アニメーターや脚本家、監督や声優など、多くの人がアニメーションの制作に関わっています。
アニメーターはその中でも、キャラクターを含めた作画を担当するのですが、人間は、視覚が最も情報を得る感覚であるとされています。
ですので、視覚に訴える作画を担当するアニメーターは、アニメ制作において、とても重要な存在と言えます。
また、日本のアニメ市場(アニメとそこから派生する関連市場)の総計は過去最高を更新し、盛り上がりを見せています。
2022年11月8日、2021年の日本アニメの関連市場統計を集計した最新数字が、過去最高の2兆7422億円であることが日本動画協会から発表されました。
2021年の推計は前年比で13.3%増えており、今までの最高額であった2019年の2兆5145億円を大幅に超える結果になりました。
このように盛り上がりを見せるアニメ業界でアニメーターとして働きたいという方のために、なるための方法や能力など、アニメーターに関わる様々な情報をご紹介します。
- この記事の監修者
- アミューズメントメディア総合学院は、東京恵比寿にあるゲーム、アニメ、マンガ、小説、声優などの 業界や職業を目指す方のための専門の学校です。アニメーション学科のurlはこちら。
- アニメーション学科では、動画/原画などを作るアニメーターやアニメ監督を目指すための「アニメーター・監督専攻コース」と、シナリオライターや、演出、制作プロデューサーを目指すための「制作・プロデューサー専攻コース」があります。講師は「機動戦士Zガンダム」で作画監督を担当する内田順久先生や、「マクロス7」で監督を務める網野哲郎先生など、現場で活躍している方が多くおり、生徒一人ひとりの成長を丁寧に指導しています。
- 体験説明会では実際にアニメをゼロから作ってみる講座などをやっていますので、ご興味がある人が是非参加してください!
- 体験説明会はこちら。
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目次
アニメーターになるにはスキルを身に付けることが大切
アニメーターに1番に求められるのは、イラストを描く技量、つまり画力です。
ですので、画力さえあればアニメーターになるのは不可能ではありませんが、就職できるだけの技量を身に付けるのは、容易ではありません。
そのため、アニメーターを育成する専門学校や美術大学などで腕を磨くことが、なりたいという夢を叶える一般的な道のりになります。
アニメーターになるには?一般的な4つの進路
アニメーターになるには、専門学校か大学か短大か、進学先を迷っている人も多いでしょう。
アニメーターになるには、主に4つの方法があるので、ご紹介していきます。
専門学校からアニメーターになる
先程も述べたように、アニメーターになるには、専門学校から就職する事が一般的な道のりです。
専門学校であれば、描く技量を向上させるために様々な講義を実施しているだけでなく、少なくとも2年以上、イラストを描き続ける事になります。
ですので、専門学校は、やる気さえあればどこまでも自身の技量を向上させられる土台が整っているのです。
大学に比べて、学費を安く抑えられるのも魅力です。
また、専門学校は専門職を育成する学校であるため、アニメーターとしての就職にも強い特徴があります。
大学からアニメーターになる
技量を高められる大学や美術大学であれば、大卒の資格を得つつ、アニメーターになる道を歩むことができます。
以前までは専門学校から就職する事が一般的でしたが、最近では、大学を卒業してアニメーターになる方も増えています。
大学に通うメリットしては、卒業のために一般教養の講義を受講する必要があるため、絵の技量を上げつつ、視野を広げやすいという事です。
短大からアニメーターになる
アニメーターに必要な知識やスキルが学べる短大も存在します。そのような短大に通って、アニメーターを目指すのも1つの手です。
大学の通学期間が4年間なのに対して、短大は2年間なので、最短でアニメーターを目指せると言えます。
専門学校の通学期間も2年間なので、どちらに通うべきか迷う人もいるでしょう。
