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アニメーター、りょーちも氏特別講義レポート!

特別講義の様子1

――りょーちもさんはデビュー前、学院の大阪校に顔を出されていたそうですね。そのあたりのお話から伺えますか。

友達が在校生だったんで、自分も学生みたいな顔をして(笑)、遊びにいったり体験授業や特別講義を受けたりしていました。先生にもお世話になりました。

――絵をお仕事になさるまでの経緯はどんなでしたか。

インターネットで自分のサイトやお絵描き掲示板に絵をのせて、チャンスをうかがっていました。早朝だけ新聞配達のアルバイトをして、あとは家にこもって絵を描いてっていう、引きこもりみたいな生活でしたよ(笑)。そうしているうちに、ネットに上げたイラストがゲーム会社の方の目に止まったんです。

特別講義の様子2

――アニメーションに移るきっかけはなんだったのでしょう。

サイトに置いていたGIFアニメを見て、いきなり「動かせそうだから、原画を描いてみない?」と誘っていただきまして。

――動画から原画へという人が多い中では異色ですね。

ネットで自分の絵をアピールして認められたということで、「ウェブ系」なんて言われることもあります。ネットもデジタルで絵を描くことも一般化していく最中で、お互いに見よう見まねで何にでも手を出していました。だから、この世代にはマンガもアニメも出来たり、多芸な人が結構いるんですよ。
はじめて全面的にFlash(フラッシュ)を導入した『鉄腕バーディー DECODE』も、新技術に抵抗がなくてセクションにこだわらない人を集められたおかげで、初めてのことも上手くいきました。

特別講義の様子3

――Flashを使う手法は画期的ですが、Flashのメリットはなんですか。

タイムラインにそって絵が描ける軽いソフトというのがまずありますね。機能の話をすると、絵をここからあそこへこの時間で動かすというスライド指示や、アニメーションを入れ子状にすることなどが出来るんです。背景がスライドしてパースが変わって……っていう撮影技法にかかわるところまで、作画でやれるんですね。仕上げの段階でも、ディテールを足したり抜けてしまったデータを修正したりということが、動画に戻さずに出来るんです。

――制作現場でのデジタル作画の経験はいつからですか。

うつのみや理さんという自分にとっては神様みたいなかたと仕事をさせていただいた、『創世のアクエリオン』からですね。うつのみやさんが3Dでしっかりしたレイアウトが組みたいとおっしゃって、Metasequoia(メタセコイア)というフリーソフトを使って組みました。

特別講義の様子4

――ベテランでもデジタルに積極的な方がいらっしゃるんですね。

セクションにとらわれたりする固定観念を壊してくれたのは『ノエイン~もうひとりの君へ』でご指導いただいた松本憲生さんだし、色んな方が沢山実験して失敗もしてきているから、いまの形があるんです。
これから入ってくる人たちにも、やりたいことは青くさくても恥ずかしくても、どんどんやってみて欲しいです。

――ご自宅での作画環境はどうなっていますか。

ペンタブレットはCintiq21UXをワコムさんに貸して頂いて使っています。PCはそれを動かすために近所の商店街で買ったもので、CPUが1GHz強、メモリが4GBです。ソフトはPhotoshop(フォトショップ)とFlash、イラストの線画には鉛筆ツールなどの線がきれいなSAI(サイ)を使っています。仮想ドライブを作ってPhotoshopを立ち上げていて、これが非常に速くて助かっています。

特別講義の様子5

――これからの展望みたいなものはありますか。

アニメーターがコンピュータ・プログラミングをやったり、3Dの専門家に原画を描いてもらったり、異分野の方法が出会うことで新しい表現が生まれると思うんです。アニメーションとほかの分野の才能をつなぐハブになりたいですね。
あと、業種や分野に関係なく自分のキャラクターを出していくことに興味があります。たとえば「ガンダム」は物語や設定が変わっても「ガンダム」で通じるじゃないですか。そういう感じをキャラクターにも持たせる方法を探しています。

――最後に、学生や業界志望者へのアドバイスをいただけますか。

若いうちに、楽しいことも辛いことも沢山体験しておいてください。キャラクターや感情を描くための引き出しが増えるのはもちろん、つらいことを乗り越える自信にもなるんですね。そうやってセンスを磨いておかないと技術も本当には身に付かないなと、反省もこめて思います。
それと、体を動かすことで感情や思考も見えてくることがあるので、自分は役者だと思って動いてみることをお薦めします。

――本日はどうもありがとうございました。

インタビュー:野口周三(AMG学院長)
構成:矢野ちえみ、平岩真輔

りょーちも氏

< りょーちも氏プロフィール >
アニメーター、キャラクターデザイナー、イラストレーター。
ゲーム制作会社勤務を経てアニメーターに転身し、『鉄腕バーディー DECODE』『鉄腕バーディー DECODE:02』ではキャラクターデザインと総作画監督をつとめる。ダイナミックな中にキャラクターの内面まで表現する動きと、Flashをはじめとするデジタル技術の導入で注目を集めている。『ノエイン~もうひとりの君へ』(作画監督、原画)、『時をかける少女』(原画)、ゲーム『テイルズ オブ ヴェスペリア』(オープニングムービー原画)など、代表作多数。

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