イラストレーターのredjuiceさんを特別講師にお迎えし、「redjuice的キャラクターデザイン講座」を実施しました。また、redjuiceさんが長く愛用するモニターを製造するEIZO株式会社にもご協力いただき、ベストな創作のために必要な機材選びについてのセミナーも同時開催。その模様をレポートします。
- 特別講師PROFILE
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redjuice
イラストレーター。3DCGと2Dを駆使した既存の枠にとらわれない表現が、国内外を問わず高い評価を得ている。TVアニメ「ギルティクラウン」や、音楽ユニット「EGOIST」のイラスト、SF小説/TVアニメ「BEATLESS」のキャラター・コンセプトデザイン等、様々な分野で活躍。
❏ 初音ミクのイラストを描いた経験から、3DCGと2Dイラストを組み合わせるように
オリジナル作品からクライアントワークまで、多岐にわたる活動の中でも、redjuiceさんを紹介する上で欠かせないのが、3DCGと2Dイラストを融合させた作品とその手法です。
redjuice 初音ミクはファンアートを描いたり、「supercell」の活動を通じてグラフィックデザインを担当したなかで、たまたま3Dをベースに2Dイラストを合わせてみたことがあって。思いのほか相性よく世界観が広がった手応えを感じたのがきっかけです。アニメ「ギルティクラウン」や「BEATLESS」など、SFをテーマに表現する仕事が増えたこともあり、独自で試行錯誤しながら今の手法に辿り着いた感じです。
3Dと2Dが違和感なく同じ世界で共存してみえるための工夫についての話題も。
redjuice 3Dはそのままだとリアル過ぎるため、イラスト的表現やテクスチャをブラシで加えるなど、2Dと馴染むような処理をほどこしています。
3D上でのマテリアル表現を身に付けることで、例えば2Dペインティングで3D的な質感表現に活かせる場合もあったりします。あらゆる質感表現への道が明るくなるので、いろいろなジャンルの情報や手法を行き来するのはおすすめです。
❏ 段階的に作業を重ねることで、“アウトプットのためのインプット”も洗い出せる
「redjuice流キャラクターデザイン実践編」では、ご自身の実際の創作が複数のステップをたどり成り立っていることが紹介されました。
redjuice スケッチから入る場合もありますが、小説や漫画のようにプロットを用意したり、手書きメモを取ってアイディアを言語化することで具体性を強化する作業は、どこかしらの段階でおこなっています。
その後プロットやメモを基にブレストを重ねていきます。ディテールのブラッシュアップに加え、必要なテクニックや新しくインプットすべき知識、スキルを洗い出す役割も兼ねるので、自分の中では重要な工程です。
中国などアジア圏のクライアントと仕事をする機会も多いなかで、新しいツールの習得や開発への貪欲さは見習うべきものがたくさんあると感じ、インプットの習慣付けは意識して取り組んでいます。
キャラクターデザインをはじめ、3DCGやアニメ、マンガなど、さまざまな分野の学科に在籍する学生が参加する講義でしたが、一人ひとりが自身の将来へ向けて知識を深められるよう、幅広い経験に裏打ちされた実践エピソードをたくさんお話しいただきました。
❏ 作品のクオリティに直結する、リファレンスの量と質をあげるために
服飾、ディテール、背景など、参考画像収集と整理のために、リファレンス閲覧アプリ「Pureref」を重宝していると語るredjuiceさん。リファレンスの量と質が作品のクオリティに直結するといい、「脳内イメージのみでは限界がある。己の無知を知り、視野を広げることが大事」とのメッセージとともに、さまざまな参考図書もご紹介くださいました。
・末永く使える基礎レッスン用 『やさしい人物画』A. ルーミス(著)
・部位別に骨と筋肉が学べる 『スカルプターのための美術解剖学』アルディス・ザリンスほか(著)
・実践で部位の参考に 『ハイパーアングルポーズ集』創美社編集部(編)
・ライティングと光学について学ぶ 『画づくりのための光の授業』リチャード・ヨット(著)
・3Dマテリアルの基礎が分かりやすい 『[digital] ライティング&レンダリング』Jeremy Birn(著)
・初級者から上級者まで、絵画的アプローチに 『カラー&ライト』ジェームス・ガーニー(著)
❏ 直筆スケッチを交えた学生作品の添削も
画像左の学生作品に対し、右はredjuiceさんが添削のために用意してくださった直筆イラスト。好きなもの、描きたいことがとても伝わり、ストーリーも感じられる印象的な絵だからこそ、「自分ならこうしてみたい」とredjuiceさんに湧き上がったアイディアが学生にレクチャーされました。
❏ モニター選びの重要性について、redjuiceさんが信頼を置く「EIZO」によるセミナーも開催
元々3DCGクリエイターを目指していたというredjuiceさん。当時からEIZOモニターは、“CG制作のスタンダード”として雑誌で頻繁に取り上げられていたそう。プロやプロを目指すクリエイターは「EIZOを使うべき」というイメージも強く、性能うんぬんよりとにかく憧れの品が欲しい!という一心でEIZOモニターを購入。画業に専念し15年を迎える今も、信頼し愛用し続けているモニターだといいます。
特別講義のキービジュアルとしてもお借りした「THE FORBIDDEN GARDEN」は、EIZOとのコラボレーションから生まれた作品
(引用元:EIZO特設ページ)
そんなEIZO株式会社のセミナーでは、制作におけるモニター選びのポイントと活用方法についてお話しいただきました。
クリエイターが抱える一般的な悩みとして、作業スペースの確保、長時間作業による体への負担、環境による色の見え方の違いなどが挙げられ、これらの課題がモニターでどのように解決できるのかを理解するとともに、多くのプロから支持されるEIZOが持つ業界の最新動向にも触れられる貴重な機会でした。
最後に、サプライズおみやげが配られるなど、プロを目指す学生たちのために素敵なセミナーを開催いただきました。
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