短大は専門学校と比べると、幅広い分野を総合的に学ぶ傾向にあります。
一般的に、アニメーター志望の人は専門学校に通うことが多いので、短大に興味がある人は、様々な学校やスクールを見比べてみると良いでしょう。
独学でアニメーターになる
画力さえあれば、独学で制作会社などに就職して、アニメーターになることが出来ます。
ですが、専門学校や大学のように画力を高められる環境に身を置いている訳ではないので、独学では行き詰まる可能性があるのは否定できません。
それでも、独学で絵を描く技量を高め、アニメーターになりたいという夢を叶えている方は、少数ですが存在します。
自らの画力に自信のある方は、制作会社などに積極的に売り込んでみましょう。
アニメーター専門学校の選び方
アニメーターになるには、アニメ専門学校から就職するのが一般的と解説しました。
アニメーターを目指せるアニメ専門学校はたくさんありますが、学校選びの時に気を付けるポイントは次の3つです。
就職実績
アニメーターになれるかどうかは、就職実績を見て判断しましょう。
将来、自分が就職したいアニメスタジオや、有名作品を制作しているアニメスタジオの就職実績がある学校を選ぶのがおすすめです。
就職実績がある企業は学校とつながりがあり、就職できる可能性が高いでしょう。
目指せる職種がたくさんある学校か
アニメ専門学校は、アニメに関する学科や専攻が複数ある学校を選ぶと良いでしょう。
アニメ制作に関する職種はアニメーター以外にもたくさんあり、さまざまな職種が協力し合ってアニメが作られています。
そのため、学生のうちからさまざまな職種と共同で実習ができると、大きな強みになります。
学校の雰囲気
インターネットやパンフレットである程度学校の情報を集めたら、実際にいくつかのアニメ専門学校へ行ってみましょう。
オープンキャンパスでは授業の様子や、先生と在校生の先輩の雰囲気を見ることができます。
オープンキャンパスに参加して、自分に合った学校を見つけましょう。
学費
アニメーターになるための学校、スクールを選ぶ際には、学費も大きな決め手になるでしょう。
学費は専門学校、大学、短大で異なり、さらに学校によって様々です。
初年度に必要になる学費は、専門学校の場合は約72万円〜約165万円、大学・短大の場合は約120万円〜200万円と差があります。
平均すると専門学校の方が、学費が安い傾向にあるので、通いやすいと言えるでしょう。
カリキュラム
学校・スクールを選ぶときには、授業のカリキュラムもよく確認しましょう。
その学校のサイトを見てみると、どんな授業があるのか、授業で大切にしているのはどんなことかといったことが書いてあるはずです。
学校やスクールによっては、在学中に企業の案件に関わったり、インターンシップに参加できたりと、貴重な体験ができるカリキュラムが用意されていることも。
自分が学びたいことが、しっかりと学べるかどうかを事前に知っておくためにも、カリキュラムは確認しておきましょう。
業界とのコネクションがあるか
アニメーターの学校やスクールを選ぶときに、アニメ業界とのコネクションがあるかどうかをチェックしておくことをおすすめします。
学校やスクール自体が業界と強いコネクションをもっていると、在学中から業界の著名の方やOBOGの先輩と交流する機会が増えます。
また、就職のチャンスも増える傾向にあるのが、メリットです。
学校やスクールがある企業と提携して現場教育やセミナーなどを行なっている場合、その学校・スクールは業界とのコネクションが強いと言えるでしょう。
アニメーターに必要な能力
画力
アニメーターにまず求められる能力は、画力です。画力と言っても、ただ漠然と絵が上手に描ければ良いわけではなく、絵に関する総合的な知識と技術が必要になります。
具体的には、人物や物体をリアルに描くためのデッサン力や造形力、お手本を忠実に再現できる模写力、キャラクターの詳細な動きを再現できる構成力などです。
アニメーターに必要なこれらの画力を全て独学で習得するのはかなり難しく、得意な分野と苦手な分野に差が出てしまいます。
