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株式会社ガンバリオン 代表取締役 山倉千賀子氏が語る “プレイヤーのためにゲームを創るということ”

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12月8日、「JUMP ULTIMATE STARS」「ワンピース アンリミテッドアドベンチャー」などのゲーム開発会社・株式会社ガンバリオンから、山倉千賀子社長をお招きして、オープンセミナーを開催しました。

山倉社長と本学院・ゲームクリエイター学科の小宮先生は、10年来の友人でもあるため、なごやかな雰囲気でお話しいただきました。ゲームクリエイターとして必要なことの中でも、印象的だったいくつかの重要なキーワードをもとに、セミナー内容をご紹介します。

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株式会社ガンバリオン 代表取締役
山倉 千賀子 氏

■ゲームが人生。でも、ゲームとの出会いは遅かった

高校まではあまりゲームに触れていませんでした。高校卒業後、いったん別の業界に就職したのですが、その会社で理想と現実のギャップを感じ、ファミコンショップでアルバイトをするようになったのが本格的な出会いです。その時、“何故売れるソフトと売れないソフトがあるのだろう?”と考え、様々なゲームをプレイするうちに、どっぷりとゲームにはまりました。
出会いは遅いからと言って、夢をあきらめることは無いと思います。
やりたいと思った時、面白いと思った時に、その道に進むにはどうすればいいかを考えることだと思います。

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学生からの質問カードを見ながら
お話し下さいました

■キャラクターゲームの制作で重要なのは、ファンを裏切らないこと

「JUMP ULTIMATE STARS」、「ワンピースアンリミテッドアドベンチャー」ともに、原作やアニメのファンがいる作品です。
そういった環境でゲームを制作するときに必要なのは“原作の雰囲気を壊さずに、ゲームバランスを取ること”です。「ワンピースアンリミテッドアドベンチャー」の場合、主人公が全身ゴム人間だったり、変身するキャラがいたりと様々な個性があって、ゲームバランスやプログラム、グラフィックの技術的・制作時間的に大変なものだったりします。でも、それが原作の持つ世界であり、ファンが望むものなら、なんとしても実現しなければいけない。それが困難であれば、原作のエッセンス・良いところを生かしてゲームにしていく。プレイヤーが望む形に仕上げていくのは、どんなゲームでも一緒ですけどね。

■プログラマー・グラフィッカーに必要なスキル・考え方とは?

まずは、プログラマーから。プログラムが好きで、独自の想像力や創意工夫が出来ること、技術力があることが最低条件ですが、それに加えて、総合的にゲームを考えられる人が良いと思います。“これは出来ない”と言うのではなく、“こうしたら出来る”と言えることが重要です。また、自分の創っているところだけでなく、全体に気を配ること、これも重要です。
ゲームが出来上がった時に、全体の中の小さな違和感は、とても気になります。だから、みんなで同じ方向を向いて開発を行う、共通認識を持つ必要があります。
グラフィッカーやプランナーに関しても、総合的にゲームを考えること、改善案を出せること、共通認識の上で仕事をすることは必須のスキルです。その上で、グラフィッカーは基礎の観察力・再現力が重要です。CGツールが変わっても、きちんとしたものが創れる土台。それを、常に伸ばしていって欲しいと思います。

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学生の熱意こもった質問に真剣にお答え下さりました  

■プランナー 発想の源とゲームデザイン、そしてプレゼンテーションに必要なこと

コピーはオリジナルを超えられないと思います。既存のゲームからゲームを発想するのではなく、“遊び”を突き詰めてゲームを良いものにして欲しいと思います。企画・ゲームデザインは“ルールを作っていく作業”“ルールを提供する作業”です。遊びの原点を知らないと、ルールが提供できない=ゲームが出来ない、ということになります。難しいことではありません。子供の頃、みんなで遊ぶときに小さい子には救済ルールを作ったはずです。そういった日常の体験の中からゲームを発想し、ルールを決め、細かい所まで考える事です。
また、私でも、大切なプレゼンテーションの時は緊張します。その時にどうするか? やってみないと解らないんです。当たって砕けろ、今回がダメでも次が無いわけじゃない、と思うことです。そのための自信は、自分を愛してあげることでついてきます。自分が好きだと思えない自分を、誰が愛してくれますか? 多くの人に認めてもらうためには、まず自分を愛して、自信を持って臨むことです。そして言われた事に対して、へこまない。だって、それで終わりじゃないのですから。気持ちの切り替えも重要です。

■わからないことは恥ずかしいことではない。人に聞いて、情報を得ることが重要

新入社員に言うことなのですが“私たちは心が読める訳ではない”。何も言わないで、解って欲しいといっても無理です。だから、解らないことは解らないと聞く。聞くことは恥ずかしいことではなく、自分がおかれている状況を判断し、情報を得れば、自分の次の行動の指針になる。そのために、私は、解らないことを聞きます。それは必要な作業なのです。

■ガンバリスイッチ オンとオフ

ガンバリオンという社名は“ガンバリスイッチ・オン”の意味です。でも、オンを充実させるためにはオフも必要です。オフに気持ちを切り替えることで、仕事が進みます。ゲーム制作は体力も気力も使う仕事ですから、体を壊してはいけない。必死に物事に取り組まないといけないときでも、リラックスタイムを持つようにする。そのリラックスタイムの中で、新しい発想が生まれたりもします。永くゲームクリエイターでいるためには、仕事に対するオン・オフをきちんと切り替えることが大切だと思います。楽しいものを創るには心の余裕も重要なんです。

山倉社長、福岡からわざわざお越しくださり、ありがとうございました!学生たちに、早めのクリスマスプレゼントを頂きました。