どんな時も私たちを支えてくれたこの世界の一員となるべく、学院で学びを深められることに今からとてもわくわくしています。目標やきっかけは一人ひとり違えども、かけがえのない仲間たちと切磋琢磨し、自分の糧とするべく、学院生活を大切に過ごしていきたいと考えます。
夢に向かって全力を尽くせるこの環境への感謝の気持ちを忘れず、応援し、送り出してくれた家族、学院生活をサポートしてくださる教務の方々、そして、講師の皆さまからのご指導を力に、日々邁進していくことを誓います。

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