また、アニメーターに求められるのは、個性的な絵を描く技術ではなく、設定された画風に合わせて絵を描くことです。
ただ闇雲に絵の練習をしても、アニメーターとしてのスキルは身につきにくいでしょう。
アニメーターに必要な画力を身につけたいのであれば、アニメ専門学校やスクールに通うことをおすすめします。
空間認識能力
アニメーターにとって、画力と同じくらい重要なのが、空間認識能力です。
作品の画風にもよりますが、アニメでは一般的に、キャラクターや背景を立体的に描き起こす必要があります。
描く対象物を三次元的に捉えて、キャラクターの位置や姿勢、向き、物体の形状、他のキャラクターや背景との距離感などをリアルに正しく認識することができると、立体的で躍動感のある絵になります。
空間認識能力も、画力と同じく意識して練習を繰り返すことで、身につけなければなりません。
演出家の意図を汲み取る力
アニメーターは、演出家の指示に基づいて絵を描いていきます。
最初に演出家がキャラクターの動きや表情を決定し、アニメーターが描く絵によって、キャラクターが演技をすることになります。
そのためアニメーターには、演出家の意図を汲み取って絵を仕上げる能力が必要です。
演出家のイメージを絵として描き上げるために画力が必要なのはもちろんですが、演出家が何を求めているのかを考える力やセンスも不可欠と言えます。
忍耐力
アニメーターは、忍耐力が必要不可欠となる仕事です。
アニメ制作の現場は忙しいことが多く、残業や休日出勤をすることも珍しくありません。
アニメーターの下積み期間も長く、20代前半の経験が浅い新人の場合は、先輩に修正をしてもらいながら絵を描いていくため、月収も少なくなります。
楽とは言えない仕事を、根気良く続けられる情熱が重要です。
作業スピード
30分枠のアニメを1本作るために、4,500~7,000枚ほどの絵が必要になると言われます。
アニメーターは限りある時間の中で、毎日着々と絵を仕上げなければなりません。
1人のアニメーターが、1日に描き上げなければならない絵の枚数は、経験値によって異なります。
経験が浅いうちは10〜20枚ほどが目標になり、仕事ができるようになると30枚、40枚と、目標が高くなっていきます。多い人は1日で50枚ほど描くこともあるようです。
そのためには、絵のクオリティを落とさずに、素早く絵を描くことができる能力が必要になります。
コミュニケーション能力
アニメーターには、コミュニケーション能力も求められます。
アニメーターは、1人でひたすら絵を描く仕事というイメージが強いかも知れません。
しかし、アニメ作品を完成させるためにはチームワークが重要です。
原画を描く原画マン、動画を描く動画マン、背景を描く背景美術というように、それぞれが連携を取って仕事を進めて行かなくてはなりません。
チームで何かをするのが苦手な人は、今のうちに人と何かを作ることに慣れてことをおすすめします。
専門学校やスクールでは、実際の現場のような環境でアニメ制作を学べるため、コミュニケーション能力を養う良い機会になるでしょう。
アニメーターの適性(向いている人)について
アニメーターになりたいと思い、目指している人は依然として多いのですが、なるためにはいくつかの適性があります。
絵を描くことが好き
まず1つ目は、絵を描く事が何よりも好きである、という事です。
アニメーターは、ひたすらに絵を描き続ける職業なので、絵を描く事が好きでないと、そもそも続けるのは容易ではありません。
そして、絵を描く事が好きである人の方が、アニメーターになるために必要な画力を、総合的に高めることに関心が高いです。
責任感がある
次に2つ目は、責任感があるかどうかです。
アニメーション作りには、多くの人が関わっており、作画を担当するアニメーターも例外ではありません。
もしも自身に任せられた作業が遅れてしまったら、後の工程に携わる人を含め、多くの人に迷惑を掛けてしまいます。
また、画面を通して人に見られるからこそ、作画崩壊と呼ばれてしまうような絵を描く事もしてはいけません。
だからこそ、責任感を備えている人の方が、アニメーターに向いていると言えるのです。
