今回はご縁もあり、峰倉かずや先生、高河ゆん先生の初代担当でもあり、一迅社の社長である杉野庸介様にお越し頂きました。
一迅社は、【コミックゼロサム】・【コミックREX】・【まんが4コマぱれっと】など数々の有名マンガ雑誌を出版されており、そのマンガ雑誌のジャンルの幅広さから当学院でも多くの学生が持ち込みをさせていただいています。
さて、今回の編集部批評会は、マンガ業界で数々の作品に携わってきた杉野社長に現在のマンガ業界についてお話頂いたり、作品を作るにあたって大切なことなどを、学生全員の前でフレンドリーにお話頂きました。
更に学生達からの質疑応答も実施しました。
まずは、その様子の一部を掻い摘んでご紹介します。
Q.面白い作品をつくるために必要な作品の根幹とはどういったものになると思いますか?
A.キャラクターが魅力的であることが重要だと思っています。
個性が強く、他とどう違い、どう魅力的であるのかがしっかりと描けていれば、作品の魅力も上がって行きます。
Q.マンガ家デビューするためにはアシスタント経験は必要ですか?
A.一概に「必要」とは言えないですね。しかしマンガ家さんの元へアシスタントへ行くことは、作画のクオリティアップにもなると思いますし、編集との繋がりが出来たりもするのでデビューのチャンスは増えると思います。
アシスタント経験のないマンガ家の先生もいますから、必要か不必要かは、ケースバイケースですね。
Q.好きなものを描き続けていく、同人業界やイラスト、マンガ投稿サイトなどで個人的に活動を続けていく価値はあると思いますか?
A.昔からそういった場所からのデビューの可能性はあると思っていますし、どんな状況下でも描かないより描いたほうが絶対にいいはずです。
好きなも作品の二次創作でも、オリジナルの作品でも、とにかく描き続けること。
作品を上げるペースは常にプロのスケジュールをベースに、遅くとも3ヶ月に1作品は仕上げて持ち込んで欲しいなと思っています。
Q.ゼロサムへの持込みを考えているのですが、自分の作品の絵柄の感じはゼロサムの連載陣などの作風と見比べてみると雑誌に合わない気がするのですが、そういった作品でも持ち込みをしても大丈夫でしょうか?
A.全然大丈夫です。むしろこれまでに無い傾向の作品を載せて爆発的なヒットに繋がるケースもあったので、まったく問題ありませんよ。
一つだけ挙げるとすれば、雑誌に即掲載したいと思う人は、あまりに長い…例えば100P前後の作品では代原(不意に空いてしまってページに入れられる程度のページ数の作品)にはなりませんし、あまりに雑誌の傾向と違うと、編集としてもすんなり掲載に行けないので、スピード重視で、尚且つ器用に作品を作れる方は、対策を練ってみても良いと思います。
…などなど。学生達から様々な質問が飛び交い、それにひとつ一つ、非常に丁寧に答えていただきました。
そして、続いて第二部に突入し、学生作品の個別指導も行って頂きました。
ひとりひとり緊張しながらもを講評を頂き、聴講していた学生達も、今後の作品に活かそうと熱心に聞いていました。
今回は9名の作品を見て頂き、その内3名の学生が今後も作品を見て頂けることになりました。
業界の最前線に立つ方ならではの実りあるご意見を多数頂くことができ、学生たちも非常に充実した経験が出来た、一日でした。
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AMGの学生だからこそ参加できる特別講義や編集部批評会など、詳しい情報が載ったパンフレットをお配りしていますので、お気軽にお申し込みください。