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(株)メディアファクトリー MF文庫J・神長敬祐氏による編集部批評会と特別講義開催!

9/16(金)ノベルス学科にて、株式会社メディアファクトリーMF文庫Jの神長敬祐氏をお招きし、編集部批評会を開催致しました。

1年生は初めての編集部批評会、編集者とお会いするのも人生初ということで、みんな気合十分。2年生にとっては卒業まであと約半年という貴重な時間の中で編集部批評会の一回一回が大切になってきます。また今回は、来年4月から入学予定者の皆さんにもご参加いただきました。

『聖剣の刀鍛冶』(著:三浦勇雄)、『ゼロの使い魔』(著:ヤマグチノボル)など多数の人気作品を生み出し、学院卒業生の野島けんじさんも『きゅーきゅーキュート!』シリーズを現在刊行中のMF文庫J。数あるライトノベルレーベルの中でトップクラスの人気を誇っています。その編集をされている神長敬祐氏が、批評会の前に特別講義を行ってくださいました。

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■「売れる作品」とは

MF文庫J編集部批評会

今ライトノベルで一番大きいタイトルは「アクションもの」「バトルもの」だと思うのですが、かたや日常系の作品が売れたりしているので、必ずしもそれが絶対売れるみたいなジャンルはありません。月間100冊近くライトノベルが出ている中で、読者は自分のお財布と相談をしながらライトノベルを買っているので、100冊全部買えるわけではないですし、1ヶ月に多くても3冊とか4冊、もっと買う人なら10冊くらい買うと思います。

でも100冊中10冊だったら90冊は全部切り捨てられてしまうということですから、その作品ならではの魅力みたいなのが無いと、読者には届かないのではないかと思います。

ライトノベルだけではなく、映画、アニメ、ドラマ、他の一般の小説など日々いろんな所にアンテナを張って、今読者に何が受け入れられているのかを常に模索し続ける事が大事なのではないかと思います。

■新人賞について

MF文庫J編集部批評会

よく「オリジナリティを求めて書いてみました」といった、すごく奇をてらったものが新人賞で投稿されてきたりしますが、奇をてらっているだけですごい外していたりします。ベースに『敵対自分』みたいな構図がある中で、変わった設定を盛り込むっていうのならいいのですが、ぐちゃぐちゃで効果をなしていないという作品も新人賞ではよく見受けられます。

基本は基本として外さず、アイデアはアイデアとして常に持ち続けるという姿勢が必要なのではないかと思います。これはMF文庫Jの新人賞を審査する私からの意見なので、他社さんや他の編集さんがどういう風に考えているかというのはわからない部分ではありますが、少なくともそういう見方をしている編集もいるという風に思ってくれるといいかなと思います。

結局アイデアだけの塊というのは自己満足でしかない部分がすごく大きいと思うので、そのアイデアをいかにして読者に届けるかという所を常に意識しながら執筆活動にいそしんでもらうといいのではないでしょうか。それが新人賞に通りやすいというわけではないですが、眼に留まりやすくなると思います。奇をてらいすぎる作品よりもしっかりとした基礎のある作品のほうが眼に留まりやすいということだけは言えると思います。

■ラブコメ、恋愛系の作品について

MF文庫Jの読者の8割から9割は男性です。恋愛経験が多くても男の子は女の子の気持ちがあまりわからないから、喧嘩になったり、怒らせたり、泣かせたりみたいなドラマでよく描かれるようなことがあるわけです。

男性が憧れるシュチュエーションなんて、実際はほとんど起こりえないことだと思うのですが、でも夢としては皆持っているはずだと思います。そして、それを叶えてあげるのが小説なので、そういう意味ではちょっとエッチだったり、女の子といちゃいちゃ出来るみたいな話というのは、男性諸君が持っている夢を叶えてくれているため受け入れられやすい現状があると思います。とは言え、恋愛だけではなくバトルやハイファンタジーな作品があるのも今のライトノベル業界です。

しかし、普遍的に皆恋はしたいと思うので、ずっと残っていく分野であると思いますから、その辺は意識してやってみるといいのではないでしょうか。結局は読者が興味を持てるテーマを選べるかどうかというのがすごく大切になってきます。恋愛やファンタジーでも、それが読者に本当に受け入れられると思うのであればそこに向かって突っ走っていくのはありです。すべては読者のためにあるという考えの作品作りに取り組めると、出版社としてはうれしいです。

MF文庫J編集部批評会

ラブコメ、ハーレムものが多いのは、結局は今恋愛みたいなものが読者に受けていると思うからです。ただし、新人賞が「萌え」や「ハーレムもの」が来るのを望んでいるかと言われたら、正直面白ければ何でもいいということになります。ただ、ずっと言っていますが、「読者に喜ばれるかどうか」というところが基準になっているので、まずは、歴代のうちの受賞作を読んみてください。

萌え、ハーレムモノのラブコメとかが受賞作の中にあることもありますし、青春モノが受賞していることもあります。

MF文庫Jとしても色々なものを目指していきたいと思うので、皆さんが面白いと思える作品をどんどん投稿してきていただいて、ぜひデビューしてもらいたい、と思います。

■最後に

それぞれみなさん書きたい作品というのが必ず一つはあると思います。絶対これを書いてデビューしたいという思いが。ただ、それだけにとらわれた狭い視野を持つだけではなく、もう少し世界を広げ、いろいろなものに目を向け、「どうしたら自分が書きたいものが読者に受け入れられるだろうか」をしっかり考えることを忘れずに、これから作家を目指して頑張って頂ければと思います。

ただ書くだけではつまらない。せっかく自分の作品を書いたんですから、いろんな人に読んでもらい、いろんな人に褒め讃えてもらいましょう。その中で、多くの人に読んでもらうために必要な何かが見えてくると思うので、そこを常に模索し続けてほしいと思います。頑張ってください。

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今回のアドバイスを元に1、2年生共に、早速手直しをはじめ、作品制作に取り組んでいます。そして休む間もなく次回の編集部批評会に向けても動き出しています。
このような批評会での経験が彼らの作品に磨きをかけ、デビューを勝ち取ってくれることでしょう。
大変貴重な講義をありがとうございました。

編集部批評会とは
大手出版社などの編集者が来校し、直接アドバイスがもらえるという学院独自のサポートシステムです。出版業界事情や編集部が求める作品の傾向、投稿に関する注意事項、創作に関するポイントについても学べるほか、一人一人の作品を見て、個別に指導してもらえます。また、編集の方との人脈づくりの機会にもなります。このチャンスをいかしてデビューへの足がかりをつかむ学生も少なくありません。