アニメーターのスキルを上達させる方法
アニメーターとして上達する方法は、シンプルに描き続ける事です。
その方法でしか画力の向上は望めませんが、注意するポイントとしては、何も考えずにひたすらに絵を描き続けるのは危険という事です。
例えば、人体の絵を描く時には、自然に見えるように人体の構造を理解した上で、筋肉や骨格を意識しながら描く必要があります。
また、もしも自分が苦手な構図やポーズがあるとしたら、克服できるように描き続けましょう。
アニメーターは様々な絵を描かなければならないので、苦手な部分を少しでも無くしていけば、アニメーターとしての成長を望めるようになります。
そしていつしか、作画監督という、アニメーターとしてはこの上ない立場を目指せる可能性も現実味を帯びてきます。
アミューズメントメディア総合学院に通うメリット
アミューズメントメディア総合学院では、アニメーターに必要な画力を総合的に高めるために、多角的な観点からアプローチした講義を多数実施しています。
まず1年次では、デッサンや作画、美術パースやデジタル技術などを含めたアニメーション全体について学んでいきます。
2年次にアニメーター専攻に進めば、より画力を高める事に重点を置いた講義を受講できるようになります。
いずれの講義にしても、バランス良くカリキュラムを組んでいるので、過不足なく総合的に画力を向上できる内容となっています。
また、アミューズメントメディア総合学院では、デジタル技術もきちんと習得できるような講義も実施しています。
現在はデジタル技術も求められるようになっているので、アニメーターを目指す方がデジタルとアナログ、両方の技術を習得できるようにサポートします。
そもそもアニメーターってどんな仕事?
ここまでアニメーターになる方法を紹介しましたが、そもそもアニメーターはどんな仕事なのかよく知らない人も多いかと思います。
ここからは、アニメーターの仕事について詳しく紹介します。
アニメーターの仕事内容
アニメーターは、アニメーションの制作において、キャラクターや背景等の動きを作画するお仕事です。
作画をする際には、ストーリーや企画にきちんと沿った絵を描くことが第一に求められます。
また、アニメーターは絵の中でも原画と動画をそれぞれ担当することになっており、新人の場合は、まず動画を担当する事が一般的です。
動画とは、原画と原画の間を埋める絵の事を指すのですが、経験を積んで次第に実力を身に付けていけば、原画を任せられるようになります。
原画とは、アニメーションの中でもキーポイントとなるような絵を指します。
原画を担当する原画マンになるまでには個人差がありますが、画力次第では2年目から描ける事もよくあります。
そのためには、苦手なポーズや構図などを極力減らしていき、画力を総合的に高めなければなりません。また、デジタル技術も習得していた方が、その分可能性も広がります。
さらに、原画マンから経験を積むことによって、作画監督を目指すことも可能です。
作画監督は、原画のチェックと修正をして、作品の統一性を高める役割を担う、作画における最高責任者です。
アニメーターの勤務状況
以前までは、アニメーターを目指す方が多かったのですが、労働環境の過酷さから、直ぐに離職する方も多い状況でした。
1枚あたりの絵の単価報酬が少なく、労働時間に見合っていない、というのが主な理由で、業務形態やシステムが問題視されていました。
しかしながら、この状況を改善しようと多くの方が声を上げ、制作会社やあらゆる機関も改善に動いています。
徐々にですがそれらは実を結び、制作会社もデジタル技術も取り入れることで業務の効率化を図り、アニメーターの負担が以前よりも軽減されています。
アニメーターを目指しなりたいと思っている方のために、働き方改革が追い風になる事もあって、これからも更なる改善が期待できます。
アニメーターの収入
従来までのアニメーターは、業務委託契約で働くことが多く、基本的に給料は歩合制でした。
そのため、正社員や契約社員として就職しないと厳しい、という状況が続いていました。
実際にアニメーターの平均収入は、約330万円と言われています。
