ゲームシナリオのライターを目指している方であれば、マルチシナリオという言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかしドラマや映画など他のシナリオにはない形のため、そのノウハウを学ぶ場というのはあまり多くありません。
ゲームが好きな人であればなんとなくイメージができるかと思いますが、それでもいざマルチシナリオを書くとなればちゃんとした書き方を知っておきたいところですよね。
そこで今回は、マルチシナリオの書き方について詳しくご紹介します。
- この記事の監修者
- アミューズメントメディア総合学院は、東京恵比寿にあるゲーム、アニメ、マンガ、小説、声優などの業界や職業を目指す方のための専門の学校です。小説・シナリオ学科のurlはこちら。
- 小説・シナリオ学科では、1年次から個別で文章力の指導や、発想心理学、アイデア創造、キャラクター造形、世界観設定などを学び、文章作成における基礎を学びます。また2年次では、シナリオやトレンド分析など売れる作家となるための勉強を行っていきます。
- ライトノベル専攻や文芸小説専攻、ゲームやアニメシナリオライターを目指す人のためのアニメ・ゲームシナリオ専攻があり、それぞれのジャンルに特化した技術を学べますので、 是非、体験説明会に参加してみてくださいね!
- 体験説明会はこちら。
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マルチシナリオとは
マルチシナリオとはストーリーが様々に分岐していき、エンディングや場合によってはオープニングも複数通り存在するようなシナリオのことを指します。これはゲームシナリオ特有の形式で、ゲームシナリオの最大の特徴でもあります。
ストーリーの流れの中でプレイヤーが様々な行動や選択をすることによって、ストーリーが分岐し様々に変化していきます。
ゲームではありませんが、例えば誰もが知っている昔話『浦島太郎』を例にしてみます。『浦島太郎』は浜辺でいじめられていた亀を助けた恩返しとして竜宮城に連れていかれるところからストーリが進行していきます。しかし、もし浦島太郎が亀の恩返しを「怖いから」と言って断ってしまったとしたら、その後の話はどうなっていくのでしょうか。
そのような分岐点からあらゆるパターンのストーリーを考え、さらにその先にまた分岐点を作り……とストーリーを幾重にも重ね考えていくのがマルチシナリオの大変なところであり、醍醐味でもあります。
マルチシナリオのパターン
マルチシナリオのかたちにはいくつかのパターンがあります。
それぞれのパターンの特徴を説明していきます。
八の字タイプ
八の字タイプは文字通り、「8」の字のようにストーリーが分岐しては再び交わり、また分岐しては交わり、というパターンのかたちになっています。
八の字タイプの特徴はストーリーに一本の本筋があるというところにあります。ところどころで発生する分岐点でどのような選択をするかによってその直後のストーリーが変わってきますが、ひとくだりを終えると再び元のストーリーラインに戻ります。そのため展開に大きな変化というものはありません。
例えば、朝、会社に行くのに車で行くか電車で行くかという二択が発生します。車を選択すれば途中でガソリンスタンドに寄るというイベントが発生するかもしれませんし、電車を選択すれば駅で偶然昔の同級生に遭遇するというようなイベントが発生するかもしれません。しかし結果的に仕事に行くという目的は変わらないのです。
八の字タイプではエンディングが複数用意されていることが多いです。ストーリー中にどういったイベントをこなしてきたかによって、それに見合ったエンディングになるわけですね。しかし中には、よりシンプルにするためにエンディングも一つだけというものもあります。
作品のボリュームを抑えたかったり、ストーリーをわかりやすくするために八の字タイプを使うゲームタイトルは多いです。ちなみに日本のRPGは一般的にこの八の字タイプが多くなっています。
末広がりタイプ
末広がりタイプの場合、オープニングは一つですがそこから放射状に、または扇が開くようにストーリーが分岐し広がっていきます。
分岐点で分かれたストーリーはそれぞれのエンディングへ向かっていくため、八の字タイプのように一本の筋があるわけではありません。
しかし末広がりタイプの中には分岐して分かれたストーリーラインが横の線で繋がって再び交わるものもあります。そういった横軸の干渉が入ることによってストーリー展開のバリエーションはさらに豊富になります。
横で交わる末広がりタイプの場合、交わった後のそれぞれのストーリーに矛盾が生じないように気をつけなければいけません。
あみだくじタイプ
あみだくじタイプは、複数あるオープニングからあみだくじのようにストーリーが交差しながら進んでいくというパターンです。
ストーリーの交差が複雑になればなるほど、密度が濃く展開に意外性のあるシナリオを作ることができます。
しかしながら最も難しい形でもあるため、かなり細かいところまで気を配って書き進めていく必要があります。複数のストーリーラインが交差するようなシナリオでは小さな矛盾がいくつも起きてきやすく、そういった小さな矛盾はどんどん大きくなっていってシナリオ自体を破綻させてしまう可能性があります。
マルチシナリオの書き方
ストーリーの世界観やキャラクターなどを設定する
まずはゲームストーリーの世界観やキャラクターなどの大まかなテーマを決めます。「近未来」や「戦国時代」などといった時代背景やキャラクターの雰囲気などですね。
ざっくりと決めたら細部を設定していきましょう。時代背景に合わせて適した舞台や季節、またキャラクターに関しては名前や年齢、性格やそれまでの人生などを細かく決め、しっかりと輪郭をかたどっていきます。
起承転結など大まかな構成を決める
マルチシナリオの場合は「承」「転」の部分に関しては特に様々なストーリーが生まれてくるため難しいかもしれませんが、オープニングである「起」とエンディングである「結」に関してはしっかりと決めておくと、その後の執筆がとても楽になります。
プロットを書く
ざっくり決めた構成をもとに、ストーリーの流れを詳細に決めていきます。出来事やそれに関わる人物、また起こる場面などまで書き出していきます。ストーリーが分岐するポイントや分岐後のそれぞれのストーリーもできるだけ整理しておきましょう。
フローチャートを作る
マルチシナリオを書く際に非常に便利な方法が、フローチャートを使った執筆方法です。
フローチャートとは物事の流れを円や方形などの図形の枠と矢印を使って表すもので、元々はプログラミングなどにおいて使われていました。現在では様々な分野で活用され、シナリオにおいてもよく使われています。
ストーリーが分岐していくマルチシナリオには特に勝手が良く、展開が枝分かれしていく様子や分岐するポイントを図面として視覚的にわかりやすく捉えることができます。
枠となる図形の形を「分岐点」や「合流点」などの意味ごとに分けていくとより頭で整理しやすくなりますね。
シナリオを書く
これまで整理してきた情報をもとにシナリオを書いていきます。ナレーション、セリフ、ト書きをベースに、効果音など音響素材も指定していきましょう。
プロットやフローチャートで上手くまとまったと思っていても、いざ書き始めてみると小さな矛盾が出てくることがあります。
プロットを鵜呑みにして書き進めるのではなく、細かな点に注意しながら筋の通ったシナリオを書いていきましょう。
まとめ
マルチシナリオはゲームのシナリオ特有のかたちのため、なかなかノウハウが取り入れづらいかもしれません。
しかし決まった型や流れを理解してしまえば、物語を様々なバリエーションで描き出すことができてとても面白いものですよ。
ぜひマルチシナリオの書き方をマスターして、素敵なゲームシナリオライターを目指してください。
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