本格的に小説を書きたいと思っている方がまず始めに勉強するのが、小説向けの文章の書き方や独特の表現など、「小説というスタイル」とは何か?ではないでしょうか。
普段読書をしていて、小説というものの基本的な形なら知っているという人は多いかと思います。
しかし小説特有の語り口や文体、表現方法などは勉強しなければなかなか身につきません。
ここで小説としての文章の書き方をおさらいしましょう。
- この記事の監修者
- アミューズメントメディア総合学院は、東京恵比寿にあるゲーム、アニメ、マンガ、小説、声優などの業界や職業を目指す方のための専門の学校です。小説・シナリオ学科のurlはこちら。
- 小説・シナリオ学科では、1年次から個別で文章力の指導や、発想心理学、アイデア創造、キャラクター造形、世界観設定などを学び、文章作成における基礎を学びます。また2年次では、シナリオやトレンド分析など売れる作家となるための勉強を行っていきます。
- ライトノベル専攻や文芸小説専攻、ゲームやアニメシナリオライターを目指す人のためのアニメ・ゲームシナリオ専攻があり、それぞれのジャンルに特化した技術を学べますので、 是非、体験説明会に参加してみてくださいね!
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1人称と3人称の違い
小説のセリフ以外の部分、いわゆる地の文では、その語りの視点によって1人称と3人称を使い分けます。
ここでは地の文における語り手の視点、1人称と3人称についてそれぞれの特徴を説明していきます。
1人称の特徴
1人称は小説の世界の人間、つまり登場人物の視点で書かれるものです。
主に主人公およびその他の主要登場人物の視点によって描かれます。
語り手の心情を表現するのに適した書き方です。
しかし一方で物語の世界全体を相対的に描くことができないという特徴もあります。
俯瞰で見ることができないため、どうしても語り手の主観が入った描き方になります。
また語り手以外の人間の心理描写や語り手がいない場面の描写ができないため、場面展開が窮屈になりがちでもあります。
3人称の特徴
3人称は、小説世界の人間ではない第三者の目線で書かれるものです。
作者目線と捉えることもできます。また場合によっては物語の世界の人間が過去を回想しているという体で3人称の形で書かれる場合もあります。
3人称は1人称と対照的に、物語世界を俯瞰で見た客観的な描き方ができ、登場人物全員の心理描写をある程度描くことができます。
しかしそのため、1人称視点と比べると均質的な世界になってしまうという特徴もあり、誰か1人の心情を詳細に描くことには優れません。
また、誰が何を考えているのかなど地の文に様々な人物が出てくるため、煩わしい文章になってしまう可能性もあります。
このような点から、実際に自分が小説を書く時、1人称と3人称どの書き方で書くのが良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
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文体について
地の文
地の文とはセリフ以外の部分のことで、情景描写や心理描写、また登場人物の行動などを表すことができます。
例えば『僕はもの哀しくなって部屋を出た。辺りはすっかり暗くなり、冷え込みが厳しくなっている。』という文の場合、「僕はもの哀しくなって」が心理描写、「(僕は)部屋を出た」が登場人物の行動、「辺りはすっかり暗くなり、冷え込みが厳しくなっている」が情景描写となっています。
小説においてこの3つの要素のバランスはとても重要で、どれかが極端に多かったり少なかったりすると悪文になってしまいます。
また、地の文では時間経過を自由に設定することができるため物語をテンポ良く進めていくことができます。
セリフ(会話文)
セリフは登場人物の発言を表した部分です。
複数の人物の発言を並べることで、今まさに会話が繰り広げられているように描写することができます。
地の文が物語の時間経過を自由に設定できるのに対し、会話文ではリアルタイムで時間が経過するという特徴があります。
