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From ハリウッド!映画監督 光武蔵人氏による特別講義

2006年11月16日、映画監督として第一線で活躍中の光武蔵人氏による特別講義が行われました。映画業界の現状や、制作の裏話など、普段はなかなか聞けない貴重な話に、学生は多くの事を感じとることが出来たようです。

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20061116_01.jpg 光武蔵人(映画監督)
小さい頃から漫画家を目指すが、映画「激突」(S・スピルバーグ監督)をテレビ放映で見てからというもの映像世界に魅了され、映画監督を志すようになる。
高校から単身渡米。学生の時に制作した短編映画「The Killer, The Wounded, And The Lair」は各方面で高く評価される。
コーディネーターなどの職業を経てディレクTV・Vaio Netの情報番組 「@tv」でディレクターデビュー。
2004年には初の長編映画【Monsters Don’t Get to Cry】を監督。
「復讐剣血塗れ狼~第二十四話」でも話題を呼び、最近では、「MONSTER DON’T GET TO CRY」の日本配給が決定した。
米ABCネットワーク「Ugly Betty」第4話「Swag」ゲストスター出演するなど、俳優・光武蔵人としてテレビデビューし、多方面にて活躍中。

光武蔵人オフィシャルサイト http://www.kurandomitsutake.com/
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――ロスに行かれたきっかけは?

映画馬鹿だったもので(笑)。当時は学校など無かったので、海外に行くしかないと思い、ロスに渡りました。

――英語の不安はありませんでしたか。

ありませんでした。全くしゃべれなかったのですが、まずは行ってみようと思いました。高校から行ったのですが、フレズノという田舎に、外国人を受け入れる学校があったので、そちらに入学しました。

――困ったことは?

やはり、コミュニケーションですね。高校生の頃って、素直で残酷でもあり、多感な時期ですよね。

――楽しかったことは?

演劇部に入って、俳優を目指している友人と、週末にビデオカメラで撮影したりしたのが面白かったですね。

――高校卒業後はどのような道に進んだのですか。

San Francisco Art Institute(サンフランシスコ芸術大学)を経てCalifornia Institute of The Arts(カリフォルニア芸術大学)大学院を卒業。修士号を修得しました。映画、絵画、彫刻等を学べる学校だったので、非常に刺激的な毎日でした。

――絵画、彫刻なども学べたとのことですが、ファインアートの映画で有名な作家を教えて下さい。

スタン・ブラケージは、フィルムフォーラムなどでも評価が高いですね。ストーリーも無い芸術的な映画ですが、レンズに蛾の羽を貼り付けて撮影する等、原始的で幻想的なアニメーションで衝撃的ですよ。

――やはり光武さんも、学生時代から様々な作品をつくられたんですか。

はい。卒業制作は特に思い入れがありますね、ちょうど、デジタルに移行する面白い時期でもありました。

――就職も当時から考えられていたのですか。

そうですね。どうしようかと考えていましたが、良い卒業作品をつくれば何とかなると思っていました。学校が、学生の作品を集めてニューヨークで上映してくれたりもしました。

――卒業後はどうされたんですか。

すぐに、監督という訳にはいきませんでした。コネが無いと大変な業界ですしユニオンに牛耳られているんですよね。まずは、美術館の案内の仕事等をしていました。

――ユニオンとは?

アメリカは国保が無いので、アメリカで俳優をやっている人は、俳優業界の組合員で健保が出ます。商業技師のユニオン、監督のユニオン、脚本家のユニオン等、それぞれあるのですよ。俳優の場合も、一人あたりのスペースが確保される等、規約にのっとって働いています。ハリウッド産業は、ユニオンを元に動いていると言えます。

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――そして卒業後、ご自身がおっしゃる「不遇の時代」に入りますが、どのような事をされていたのですか。

今となっては、映画監督の仕事に役立っているものもあるかもしれませんが(笑)。。。最初、TV海外コーディネーターの会社に就職しました。撮影の日程、インタビューのアポ取り、通訳、ロケバス運転、食事の手配等、いわゆる何でも屋ですよね。あるテレビ番組で、ビッグフットを探し、ワシントン州の森の中を彷徨った後、足跡を見つけたこともあります。
そして、TV会社とコネが出来てから、ロスの情報番組でディレクターとしてデビューしました。その後、フリーランスになりました。

――フリーランスになってから、仕事をどのように受注したのですか。

演出家、映画監督として活動を始めました。会社の頃と違って、ロケ手当も出ないので厳しい世界です。人脈で仕事を取っていきましたね。

――人脈のつくり方のアドバイスを頂けますか。

今回も、次回作の企画の売り込みで日本に来ています。本当は、初対面の人に会うのは苦手なのですが、クリエイターは自分が商品なので、自分でどんどん売り込むようにしています。
皆さん、自分をどうプロデュースして、売り込んでいけば認められるかということを自覚して下さい。WEBページを作って宣伝するなど、まずは実行してみて下さい。
私の場合は、脚本を書いて制作会社に持ち込んだりしていました。そして、当時の密室系の映画ブームの流れで、「MONSTER DON’T GET TO CRY」という映画の監督をしました。日本では、邦題「モンスターズ」として、2007年3月にレンタル発売、DVD発売が始まります。こちらのDVDスペシャル・エディションには、オマケとして、光武蔵人の学生時代の短編映画「The Killer, The Wounded, and The Liar」、「無常刃」の2本が収録されていますのでお楽しみに。

――「モンスターズ」の撮影はいかがでしたか。

低予算だったので大変でした。舞台となった倉庫は、屋内駐車場だったのです。昼間は営業している会社の駐車場でしたので、18日間20:00~8:00迄、深夜ぶっ通しで撮影しました。駐車場の営業時間が来たら、綺麗に片付けなければなりません。

――こだわったシーンを教えて下さい。

格闘シーンに、かなりこだわりました。特殊メイクアーティストと何ども話し合い、鼻血をボタボタ出すシーンなども含めて、納得のいくものに仕上がりました。順撮り撮影(シーンの最初から最後迄順番に撮影すること)にもこだわり、プロデューサーと相談しながら作業を進めました。
照明にもこだわりましたね。皆さんは普段イラストを書かれるでしょうから、映画を見て、照明の使われ方を是非参考にして下さい。
ヨーロッパと、アメリカの照明の違いは分かりますか。光の色、量も違いがありますので、よく見てみて下さい。最後の方のシーンで、犯人役と親父の心がつながってきたので、寒色系から暖色系に変わってきたのにも気付くと思います。
後作業で、特定の色を抜いたり、全体の色を調整したりして、影の付け方のバランスもとります。
こう考えると、映画もイラストも共通する部分がかなりあると思いませんか。

――最後に、技術だけでなく、感性を磨く方法についてアドバイスをお願いします。

そうですね。とにかく色々なものを見て、色々なものに触れて下さい。自分のジャンル以外の刺激を受けることも大切だと思います。私の経験で言えば、監督をする前のコーディネーター時代は、感性磨きにすごく役に立ったと思います。自分の一番やりたいことでお給料をもらっていくのは難しいことですが、どれだけの引き出しを持っているかが重要になってくると思います。時には、クリエーターとして、クライアントとぶつかることもあるかもしれませんが、多くの引き出しを持っていれば自信にもつながると思います。これからも是非頑張って下さい。

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