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産学共同プロジェクト・オムニバス小説『御子神さん』ができるまで

映画版『ねこタクシー』DVDがいよいよ発売

大好評だった映画版『ねこタクシー』
11月5日にいよいよDVD発売が決定!

産学共同・現場実践教育を掲げているアミューズメントメディア総合学院では、年間を通して常に学生がプロの制作現場を体感しています。
最近の産学共同プロジェクトとしては、先日劇場版も公開され話題となった『ねこタクシー』のスピンオフ企画が進行中。『ねこタクシー』の猫として登場した「御子神さん」を主人公としたオムニバス小説が竹書房から刊行されることが決まっています。

その作品を執筆するのは、ノベルス学科マスターコースの青葉涼人さん、石井康浩さん、ゆずきさんの3名です。この日は今回作品の監修を担当していただく、ノベルス学科講師の未々月音子(みみづきねこ)先生を交えてのミーティング。これまでに3名が出してきたアイデアを検証しながら、より面白い作品にするための練り上げを行いました。

1匹の猫を軸に、その周囲の人間模様を描く作品のアイデアが次々と発表されます。この日はその中で9個のプロットが選ばれ、それぞれに執筆を進めることが決まりました。

今回『御子神さん』を刊行する竹書房から
小説『ねこタクシー』も絶賛発売中です!

このように、AMGでは「制作現場こそ最高の教育現場」との考えに基づき、エンタテインメント業界とのネットワークを駆使することで、在校生・卒業生に実際の現場で経験を積んでもらいます。

今回は執筆作業真っ只中の3名にインタビューを行いました。

 

■刊行に向けて執筆中の3名にインタビュー

執筆の話が決まったとき、どんな気持ちでしたか?

石井:自分の執筆した作品が世に出ること――これはずっと昔からの憧れであり、夢でした。少しでもそのチャンスがあるのならチャレンジしたい。全力を尽くして頑張ろう!素直にそう思いましたね。

青葉:学校からお話をいただいた時に、「関わってはみたいけれど、正直間に合わせられるかなぁ……」という心配の方が強かったんですね。ただ心配していても始まりませんので、思い切ってアイデア出しに挑戦してみることにしました。

ゆずき:実は、私は昨年『ねこタクシー』のシナリオ執筆にも関わらせていただいたんですよ。またこんな風に産学共同プロジェクトに関わらせていただけるなんてとても嬉しいと思いました。

『御子神さん』のアイデアを考えているとき、どんな所に苦労しましたか?

ゆずき:私は猫を飼ったことがないんですね。自分が全く経験したことがないことを作品にするのは簡単なことではありませんので、苦労しました。

青葉:私、普段はファンタジー小説しか書かないんです。同じ「猫」の小説でも、ファンタジー小説の世界では「猫なんて喋るのが当然でしょ?」みたいな(笑)。自分がこれまでにチャレンジしたことがないジャンルなので、苦労も多かったです。私の場合はまず「日常世界の中の猫」をもう1度考えた上で、その周辺にどうやって人を配置して、どうやって舞台を動かすか?という所から悩みました。

石井:僕の場合は、前々から日常世界を舞台にした作品を書きたいと思っていました。「自分の書きたかったジャンルだから、きっとアイデアも簡単に浮かぶだろう!」とやや楽観視していたのですが、いざ考え出すと浮かぶアイデアはどれも似通ったものになってしまい、苦労しました。しかし、学院の友達を呼んで話し合っているうちにアイデアのヒントをもらったりして、なんとかその煮詰まった状態を乗り越えることができました。

アイデアを絞って立てたプロット。
互いにチェックし、アドバイスを行いました

先生の指導のもと、1つ1つのプロットを丁寧に見ていき、
徐々に具体的な内容へと変わっていきます

 

普段の授業の中で、特に「これは役に立った」と実感することはなんですか?

石井:最初は自分の考えだけで物語のアイデアを大まかに組み立てて行くのですが、過去の授業のノートなどを読み返すと、自分が今なんとなく引っかかっていたところの解決のヒントを得たりすることが多いです。やはり物語の構成を基礎から学べたことがとても良かったですね。

青葉:ちょうど「童話」の授業をしていた時がありました。その授業の時に買っておいた絵本を読みながら今回のアイデアを練っていました。というのも、学院に入ったばかりの頃に講師である鯨先生に「遠山の作品はライトノベルと言うよりは童話に近いよね」と言われたことがあったんですね。その言葉をずっと覚えていたので、『御子神さん』の執筆をすることが決まった時も、「そうだ、童話からヒントを得よう!」と考えることができました。

ゆずき:『御子神さん』はオムニバス小説ということもあり、ネタ出しだけで最低3つのアイデアを出さなくてはなりませんでした。さすがに自分の頭だけで考えていてはアイデアが枯渇してしまいます。なので普段の授業でも言われているように、新聞やテレビなどからおもしろそうなアイデアを拾い上げるようにしています。そのアイデアをストーリーに展開させるときに、学院で学んだことが役立っています。

今日のミーティングを終えての感想をお願いします。

ゆずき:自分だけで考えていると「これで大丈夫だろう」と思っていた部分も、話し合うことで「そうだ、ここも直さなくては」と気付く部分がとても多かったです。やはり自分1人ではなく、第3者の視点からアイデアを精査することは大切だと感じました。

青葉:私は今回のミーティングで、当初書いて来ていたアイデアが跡形もなくなってしまうくらい変化しました(笑)。「こういう話ならこういう風に話が転がる」と1人で考えるのには限界があります。自分が考えていたのとは違うパターンの展開をたくさん聞けて、とてもありがたい気持ちです。

石井:自分が考えてきたアイデアに対してみんなも意見やアイデアを出してくれて、新たな方向性が見えてきた1日でした。こうしたミーティングは本当に大切だと実感しています。

今回指導を担当してくださる未々月音子先生

先生のアドバイスを受けながらメモを取る学生たち

 

では、『御子神さん』刊行に向けて意気込みをお願いします!

石井:不安な気持ちと楽しみな気持ちが入り混じっていますが、ここまで来たら「やってやるぞ!」という気持ちです。期待を裏切ることなくおもしろい作品をお届けできるよう、頑張ります!

青葉:お仕事としてやらせてもらっているからには、締め切りをしっかり守り、納得行く作品を完成させて、次の作品へと繋げて行けるような作品に仕上げたいと思います。

ゆずき:正直言って「商品」としてのプレッシャーも強く感じていますが、せっかくいただいたチャンスをしっかり生かせるように頑張りたいと思います。

最後に、今回3名への指導をしてくださる未々月音子先生からも3名へのアドバイスをお願いします。

未々月:今日の3人の様子を見ていて、「1度出てきたプロットをしっかり練る」ということを忘れていないので、安心しました。
アイデアを出したら出しっぱなしで「後は好きにしてください」という態度ではなくて、自分のアイデアを誰かに見せる。そして意見を求める。意見が返ってくればそれも踏まえてこれから自分の書く物語の目指す所をしっかり探って行く。この姿勢はとても大切なことで、今日の3人はもちろんですがAMGの卒業生や在校生の皆さんが共通して得意とすることだと感じています。こうした共同作業の場では特にその特技を生かしていただいて、今後は更にその力を磨いて行ってもらえたら嬉しいです。

 

いよいよ刊行を秋に控え、執筆も大詰めを迎える3人。
こうして完成した小説『御子神さん』はこの秋、竹書房から刊行予定です。みなさま、お楽しみに!

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