2006年11月10日、映像制作の第一線で活躍中のクリエイティブチーム、ネイキッドさんによる特別講義が行われました。映像業界の現状や制作の現場、イラストを描く時の話を織り交ぜつつ、プロとしてどういう姿勢で仕事をしていくべきかということを教えていただきました。
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今回の特別講義では、アートディレクターの小林恵美さん、イラストレーターの石川知子さんを中心に講義をしていただきました。
■コアクリエイティブとトータルアートディレクション
キャラクターのみならず、アート表現のメディア媒体は多岐にわたっています。TV、ビデオ、DVD、広告、パッケージなど、媒体は変化しても全てが人に伝えるという手段に変わりはありません。それぞれのメディア媒体ごとの特性を考慮し、理解しつつ制作をしていきます、というネイキッドのトータルアートディレクションという活動。
その活動をコントロールしていく表現の根本になっているのが、コアクリエイティブという考え方です。時代や世の中は常に変化していきます。キャラクターデザイン学科の学生が目指しているものも、変化していく時代の中で生き残っていくキャラクターを生み出すことです。その、変化しつづける世の中に合わせて、キャラクターを含めた制作活動も時代に合わせて形(表面)を変えていかなくてはなりません。しかし、表面や表現を変えていったとしても、表現をしていく上での核になるものや本質的なものは常に変えず進化しつづけていかなくてはならなり
ません。
この2つのクリエイティブのあり方が、制作活動を支え、長くに渡り第一線で活躍し続ける秘訣なのだと学生たちは感じることができました。
■ピンチの中にあるチャンス
様々なメディア媒体の中でイラストの仕事をしていると、やったことのないジャンルの仕事依頼が来ることもあります。そういう時こそ、“チャンス”だと思います、とネイキッドのイラストレーターさんは語ってくれました。
自分の中にはないジャンルの絵を描く時、すぐに資料収集をする、マネをして描いてみる、などすぐに自分の足で動きます。メディアの仕事なので学生の時とは違い締め切りがあります。制作は時間との戦いでもあるので昼夜を問わず仕事をしています。そんなきつい状況の中でもやはり一番の原動力は“好きだ”ということ。好きでないとやっていけないので、やはり制作することが好きなので続けています。
また、制作だけをしているのではなく、外部の人とも多く関わらなくてはならないので“コミュニケーション力”も非常に大事です、と学生とプロとしての心構えの違いに、学生たちは、厳しさとともにやりがいを感じていました。
■日常の全てが勉強になる
“演出の為に日常どのようなことを行っていますか?”という質問に、“普段見ているもの全てが勉強になります。”という答えを返してくれました。
例えば、街中の看板だったり、レストランのメニューだったり。雑誌の見方にしても、自分は何を目的として見ているのかという意志を持って見れば、自然と自分の欲しい情報を得ることが出来ます。大事なのは、“自分はこうだ”、と決めつけるのではありません。自分に限界を作らず、色々なものを見て、聞いて、話して吸収していって欲しい、という貴重なメッセージに学生たちは真剣に耳を傾けていました。