©CLAMP/CLAMP FES
1998年に『聖伝』でデビューして以来、作家生活22年を迎えるCLAMP。女性4名からなる創作集団の手から生み出される作品は斬新で、ファンを魅了し続けています。
また、2011年9月には「CLAMPフェス2011 TOKYO」も開催し、オリジナルコミック「私立堀鐔学園番外編・転校生にドッキドキ!」も発表されました。
(ライブでオンエアされたモーションコミックにはアミューズメントメディア総合学院の学生も参加しています!)
今回は特別に、創作のヒミツや作品にまつわるエピソードなどを語っていただきました。
4人で描くということ
大川: | デビュー前の関西にいた頃は、違う同人サークルだったんです。いわゆる遊び仲間で、私の家に泊まったりしてましたね。 |
もこな: | 4人でやってみると、色々なことが4等分されるところがいいですね。 |
いがらし: | 関係者の方々やアシスタントさん、編集者さんにも言えないことがあると思うけれど、私たちはチームなので、良いことも悪いことも共有できますね。 |
もこな: | 自分が迷ったときに“どっちがいい?”って聞いたら、返事をもらえるのも嬉しいし。 迷ったらみんなの力を借りられるのは大きいです。 |
どのようにキャラクターを作り込んでいきますか?
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大川: | お話を先に作るので、それに合わせてキャラクターをどうするか考えていきます。発注して、3人と相談していきますが、メインキャラは具体的で細かいです。 『カードキャプターさくら』の時は細かかったですね。たまに、何となく長い髪型にしてくださいとお願いしたことはありますが、基本は指定です。ものすごい細かいこともあれば、適度に軟派そうでよろしくとか……。主役でそれはないか(笑) |
もこな: | 主役ではないかな(笑) |
大川: | 1話しか出ないゲストキャラ、例えば『xxxHOLiC』の依頼人は、今、一瞬で描いてと言ったこともあります。 |
もこな: | 依頼人は毎回女性だから、たまにかぶりますね(笑) |
大川: | あれ?これ前にいたじゃん、あわあわあわ……となったこともありますが、メインキャラはしっかり口頭で説明しますね。ラフもきっちり描いてもらって、オッケー出るまでやりとりします。 |
もこな: | ここで、身長や年齢を決めていきますね。 |
いがらし: | 他には、キャラクター発注のときに頭身まで指定する場合もあります。 |
大川: | 描いてる本人だと絵が変わったか分からないから、私といがらしで確認して、変わっていなかったらやり直してもらったり。 |
猫井: | 自分からすると、いつも同じ絵を描いてる、どれも私だなって思います。 その中で、手数で違いを見せてるっていうか、やっぱりこれも4人でやってるからこそかもしれませんね。 |
もこな: | 私は、『xxxHOLiC』の侑子に苦労しました。あの高い頭身を描いてたら、『こばと。』まで頭身が高くなっちゃったり。描き分けるのが大変でした。だから冷静にチェックしてくれる仲間がいるのは、やっぱり心強いですね。 |
大川: | 本人が意識して変えられる部分と、変えられない部分もあるので、そこは話し合いと調整です。 |
打ち合わせの段階から、画材も決めていますか?
大川: | ペンを変えるだけで印象が違うので、最初の打ち合せで画材まで細かく決めることが多いですね。 『ちょびっツ』だとボールペンで絵を描いたり。 |
もこな: | さすがに印刷所でどういう風に出力されるか分からなかったので、事前に試し刷りしたりしましたね。 |
いがらし: | 『CLOVER』は、紙を変えましたしね。 |
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大川: | 画用紙でしたね。それだけでもだいぶ印象が違います。こんな画材あったよ~とか、色々とみんなで話し合っています。 |
もこな: | 『ANGELIC LAYER』は、猫井さんが教えてくれた、万年筆っぽい太いペンを使いました。 |
大川: | 元々、お話に合わせて描いていくので、この話だと細い線は似合わないだろう、とか相談していきます。カラーの画材も同じ。物語に合わせて重い方が良かったり、逆に可愛く塗った方が良い場合もありますから、そこは臨機応変です。 |
台詞の言い回しや言葉のチョイスについて、メモやネタ帳はありますか?
大川: | 昔はメモを取っていたけれど、デビュー当時ぐらいですね。 今は、ストーリーの流れをメモに取るぐらいで、名台詞をいわせるんだということはないです。 |
もこな: | 座右の銘を繰り出そうってのはないですね。 |
いがらし: | キーワードの台詞くらいかな。 |
もこな: | 大コマなんだろうな、別枠の方がいいんだろうなっていうものは、貰ったシナリオから空間をあけて書いてあるので、今回の肝だとか分かりますね。 |
大川: | 昔はわざわざメモしようっていう気合いがあったけど、すぐに終わったよね。 |
いがらし: | 書いたメモを何用にかいたっけ? と2年後ぐらいに思い出すくらいで。 |
大川: | メモ帳を持ち歩いていたけれど、全く活用されなかったよね。椅子にすわらなきゃだめだし、締め切りがないといけませんね(笑) |
22年の間、立ち止まらず走り続けられている理由は何でしょう?
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大川: | 結局、何かを創るのが好きなんでしょうね。昔、フランスでインタビューを受けたとき、どのくらい働いているかと聞かれたので、正直に答えたら、“それはフランスでは労働違反だ”といわれました(笑)そう考えると、ワーカホリックな部分はあるかもしれません。ただ、機嫌がいいときとか、時間があるときは、“楽しいっ!”って本当に思いながらやってるんですけど。 まあ、夜中の2時、3時になると、“何やってるんだろ……”と思うこともありますが(笑) |
では最後に、今後の展開を教えてください。
いがらし: | 『合法ドラッグ』の新シリーズが11月からスタートします。また、それに併せて新装丁された単行本も発売されます。『GATE 7』の第2巻も出版されますので、よろしくお願いします。って、宣伝ばかりですみません(笑) |
もこな: | アニメのキャラデザインなど、マンガとは違うお仕事もいただけて嬉しいです。 気になる『コードギアス』も楽しみです。 |
猫井: | 8年ぶりぐらいに、『合法ドラッグ』を描くことになりました。またがんばります。 |
大川: | 舞台のストーリー作りなどのお手伝いもさせてもいただいています。 色々なことを企画してくださる方々、何よりも見てくださる皆様に感謝しつつ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 |
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CLAMP先生、インタビューをありがとうございました!
「CLAMPフェス2011 TOKYO」は盛況のうちに終了しましたが、これからもCLAMP先生のご活躍を応援します!
【PROFILE】
CLAMP(くらんぷ)
いがらし寒月、大川 七瀬、猫井 椿、もこなの4名からなる創作集団。
1989年、『聖伝』でデビュー。以来、『東京BABYLON』『X』『魔法騎士レイアース』『カードキャプターさくら』『ANGELIC LAYER』『ちょびっツ』『ツバサ―RESERVoir CHRoNiCLE―』『xxxHOLiC』『こばと。』など、多彩な作品を発表している。現在連載中の作品は、『ジャンプSQ』に掲載されている『GATE7』。そのワン&オンリーの作風から、海外では「COOL JAPAN」の代表格に位置づけられ、絶大な人気を誇る。
★CLAMP公式ウェブサイト
★CLAMPフェスティバル公式サイト