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3D立体視のゲームを作ろう!―理論と実践の特別講義―

8月20日(金)、オリンパスビジュアルコミュニケーションズ株式会社から小阪将也さんと、普段から学院で講師をしてくださっている真壁浩先生による、3D立体視の特別講義を開催しました。最近では3D立体視を使った映画が次々とヒットを飛ばすなど、その技術に注目が集まっています。3D立体視は映画にとどまらず、今後はゲームにも普及していくことが予想され、これからゲーム業界を目指す学生たちにとっては、ぜひ身に付けておきたい技術の1つです。

前半は小阪さんに3D立体視の種類や、画面から飛び出して見える仕組みについてなどのお話をしていただき、後半は真壁先生の指導のもと、実際に3D立体視のプログラミングに挑戦してみました。今回はその講義の一部をご紹介いたします。

■3D立体視を取り巻く市場について

スライドを使って3Dの歴史や仕組みを
わかりやすく丁寧に解説してもらいました

小阪さんが持ってきてくださった
3D立体視のゲームをプレイしています

 

3D立体視は、30年に1度ブームが来ると言われています。その歴史は意外と古く、1830年代にはすでに「ステレオ写真」という形で登場していました。原理は単純で、左目から見た景色の写真と右目から見た景色の写真を撮るという方法です。この原理は今も尚変わっていません。

今回の3D立体視ブームは、2009年末に公開された映画、『アバター』の大ヒットがきっかけとなりました。ジェームズ・キャメロン監督を始めとしたハリウッドの監督たちも「映画はこれからすべての作品を3Dにしていく」と名言しています。 加えて現在は地上波デジタル放送への移行期間であることもブームの追い風となっていて、映画だけでなくパソコンや、学生たちが今勉強している「ゲーム」の領域でも3D立体視化が急速に進んでいます。

例えば任天堂はニンテンドー3DSのリリースを発表し、SONYのプレイステーション3に至っては、ファームウェアアップデートをすればこれから発売されるソフトウェアについては3D立体視化できるようになりました。

3D対応テレビの競争も日々激化していて、今から5年後の2015年には、出荷されるテレビの約25%が3Dテレビになっているだろうという予測が出ています。早ければ10年、遅くても15年~20年後くらいには家庭で3Dを見る事が当たり前になって行くだろうと言われています。

映画に関しては、先ほど「ハリウッドの映画はすべて3Dにしていくと監督たちが名言している」とお話をしましたが、実は日本の映像プロダクションでも、3Dの制作が得意な会社にはハリウッドの製作会社から制作依頼が来ていて、3D化する部分の作業を請け負っていることがあります。つまり、意外なことにハリウッドの映画でも3D立体視の部分は日本で作られていることもあるわけです。ハリウッドだからと言って遠いところの話ではなく、実はとても身近なところにまで3D立体視化の波が来ているのです。
制作される映画に関しても、2010年は現時点で約3250本の映画が作られていて、そのうち約200本が3D映画ですが、2018年には3000本のうち600本、つまり約2割が3D立体視の作品になると言われています。

こうした背景を踏まえれば、3D立体視という新たな領域に守備範囲を率先して広げることで、将来的に仕事の幅が大きく広がることは間違いないと思います。

■3D立体視の映像はどうやって作られるの?

みなさん「視差」という言葉を聞いたことがありますか? 読んで字のごとく、これは視界の差という意味ですが、具体的に何の差かと言うと右目と左目で見る視界の差です。3D立体視の映像はこの「右目で見る視界」と「左目で見る視界」の映像をそれぞれ同時に映し出すことで、メガネを通して飛び出すような映像に見える仕組みになっています。

このとき「視差」をどのように付けるかによって、映像が飛び出して見えたり、奥にあるように見えたりするのです。

3D立体視の映像をつくるときは右目視点と左目視点が必要になりますから、当然2つの地点にカメラを置かなければなりませんよね。その時、カメラの置き方にも実は2つのパターンがあるのです。

その2つのパターンとは、上図の「交差法」と「平行法」です。

まずは「交差法」ですが、こちらは2台のカメラを少しだけ内側に向けて、ある地点で視線を交差させる方法です(その交差地点を「注視点」と呼びます)。 この場合、出来上がった作品をみなさんが見るとき、その画面は注視点にあることになります。つまりどういうことかと言うと、注視点より前にある物体は画面から飛び出して来るように見え、注視点よりも奥にある物体は画面よりもずっと奥にあるように見えます。

一方「平行法」は、2台のカメラの視線が平行になるように設置し、注視点はありません。この手法では物体を飛び出させることはできず、奥行きを表現するのみとなります。しかし、交差法よりは目の負担が少なく、いわゆる「3D酔い」を起こしづらいとされています。交差法の場合、あまりに注視点から離れた所に物体を置くと1分と見ていられないくらいに目が疲れてしまうことがあるのですが、平行法の場合より自然に奥行きを出すことができます。

つまり、物体を飛び出させたいシーンには交差法、奥行きを出したいシーンでは平行法と言ったように、それぞれのシーンに合わせて使い分けられています。

3D立体視の歴史や撮影時の仕組みなどを教えてもらった後は、真壁先生の指導のもと、実際に自分たちで3D立体視のプログラミングをしてみることに。

OLYMPUSの立体視聴キットをパソコンに接続し、早速初期設定を行います。

こうして3D立体視が見える仕組みや種類を知ることで、よりユーザー視点に立ったゲーム作りを心がけることを学んだ1日となりました。また、3D立体視でのゲーム制作はまだまだ始まったばかりの領域であるがゆえに、今のうちから立体視をしっかり学んでおけば、今後業界で働くようになった後も大変役に立つことは間違いありません。 3D立体視の、その理論と実践を楽しく学ぶことができた1日でした。

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