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『AMG Summer festa 2012』―スクウェア・エニックス特別講義

©2011 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA

業界の最前線で活躍されている方を招いてお話を聞いたり、一日クリエイター体験ができたりする夏の特別企画「AMG Summer festa 2012」初日となったこの日は、ゲーム系学科への入学を検討する方たちと在校生を対象に、スクウェア・エニックス特別講義を行いました。

講師として、株式会社スクウェア・エニックス 開発部サウンドグループにてサウンドプログラマーとして活躍中の土田善紀さんと、同じく開発部にてマネージャーを勤める市谷和久さんをお招きしました。
土田さんは、スクウェア・エニックスの代表作である「ファイナルファンタジー」シリーズを始め、同社の制作する数々の作品にプログラマーとして携わって来ました。また、「ファイナルファンタジー」シリーズでは、AMGゲームプログラマー学科の卒業生とも一緒に開発をしてきたそうです。

株式会社スクウェア・エニックス 開発部
サウンドプログラマーの土田さん

講義は主に、土田さんのプログラマーとしての業界でのご経験のお話が中心となり、土田さんご自身が学生たちと同じくらいの年だった時にシステム系の会社でプログラマーとして働いていたことや、システムのプログラマーからゲーム業界を目指すきっかけとなったお話など、学生たちも興味津々に聞き入っていました。

土田さんはこれまでゲーム業界で、AI、キャラクターのモーション・モデル・エフェクト、ムービープログラム、レンダリングエンジン、データベース、通信など、ゲームプログラムに関することは一通り経験して来られたそうで、現在はスクウェア・エニックスで作られているほぼすべてのゲームのサウンドに関わっています。

その豊富な経験から話される内容は、これからゲーム業界を目指す人たちや、現在共同制作や就職活動の真っ只中にある在校生たちの胸に響く内容となりました。

また、市谷さんからは、最近のゲームの市場状況についてや、業界全般のこと、就職活動における注意点など、実践的で役立つアドバイスをいただくことができました。

土田さん、市谷さんのお話が終わった後、お2人に事前に学生たちから集めた質問に答えていただきましたので、今回はその一部をご紹介したいと思います。

◆   ◆   ◆   ◆   ◆

どうすれば良いプランナーになれますか?

プログラマーの立場からお話をします。
まず、プランナーで一番困るのは、「こんな風に作りたいんですが、どうですか?」とプログラマーに聞いてしまう人。
それを決めるのがプランナーの仕事ですから、自分が新卒のプランナーでプログラマー、グラフィッカーがベテランでも関係はありません。
ゲームを面白くするにはどうすればいいかを考え抜いて決断してください。迷いが出るのは考え抜く力が足りないからだと思います。

途中からサウンドプログラマーに転向したとありますが、そのきっかけは何でしたか?

きっかけは特にありません、強いて言えば、会社ですので辞令が出たのがきっかけと言えるでしょう。しかし、会社に言われて「えー、サウンドプログラマーなんてやりたくないよ」なんて姿勢でいたらダメですよね。私はこれまでにも様々なセクションにいましたが、常にその道で1番になろう!という心構えで仕事をしてきました。だからどのセクションもすごく楽しかったです。
このように、常に攻めの姿勢でいることが仕事がうまく行く秘訣です。皆さんも実際に社会に出ると、どんな仕事が降りかかってくるかわかりません。だから、新しい仕事を任されたときはそれをポジティブに捉えてください。

どうすればうまく進行を管理し、スケジュールどおりに制作を進められますか?

