著者・濵谷知左さんコメント
この仕事をいただいたのは、クラス内で行われたノベライズのコンペに参加したのがきっかけでした。数人のクラスメイトが同じ脚本をもとに、自分なりのノベライズを書き、それを提出して選考をしてもらうという形でした。それまであまり長編を仕上げたことのなかった私は、ただ何かを書きたいという思いだけでコンペに挑みました。

なんとか選考に残ることができ、マメシバ一郎の映画脚本を頂いて、それを元にノベライズを書き始めました。

仕事で小説を書くという責任感や締切りを守らなければならないという絶対条件ははプレッシャーでしたが、自分の書いたものが本になるのは、嬉しい励みでした。

ただ、今まで中年の主人公の心理を深く考えたことがなく、とても苦戦しました。何度も、講師の先生や友人の助けを借りて思考錯誤を重ねて、いろんな心理を考え、芝二郎というキャラクターを芝二郎らしく書くことができたと思います。

今回のおかげで、誰かに原稿見せることに恥ずかしさや抵抗がなくなり、添削や指導をしてもらったことで、自分の文章力や創作に必要な力が身につきました。後は、自分の作品にこれを生かして、新人賞に向けて新たに頑張ります。