ニュース

数多くのエンタメ作品に携わる漫画家/イラストレーター/グラフィックデザイナーの蛇足せんたろう先生(キャラクターデザイン学科)のパーソナルインタビュー

長年ご指導いただいている先生、学生たちから人気の先生など、AMG「名物講師」にインタビュー。エンタメ業界のプロとして、若い世代を育てる講師として活躍する先生方のパーソナルな一面をお届けします。

蛇足せんたろう先生

プロフィール

AMG卒業生。コンシューマーとアーケードゲームの開発会社に勤務後、フリーの漫画家、イラストレーターに。代表作は「ジュクボックス」「あくしず戦姫」、まんがタイムきららMAX(芳文社)「ヒメとトノ」、月刊キスカ(竹書房)「売約済みの女神さま」など。現在は竹書房にてコミカライズ「要らない悪役令嬢、我が国で引き取りますわ ~優秀なご令嬢方を追放だなんて愚かな真似、国を滅ぼしましてよ?~」を連載中。

©竹書房 バンブーコミックス 原作:綾雅 漫画:蛇足せんたろう

担当学科/科目

・ゲームクリエイター学科:作画基礎、グラフィックデザイン
・CG学科:2DCG
・キャラクターデザイン学科:キャラクターデザイン演習

AMG講師歴

2016年より担当しています

好きなもの

ゲーム『式神の城』、マンガ『ダイの大冒険』、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

デイリールーティーン

朝の喫茶店でのコーヒーと入浴前のストレッチ1時間

休日の過ごし方

読書とツーリング、友人との飲み会

個人的に挑戦したいこと

コンテンツの作成

一日のスケジュール

7:00

起床

8:30

出発

9:30

AMGの講義開始
★複数学科を担当しているため、午前午後で別学科の講義を行うことも

17:00

AMGの講義終了

18:00

帰宅

20:00

漫画原稿の作成を進める

00:00

就寝

INTERVIEW蛇足先生がゲーム、イラスト、マンガなど、自分の「好き」をかたちにしてきた経緯

「好きなものに関わっていきたい」という思いで目指したエンタメ業界。

子どもの頃からゲームやマンガが好きでしたが、当時は自分が作る側になろうとは全く思っていませんでした。高校生までは空手や野球など、運動部に所属していましたからね。ですが、怪我で激しい運動が難しくなったときに、文科系のクラブに友達が誘ってくれるようになりました。大学では友人たちが同人活動をしていたこともあり、一緒に創作をする中で「自分も好きなものに関わっていきたい」と少しずつ思うようになったんです。そして、大学卒業後にAMGへ入学しました。
学生時代は流行っていた絵柄の模写をしたり、好きな作品と同じテーマで絵を描いたりするところから始め、そこから自分が本当に描きたいものを少しずつ確かめていきました。

AMGからゲーム会社へ就職、そしてフリーランスへ。

実は、AMGでは丸山類先生(CG学科、キャラクターデザイン学科講師)と同級生だったので、同じCG系の学科で、一緒に講義を受けていました。今でも仲良しです(笑)。
卒業後はゲーム会社に就職し、7年ほどアーケードゲームの開発などに携わっていました。その後フリーランスに転身し、現在も漫画家として連載をしつつ、イラストやデザインの仕事をしています。

漫画やデザインの仕事をするときは、午前中から喫茶店に行き、何軒かはしごをしながら作業をしています。自宅には誘惑が多いので、外に出てメリハリをつけたほうが、私の場合は仕事がはかどるんですよね。
漫画の原稿が上がった翌日などは、きちんと休みを取るようにしているので、映画を観に行ったりツーリングに行ったり、タイミングが合えば学生時代の友達と飲みに行ったりしています。休日は読書をすることも多いので、ジャンルに関係なくいろんな本を読んで過ごしています。

「自分のこれまでの経験を伝えられれば」という思いで、AMG講師に。

フリーランスで仕事を始めて4年目ぐらいのときに、AMGの講師のお話をいただきました。私自身、絵を描き始めるのが遅かったので、AMGに入ってからも四苦八苦しましたが、当時の講師の先生方に基礎から丁寧に教えていただき、ゲーム会社に就職することもできました。講師のお話をいただいたとき、母校で学生たちを教えるということに最初はとても緊張しましたが、私のように遅いスタートになった人にも、自分のこれまでの経験を伝えられればという思いで引き受けました。

真面目な学生が多く、担任の先生方も親身になって学生たちの指導にあたっているところがAMGの良さだと思います。
今は複数の学科を担当しており、講義前半では理論と技法の解説、後半は実践練習といった内容で授業を進めています。座学と実践を組み合わせることで、学生たちが自らの目的に合わせて取捨選択する力を身につけられていると思います。

INTERVIEW学生たちに伝えたい、蛇足先生の思い

仕事では決して「手を抜かない」。そして、いろんなことにチャレンジしてほしい。

スキルアップのために私が日頃から意識していることであり、学生たちにも実践してもらいたいと思うのは、作業手順を省かないこと、つまり「手を抜かないこと」です。基本的なことですが、一つ一つの作業をルーティン化して行い、進捗ごとに達成感を味わうことを常に意識してほしいです。
それから、絵に限らず「新しいことへのチャレンジ」も続けていってほしいです。友達やいろんな人との繋がりを大切にできると、なお良いですね。自分一人では知りえなかった情報も入ってくるので、チャレンジの幅が広がっていくと思います。

技術指導以外では「絵を好きに、延いては自分を好きになってもらうこと」をフォローできるよう努めています。また、「体調に気を付けること」や「挨拶をしっかりすること」の大切さも伝えています。みんなが元気に登校して、挨拶をしたり、それに返事をすることで好循環が生まれるので、クラスの雰囲気もすごく良くなるんです。シンプルなことですが、すべてモチベーションにつながっていくと思うので、学生たちには良い環境を作ることを習慣化してもらいたいですね。

講師をしていて最も嬉しいのは、就職やデビューが決まり、学生たちがエンタメ業界へ羽ばたいていく瞬間です。学生自身、それまで頑張って積み重ねてきたことが結果として出ると自信がつくと思いますし、私も心から安心します。

夢に向かって頑張る学生たちへ

私が仕事をするうえで最も大切にしているのは「好きなものを好きでいるために練習を続けること」です。だから、学生の皆さんにも自分の「好き」をかたちにして、誰かを夢中にさせられるように練習してほしいなと思います。好きじゃないと続かないし、好きでいられるように自ら行動していかないと、どんどん色褪せてしまいますから。
一つのことをずっと好きでいられるように練習するのも良いですし、新しく好きなことを見つけるのも素敵だと思います。

AMGからエンタメ業界に羽ばたいていった卒業生へ

「好きなことを続けることができて、自分の作ったもので誰かを夢中にできること」。これって、まさに仕事のやりがいですよね。卒業生の皆さんは、実際に仕事をするなかで、楽しいことばかりではないと思います。成果が出るかどうかは運やタイミングもありますし、自分がしたいアプローチと仕事の内容が嚙み合わず、苦悩することもあると思います。ですが、いつまでも自分の「好き」を忘れずに、誰かを夢中にさせていってもらいたいと、心から願っています。