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YAMAG CGデザイナー

綾波レイなどのキャラ、ガンダムなどのメカから、超リアルな建築パースまで。幅広い活躍で3DCGの達人として知られるYAMAG(やまぐ)さんが学院を訪問、お話をおうかがうことができました。CGによるヴァーチャルアイドル計画にも参加し、現在は建築パースの世界でも注目される3DCGアーティストからのメッセージは……?

■YAMAG インタヴュー
――もともと、YAMAGさんが3DのCGを扱われるようになったきっかけというのは何なんですか?

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大学が工業意匠科だったんですよ。いちおう学校にCADみたいなのがあって、こちょこちょいじったのが最初ですかね。12年くらい前なんですが、まだ3DCGが一般的になる前の話です。モデリングは全部数値入力でやってたんですけど、『機動戦士ガンダム』のコアファイターを作ってました(笑)、他の人は簡単な家とかを作ってたんですけど。それじゃつまんないなって。

――当時、個人で3DCG製作ソフトに触れるってのは……?

まだ、一般的ではなかったですね。ハードもソフトの値段も高かったですし。

――その後、90年代後半になって、マシンの性能もよくなって、ソフトも使えるもの が出てくるようになった。そこで、キャラクターの3DCGなどをウェブで発表する個人 のクリエイターの方が続々と現れてきたわけですが、YAMAGさんも、そうした盛り上 がりのなかで出てこられたという認識でいいんでしょうか。

そうです。あのころは面白かったですよ(笑)。当時、インターネットで知り合った連中ってのが、いま3DCGで活躍してる皆さんなんですけど、みんな個人で同じようなことやってたんですよ。なんか3DCG面白いぞって、3Dでアニメキャラを作ろうみたいな。それがなんか競争というか、こいつがこんなことをやってる、俺もやろう、みたいな。そういうなかで他人に見られて評価されることがしょっちゅうだったので、技術力はアップしましたね。

――当時は、3D美少女のモデリングっていうのがすごい勢いでしたよね。「綾波レイ」 とか。

そうですね。はじめて作った人体モデルが綾波でしたから。

――それが、ガイナックス公認の3Dデータとして発売された『3D補完計画「綾波 レイ」』になるんですね。ファンの多いキャラクターなので、なにかと苦労が多かっ たのではないかと思うんですが。

ガイナックスのチェックがかなり厳しくてですね(笑)。それを通すのに半年くらいかかりまして。直し、直しで。最初に自分で作ってたものとはだいぶ違ったものになりましたよね。でもその苦労でガイナックスお墨付きの商品になったので、良かったと思っています。

――その後、「テライユキ」プロジェクト参加になるわけですが、「テライユキ」 は3DCGとしてはブレイクスルー的な存在だったと思います。それは技術的な意味でも そうだし、写真集が出たりとか、メジャーな展開に行ったという意味でもそうですよ ね。

うーん。テライユキに関しては、もうちょっと売り方があったんじゃないのかなと思います。プロモーションのやりようでは、もっといい展開になったんじゃないか。テライユキだけが単独で出たいたというのもありますね。結果的に独占になっちゃった感じで。他にもCGキャラクターがいて、みんなで盛り上げていくというふうになっていれば、もっと面白いことになってたと思います。

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――そういう意味では、CGアイドルというのは、発展途上にあるのかな、と思うんで すが。

そうですね。当時のCGキャラクターって、個人が趣味で作ったものが誰かの目にとまっ て、面白いからちょっと世に出してみようか、というのが大抵のパターンだったんで すよ。売り出すんだったら、売り出すためのキャラクターを作らなきゃいけないでしょ う。プロデューサーも必要ですし。キャラクターは「ある」だけじゃ当然、アイドル にはなりえないですから。

それから、キャラクター自体も、テライユキくらい、あえてCGっぽいキャラクターが いいのか、後に出てきたフェイフェイみたいに、実際の人間みたいな、リアルなキャ ラクターがいいのかってはありますよね。いまはなんか、CGがとんでもないことになっ て、リアルなものが全く現実と区別がつかない状態になってますから、テライユキく らいだと、中途半端に思えてしまうし、逆にフェイフェイみたいにリアルだと、この くらいリアルなら、CGじゃなくてもいいんじゃないの? みたいな意見もありますよね。