しかしながら現在は、アニメーターになりたいという夢を叶えた若い人が離職しないように、労働環境や社員登用制度を見直す制作会社が増えています。
ですので、どの制作会社に就職するかが、今後の鍵になってきます。
またアニメーターも実力の世界なので、実力がないと厳しい業界である事には変わりありません。
ですが、それは逆に、実力さえあればそれだけ選択肢が増えるという事を意味しますので、自分に合った制作会社に就職できる可能性が上がります。
アニメーターのやりがい
アニメーターを目指し、実際になりたいという夢を叶えた人は、仕事を続けていく上で、いくつものやりがいを感じています。
アニメーターは、アニメや絵を描く事が好きという方がほとんどです。なので、好きな事を仕事にしているからこそ、その時点でやりがいを感じています。
また、自分の描いた絵が、アニメーションとして動いている瞬間を見て、感激してしまう人もいます。
そして、アニメーターとしての何よりも大きなやりがいとされているのが、自分の成長を身をもって実感できる事です。
アニメーターとして働いているうちに、絵を描くスピードと質は自然と向上していきます。
その果てに、動画を担当するグループのリーダーになったり、もしくは原画を任されるようになります。
時間は相応に費やさなければなりませんが、いつしか作画監督や総作画監督になれる日も訪れる可能性があります。
立場が変わっていけば、その分その立場に応じたやりがいを見出せるようになるのではないでしょうか。
アニメスタジオについて
アニメーターの就職先と言えば、アニメスタジオが一般的です。
アニメスタジオとは、アニメ制作会社のことを指し、主に3種類に分類されます。
企画から制作までを担う元請や、元請けから制作業務の全般を請け負う下請け(グロス請け)。
そして、作画や背景美術など、制作過程別に業務を請け負う専門スタジオの3つです。
アニメーターであれば、いずれのタイプの制作会社であっても就職は可能ですが、やはり重要なのは労働環境です。
労働環境が見直されている会社もあれば、見直されていない会社もあるので、アニメーターとして就職する際には、その点に留意する必要があります。
アニメーターになるには何をすべき?
今すぐできる!アニメーターになるために必要な3つの訓練を紹介します。
デッサンの練習
デッサンは基礎画力を磨き上げるのに、効果的な練習方法になります。
デッサンは、数多くの専門学校でも講義として行われており、デッサンをすることで、立体感や観察力の底上げが見込めます。
そのため、基礎画力の向上だけでなく、アニメーターとしての土台を作り上げることにも、デッサンは大きく寄与しています。
デッサンは、専門学校に入学する前でも独自で出来る事なので、アニメーターになりたいと考えて目指している方は、日々するようにしましょう。
クロッキーの練習
アニメーターには、絵を早く描く技術が求められるので、クロッキーの練習もおすすめです。
クロッキーとは、人や動物、静物などの対象物を素早く描くことで、速写とも呼ばれます。
目標時間は3〜10分ほどなので、デッサンとは異なり、細かい描き込みはしません。
クロッキーの練習を行うことで、限られた時間の中で、対象物の特徴を素早く的確に捉える力が養われます。
デッサンに慣れてきて、絵を描くことが習慣になったら、ぜひクロッキーの練習もしてみましょう。
デジタル技術の習得
現代のアニメーターには、作画の際に必要となるデジタル技術が求められます。
具体的には、RETAS STUDIOやPhotoshop、CLIP STUDIO PAINTやTVPaint、Toon Boomなどのソフトを使用しなければなりません。
独学で習得することもできますが、専門学校であれば、バランス良くカリキュラムを組んでいるので、総合的にデジタル技術を身に付けられるようになります。
アニメーターを目指している方は、デジタル技術の習得も、念頭に置いておきましょう。
苦手を克服する
アニメーターは様々な絵を描かなければならないからこそ、特定の物体や構図、ポーズなどに対して苦手意識を持たないようにする必要があります。
