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「遊んでくれる人のためにつくる」がモットー

■「遊んでくれる人のためにつくる」がモットー

現在ガストには、17名の社員がいます。PS2のソフトを作っている中では、かなり小規模な会社といっていいでしょう。この17人で、『アトリエ』シリーズをはじめ、すべての作品を手がけています。大手のメーカーだと職種ごとに分業制のようになっているところが多いようですが、ガストでは企画からグラフィッカー、プログラマ、サウンドまで1つの部屋で和気あいあいと作業しています。
ですから、すべての人がすべてのものを見ることができて、「みんなでひとつのゲームを作っている」という雰囲気を味わうことができますね。それはガストの社風であり、僕たちにとって大切なものなんです。ただ、アットホームながらも、1人1人が責任のあるクリエイターなんだという意識は高い。それぞれが、たとえば「納期を守る」とか「自分の仕事をやり遂げる」とか、しっかりと自己管理を行っています。

そういったアットホームな雰囲気を大切にしたいという考えは、社内だけでなく、ユーザーさんとの接し方でも同じです。最近ではインターネットが普及したことで、メーカーとファンとの距離もだいぶ近づいてきました。ところが、画像の使用を認めなかったりするメーカーがまだまだ多い。その点、うちは「ファンといっしょに」というスタンスなんです。ソフトを応援してくれるユーザーさんには、画像を自由に使ってもらう代わりにバナーを貼ってリンクしてもらって、一緒にソフトを盛り上げていきたい。

僕らが大切にしているのは、常に「遊んでくれる人、楽しんでくれるのためにつくる」ということ。ゲームを作るときも、「自分たちが作りたいもの」以上に、「お客さんが今、何を喜んでくれるのか」を考える。ですから、そういったファンサービスも当然のことだと考えています。それは僕たちが最も大切にしている “ガストらしさ”でもあるんです。

■「企画」は、じつはヨゴレ役!

022.jpg皆さんは、ゲーム制作の「企画」ってどんな仕事だと思ってますか? よく企画は花形なんて言われますけど、そうなるのは作品が売れてからのこと。基本的に、企画はヨゴレ役なんです。

たとえばRPGでの企画の仕事っていうのは、「データ造り」が半端じゃない。開発の初期段階は、ひたすら仕様書に基づいてデータを作っていくんですが、これがもう莫大な量。こっちのデータを管理しながら、あっちのデータを作るという作業が3カ月ぐらい続いて、ほんとに死にそうになりますね(笑)。その後もプログラマから「このデータないよ!」と言われてはデータをそろえ、デザイナーから「キャラクター何人いるの?」と尋ねられては設定を作り……といった感じで、いろんな人からいろんなことを言われながら、雑用をこなしていくんです(笑)。仕事の90%はコミュニケーションで、周り人との潤滑油として、とにかく動き回る役柄なんですね。ときには馬鹿なことをやって場を和ませるのも、企画の大切な役目。結構たいへんなことも多いですが、その代わり、ゲームのデータや設定のなかに、自分の作りたいものをちょっとずつ盛り込んでいくことができる。自分が作ったデータがどんどんゲームの中に入って「世界ができあがっていく」のも、一番強く実感できる仕事んです。

■ゲームクリエイターになるために必要なもの

016.jpgまず、全職種に共通して必要なのが「コミュニケーション能力」です。
これは単に人と会話ができればいいという意味でなく、しっかりと意思の疎通ができるという意味です。ゲーム作りというのは共同作業ですから、コミュニケーションなしには進みません。たとえば企画がプログラマに仕様を伝えなければ、プログラムはできないのです。「そんなのメールで送れば済むじゃん」と思うしれませんが、それでは人の考えはなかなか伝わりませんし、相手がちゃんと理解したかも、そもそも読んだかどうかすらもわかりません。
そうではなくて、制作を進める上でわからないことをしっかりと聞けるか、ここはこうしたいと思っている気持ちや自分の考えをきちんと伝えられるか、自分に非があることでも正直に報告することができるか--といったことができなければダメなんです。うちの会社の面接でも、最も重要視することですね。

職種ごとに必要な能力ということでいえば、企画に必要なのは「実務スキル」でしょう。
もちろんアイデアや企画書も大事ではあるのですが、現場ではプラスα で何ができるかも重要です。たとえばエクセルを使いこなしてデータの管理ができるとか、PhotoShopで作りたいもののイメージ画を作成して意思の疎通をスムーズにするとか、そういった実務スキルは、そのまま企画の武器になるのです。
またスキルばかりでなく、さまざまな分野の基礎知識や教養も必要です。企画だからプログラムや絵や音楽は知らなくていいという訳ではなく、あらゆることに興味を持っていなければならないのです。

一方、プログラマに必要なのは、「他人のソースが読めて、他人が読めるソースが書けること」だと思います。プログラムの技術レベルとは直接関係ないことですけどね。
プログラマというのは、できる人ほど他人にはいじれないソースを書くことが多いんですが、ゲーム制作が共同作業である以上、本人にしかわからない書式になっていて、他人が触れないというのではダメ。
現場で周囲になじんで、暗黙の了解でフォーマットをそろえることができる。その上で自分の得意分野も持っている--ということの方が、プログラマとして重要なんです。

デザイナー、グラフィッカーに関していえば、「ただ絵を描いていればいいんでしょ」と思っている人は、一番ヤバイ(笑)。
だってゲーム開発というのは、期間が10カ月あったら、絵を描いているのなんてそのうち2カ月未満なんですから。残りの時間は画像データの修正やコンバートといった作業が大半です。ですからグラフィッカーに関していえば、パソコンを使いこなせる必要がある。ゲームはコンピュータで絵を表示するわけですから、コンピュータやソフトに詳しくないと、思い通りに表示させることができないんです。
実際、このソフトが完璧に使えるとか、画像処理に詳しいとか、そういう人材は現場ではすごく重宝されます。もちろん最低限の絵を描く能力も必要ですが、それと同じぐらい重要なことなんです。これは意外と知られていないことかもしれませんね。

■同じゲームを創っていく者として

現在、僕も君達の多くも、ゲーム制作の終盤に差し掛かっています。苦しい時期だと思います(笑)。だからこそ笑顔で!全てを一気に出来るわけではないのです。どこまで出来たのか?何が出来なかったのか?を、慢心するのでなく落ち込みすぎるので無く、振り返りながら自分の成長に結び付けてください。初めてのゲーム制作の延長に、プロでのゲーム制作があるのですから。

[PROFILE]
tsuchiya.gif土屋 暁さん
gust_soft.gif7年前、サウンドクリエイターとしてガストに入社。同社の看板タイトル『アトリエ』シリーズのサウンド担当として、数々の名曲を生み出した。『エターナル マナ』では、ディレクターも務めている。

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