スケジュール通りに進めるのはプロでもなかなか難しいものです (笑)
じゃあどうすればいいか。スケジュールは遅れるものだということも織り込んで計画を立ててください。
例えば、締め切りが間に合わないことがわかった時点で、じゃあ変更してB案、B案が間に合わなさそうになったら、C案・・・と言った具合に選択肢を用意し、「間に合わせよう」として無理をするよりも、「間に合わなかったらどうするか」という方向に発想の転換をしておくと、うまく進行を管理できると思います。

その他にも、お忙しい中にも関わらずこの日の講義に参加した入学希望者や在校生たちから集まったすべての質問1つ1つに、後日回答をしてくださいましたので、その一部もご紹介します。

ゲームを作るとき、一番重視するところはどこですか?(入学希望者)

ゲーム全体としてはそのゲームは面白いか?がポイントで、プログラマーとして重視するのは遊んでいて違和感がないか?という点です。ゲームづくりを体験してみるとわかりますが、プレイヤーに「おや?」と変な違和感を与えないようにするというのは、実は非常に繊細で高度な技術が要求されるものなのです。妙な引っかかりや基本的な操作・演出に不満がない、というのがプロの作品と素人の作品との違いだと思います。

高校を卒業して本格的にゲームづくりを学ぶようになった時、「最低でもこれだけは心得ておくべきこと」があれば教えてください(入学希望者)

ズバリ「自分の人生なんだから自分でやる!」という姿勢です。先生や他人に教えてもらうことを待っていてはいけません。情報は自分から取りに行くのです。
「何を?」「どう?」やるかという細かい話は二の次で、とにかく自分からガンガン動けばどの職種でもどこの業界でもトップを走れます。自分から動く、自分から攻める!これに尽きます。

コンシューマーゲームは制作期間がとても長いですが、その期間、モチベーションを保つために工夫していることはありますか?(ゲームグラフィックデザイナー学科2年・女子)

人間は同じリズムの繰り返しに弱いです。ですから長期開発の場合、自分から業務にメリハリを付けます。
例えば何らかの中間目標を決め、その直前は必死に徹夜も辞さずに制作をし、代わりにその山を乗り越えたら1週間くらい休む、とか。だらだらと長期間同じペースで働くのはとても苦痛です。緩急が大事です。
そういった労働方法をある程度自分の裁量で決められる場合があるというのも、ゲーム業界の良いところです。

◆   ◆   ◆   ◆   ◆

最後に、マネージャーの市谷さんからも興味深いお話をいただきましたので、紹介させていただきます。

市谷さんのお話―1杯の牛丼ができるまで―

株式会社スクウェア・エニックス 開発部
マネージャー 市谷さん

皆さん、1杯の牛丼を作るのにどれだけの水が必要かご存じですか?
何かで読んだのですが、答えは5tだそうです。牛肉と玉ねぎ、米を育てるのに水が要るのは当然ですが、牛を育てるためには飼料を使います。その飼料を育てるのにも水が必要です。それをすべて含めると5tという数字が出てくるのだそうです。

つまり何が言いたいかというと、1杯の牛丼を作るのにもこれだけの手間がかかっているわけですから、ゲーム1作品作るのにも相当な努力の積み重ねが必要ということです。
どんなに自分が努力しているつもりでも、作品1つ作るためには、まだまだたくさん努力する余地があるということ。

それくらいの気持ちを持って、1つの作品に情熱と努力を凝縮させてください。それだけの熱い思いを込めてゲームを作ってください!

土田さん、市谷さん、貴重なお話をありがとうございました。
最後に、今回の講義に参加した学生からの声が届いています。

参加した学院生の声

ゲームグラフィックデザイナー学科2年 男子
自分はいつかチームのリーダーなどになって、作品をディレクションしていく立場を目指したいと思っています。今日のお話の中で、「人を動かそうと考えるよりも、人に動いてもらうためにはどうすればいいかを考えよう」という言葉がとても印象的でした。
僕はTwitterでも土田さんをフォローさせていただいて、毎日面白く拝見していたので、今回は生で面白いお話をたくさん聞けてとても楽しかったです。

ゲームプログラマー学科2年 男子
僕は就職活動を終えたばかりなのですが、今日のお話は社会に出てからの仕事への向き合い方や心構えのような話も多く、とてもためになりました。
僕も実際に就職活動を始める段階になって、同じ「プログラマー」でも様々な種類のプログラマーが存在することを初めて知ったくらいなので、今日のセミナーを聞いた1年生や入学検討中の皆さんが少しうらやましいくらいです(笑)。今後目指すべき道や方向性が見えてくる、とても良い特別講義でした。

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