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【特別講義レポート】人気映画、アニメ作品などの映像を手掛ける櫻井淳一氏による「ライティング技法」授業と作品講評

映像作品において企画、監督、演出、デザイン等を担当し、株式会社白組でCGディレクターを務めるなど、フリーランスとしてご活躍されている櫻井淳一氏にご来校いただき、「デジタルアーティストに必要不可欠なライティング技法」の授業を実施しました。

櫻井 淳一 氏


フルCG、VFX映画にデジタルアーティストとして参加する一方、IT、製造業等のプロダクトやサービスの解説映像制作やビジュアル開発の実績多数。
3DCGを活かしたプロジェクションマッピングやXRデバイスコンテンツの演出も手掛ける。CG/VFX監督作品が「VFX-JAPANアワード2021」優秀賞受賞。近年はYouTubeプロデューサー/ディレクターとしても活動している。

【主な制作実績】
[2025]
・株式会社デンソー DENSO MUSEUM エントランス映像 ― 白組 ディレクター
[2024]
・SMBCコンシューマーファイナンス「プロミス号がいく!」東・阪主要5エリア屋外3Dビジョン広告 ― 白組 デジタルアーティスト
[2023]
・映画『しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦~とべとべ手巻き寿司~』― 白組 開発
[2022]
・ユナイテッドシネマ ウニクス秩父 ポテくまくんモーションロゴ・短編アニメ ― プロデューサー、ディレクター
・ドラマ「仮面ライダーBLACK SUN」― 白組 コンポジター
[2021]
・映画『Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-』― 白組 3Dアニメーター
[2016]
・映画『シン・ゴジラ』― 白組 デジタルアーティスト

他多数

授業の冒頭では、在校生たちが目指している「CGアーティスト」「CGデザイナー」の役割や観察する眼を養うことの大切さについて話してくださり、ライティングの基礎知識として、ライティングの必要性、学ぶメリットについて改めて考える機会をつくってくださいました。
また、作品の「見せ場」を見やすくするためにライティングでするべきことを7つに分解してご紹介いただきました。

1. どこに影をつけるのか
2. どこを陰にするのか
3. ハイライトの設定をどうするか
4. シャドウの設定をどうするか
5. 全体のトーンをどうするか
6. カラーイメージをどうするか
7. どういった種類のライトとカメラを用いるか

ライトや影の種類について詳しく説明いただいた後は、CGにおける実践的なライティングについて、上記で挙げた「7つの見せ場」をサンプルの彫像に当てはめながら、具体的なライトの配置や強調させる箇所を詳しく学びました。

さらに、この日の授業では事前にご提出した学生のポートフォリオの作品について、講評をいただく時間もありました。

「『書斎』がテーマということで、ストーリー性を感じるようなモチーフ選択に好感が持てますね。ただ、全体に単調な印象なのが勿体ないです」と、櫻井さん。書斎らしさを出すために「窓や月を絵の中に入れて、屋外光を取り入れると雰囲気が変わって良いと思います。それから、右側の壁面が同じパターンのデザインだけでは勿体ないので、例えば本棚にするとか、何かをかけるとか、あるいは机に寄ってトリミングするのもありだと思います」という貴重なアドバイスとともに、ライトの質感や光のグロー感などについても解説いただきました。

「『学校の教室』という、とても見慣れているモチーフなので、評価ポイントのハードルが高いです」と、話してくださった上で、「画を描くうえで疎密のバランスは大切です。今の画だと、もう少しディテールを足せると良いかなと思います。例えば黒板の横の壁にプリントが貼ってあったり、誰かの机の上に物が置いてあったりするとバランスが良いです」と、具体例を出しながら解説いただきました。その後も質感の描き分けや、リアリティを出すためのテクスチャリングについて触れていただき、最後はそれらを上手く魅せるためのライティングについて教えていただきました。

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