シナリオ(脚本)とは違い、小説ではセリフの冒頭に発言者の名前を記しません。そのため、会話文だとしてもあまりに特徴のないセリフが並んでいると誰の発言かわからなくなってしまうため、発言の順番やタイミングに関しては注意が必要です。
また、地の文と組み合わせることによってよりテンポよく登場人物同士の会話を描写することができます。
更に小説としてのクオリティを高めたいなら、実際にプロの小説家から指導を受けながらプロット作りから学ぶのが一番です。
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表現方法
描写
人の心理や行動、物の状態、環境など、物語の中で起こっていることを文章で表現することです。
ただ説明するだけであれば簡単ですが、これを文学的に表現するというのがなかなか難しいところでもあります。
例えば「かすかに吹く秋風に紅葉した葉を揺らすポプラ並木。眩しげに眼を細め、穏やかな表情でゆったりと歩く彼女の姿に、僕はただただ見惚れていた。」という文章であれば、起こっている事柄を端的に述べると「紅葉したポプラ並木を歩く彼女の姿に僕は見惚れていた。」だけになります。
しかし葉が揺れている様子や彼女の表情、また「ただただ」という言葉で修飾するだけでがらりと印象が変わりますね。
形容
物の姿や性質、様子などを言葉で表すことです。
描写と似通ったところがありますが、描写の中に形容が含まれていると考えて問題ありません。
上の例文でいうと、「かすかに」「眩しげに」「穏やかな」「ゆったりと」などが当てはまります。
形容が入ることによって情景がより鮮明に浮かび上がってくるため、とても重要な要素だと言えますね。
比喩
比喩は、物事を例えを使って表現する手法です。
小説には欠かせない文学的な表現ですが、使いすぎてしまうとわかりづらい文章になってしまう可能性があります。
バシッと一言で言い得てしまうと大変好ましいですね。
例えば「彼女の心の穴は大きかった」という表現では、彼女の心に実際に穴が空いているわけではありませんが、彼女が抱えているものの根深さがとてもよく表れていますよね。
表現
文芸の世界には様々な表現がありますが、中には小説において好ましくない表現というものもあります。
ここで避けるべき表現を確認しておきましょう。
(以下でご紹介する一部は「ライトノベル」のジャンルにおいては当てはまらない場合があります。)
二重表現
例
「頭痛が痛い」
「再び再会する」
顔文字
例
「帰ってきたら机の上のお菓子がない(´・ω・`) 」
感嘆符連打
例
「どうしたの!!!!!!!!」
「え??? なに??」
三点リーダー連打
例
「そこで僕は言ったんだ…………」
ダッシュ連打
例
「そこで僕は言ったんだーーーーーー」
長すぎるダッシュ&三点リーダー
例
「俺は――――――――――――――――」
「俺は…………………………………………」
体言止め連打
例
「あいつは馬鹿。基本的なことができない。だから失敗は確実。今さら頑張るだけ無駄。もうどうしようもないとしか思えない」
会話文頭の疑問符、感嘆符
例
「? なんだ?」
「! そうなのか!」
記号のみの会話文
例
「お前がやったのはわかっている」
「……!」
刑事、黙って背を向ける――
「――!」
効果音を擬音で書く
例
「――どか! ズガガガガガガ!」
言い回し
言い回しというのはある事柄を表す様々な言葉、文章の表現のことを言います。
例えば「彼は言った」という言葉でも「彼は口に出した」や「彼は言葉にした」など多様な言い回しがあります。
言い回しというのは作家の特徴が非常によく現れる部分でもあり、有名作家には独特な言い回しを使う人も多いです。
魅力ある言い回しは小説家の才能の一つとも言えるでしょう。
また、プロの小説家として求められる表現方法を知りたいなら、まずは実際にプロの小説家に見てもらうことが大切です。
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まとめ
小説を書く上での基本的な形や表現方法は分かりましたでしょうか。
小説には小説にしかない表現があり、皆さんが作る物語にさらなる魅力を添えてくれます。
これからさらにたくさんの小説表現を学んで、ぜひ執筆に活かしましょう。
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