――将来のCGキャラクターみたいなものは、どういうところへ行くとお考えですか。

3DCGって、作家性の必要ない部分も結構多いんですよ。木製のテーブルの質感とか、ライトを置いて、陰影がどうできるのか、とか。そういった一般的な部分の微調整にかなり時間がかかっていると思います。そういう部分をとりあえず考えなくても、時間をかけなくてもいいというふうになって、キャラクターのデザインや性格、設定などに時間や労力をかけられるようになれば、CGキャラクターのアイドルも、もっとビジネスとして使えるようなものになってくるんじゃないかと思ってます。

――CGそのものが、まだまだ発展途上なんですね。クリエイターの才能が思い切り発 揮される前の段階にある。

まだ発展途上です。鉛筆と紙さえあれば絵は描けるじゃないですか。練習は必要ですけど、自分のセンス次第ですぐに絵はかける。だけどCGの場合は、頭のなかで考えたことを手元にあるツールで実現しようとすると、かなり深い部分まで知らなくてはならないことが必ずある。そういったことに時間がかかりすぎる部分があるんで、まだまだなんじゃないかと思います。

――YAMAGさんご自身は、3DCGに関する技術はどうやって学ばれたんですか。

まあ独学です。私たちの世代で、いま活躍されている方はだいたいそうですね。私は子どもの頃からパソコンを触ってたし、大学でもCADを触っていたというのもあります。ただ、3Dモデリングに必要なデッサン力とかは、子どもの頃から自分で絵を描いたりしているうちに、自然に身についていった感じですね。あと、モデリングで重要な、モノを立体的に把握して、構造を分解して考えるといったこと、などはプラモデルとかレゴとかで学んだんだと思います。

――ソフトをどう使えるか、というだけでなく、作りたいモノを頭のなかで分解して、 再構築する能力も必要なんですね。そこで、自分のなかで見えている到達点にたどり つく過程が3Dだと。

苦しいところはもちろんありますよ。なんでこんな単純なことが簡単にできないんだろうとかいうのはありますけど。でも、何だかんだ言ってやっぱ、3DCGは楽しいですよ(笑)。

――YAMAGさんたちの世代は、それぞれの方が独学でやってこられていますが、い まCGをやろうという若いひとの場合は、ちょっと環境が違いますよね。発展途上とはいえ、ソフトもあるし、ハウトゥ本もたくさん出ています。そういう若いひとたちに、YAMAGさんから「これは必要だ」ということは何かあるでしょうか。

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ハウトゥ本は私も書きましたから、是非とも読んでください(笑)。

ただ、最近の若い人を見ていて思うのは、本の通りにはとりあえずできるけど、応用力がないってのが多いんですよね。ゲーム会社とかに就職できたとしても、じゃあこれ自分で考えてやってよ、となったときに「できません」ってことになりかねないでしょう。そういったことは、自分たちで努力して身につけていく必要はあると思います。

「で きません」「わかりません」ってのは、努力しないからだよ、自分で勉強しようとしないからだよ、って思うんですよ。

たとえばホームページの制作でも、ウチらの頃はマニュアル本なんか全然無かったですから、カッコイイホームページのhtmlを分解して、ああ、こうやってんだってのを理解しつつ、自分で書いて作ってましたからね。

それと、ホームページはすごいアピールになりますよ。いま、仕事の依頼はほとんどメールで来ます。ホームページの作品見ました、仕事お願いしますって感じで。学生の皆さんは、作品を作ったら必ずホームページで発表するべきです。今はアピールできる場があたりまえのようにあるんだから、やらない手はないですよ。

聞き手:ヒライワシンスケ
構成:伊藤剛(マンガ評論家)

[PROFILE] yamag_prof.jpg

YAMAG(やまぐ)
1972年生まれ。大学卒業後、グラフィックデザイン事務所などを経てフリーの3DCGアーティスト・デザイナーとなる。3DCGの代表作は、『3D補完計画「綾波レイ」』(イーフロンティア)、『テライユキのダンシングクイーン』ビデオ&DVD(avex)など。さきごろ、3DCGソフト「MAX」のハウトゥ本『3ds max REALIZE imagemaker』をBNN新社より刊行。
Webサイト→ 「YAMAG’s GARAGE

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