アニメーターを目指すからには、そこは避けては通れません。
アニメーターになる前に極力苦手意識を減らすことが叶えば、実際に働き始めた際には、ひたすらに技量を高めることに集中でるようになります。
多くの映像作品を観て研究する
アニメーターを目指すなら、絵の練習だけではなく、様々な作品を観て感性を豊かにしておくことも大事です。
流行りのアニメはもちろん、世界的な賞を受賞した映画やテレビドラマなど、多くの作品に触れてみてください。
映像作品を鑑賞する際に、ただ楽しむために観るのではなく、制作する側の視点で観れる目を養うことが大切です。
世界的に認められた作品の素晴らしいポイントや、話題のアニメが流行る理由、多くの人の心を掴むテレビドラマのストーリー展開や台詞などについて考え、分析してみましょう。
多くの映像作品を鑑賞していくうちに、アニメの効果的な演出方法を考える力が身に付くはずです。
アニメーターになる為の練習方法とは?知っておきたい情報まとめ
アニメーターの資格
アニメーターになるには、何か特別な資格が必要とされる訳ではありません。
しかし、アニメーターの業務に関係する資格はいくつかあります。
資格を取得すると、就職活動が有利になる可能性がある他、資格を取得するための勉強がスキルアップにつながるというメリットも。
アニメーション実技試験
CGアニメーション制作に関する実技試験です。
CGアニメーターの業務をリアルに再現した試験で、課題を制作し、さらにCGプロダクションが採点やフィードバックを行ってくれます。
CGクリエイター検定
2DCGと3DCGの知識やスキルを問われる検定です。
3DCG制作ができるアニメーターの需要が増えているため、2DCGと3DCG両方の制作スキルを持っていると強みになります。
色彩検定
色彩検定とは、公益社団法人色彩検定協会が認定する資格で、色彩に関する知識や技能レベルが問われます。
配色に関する理論や、色彩が人や社会環境に与える影響などについても、学ぶことが可能です。
1級、2級、3級とあり、1級が最上位資格です。また、色覚特性や加齢に伴う色の見え方を学ぶUC(色のユニバーサルデザイン)級という資格も存在します。
なぜあなたはアニメーターになりたいのか?
どの業界にも言えることではありますが、アニメーターになるための道を歩む上で、辛い事や嫌な事が降りかかる可能性があります。
また、実際にアニメーターになったとしても、そういった事が訪れる可能性も十分にあります。
そんな時に支えてくれるのが、なぜ自分はアニメーターになりたかったのか、という理由と想いです。
アニメーターを目指す理由は人それぞれですが、そこに強い想いが宿っていなければ、なるのは難しいです。
しかしながら、強い想いが備わっていれば、専門学校であれ制作会社であれ、それはとても大きな武器になります。
ですので、アニメーターになりたいと思った理由と想い、その2つを常日頃から意識する必要があります。
アニメ業界の将来性について
アニメの市場は拡大の一途を辿っているのですが、反対にアニメーターを始めとした業界の労働環境が過酷だと言われていました。
過酷な労働環境が構築されてしまった理由はいくつかあるのですが、最近では、それに異を唱える多くの方が声を上げています。
制作会社によっては、作画の過程にデジタル技術を取り入れる事で、業務の効率化も図られています。
そして、働き方改革が標榜される現在、以前からアニメーターの労働環境が問題視されている事もあって、待遇改善に追い風が吹いています。
アニメ業界の労働環境が改善されつつあるだけでなく、これからのアニメーターには、デジタル技術も求められるようになります。
職種別のアニメの就職方法
最後に、アニメーター以外の職種を目指す方法について紹介します。
背景美術になるには
アニメーションの雰囲気や世界観を決定付けると言っても過言でないのが、背景美術です。
作品の世界観を決定付ける「美術設定」や、世界観のイメージを描き出す「美術ボード」。
そして、背景画を描く「背景」の3種類が、背景美術の主な仕事内容になります。
背景美術になる方法は、専門学校や美術大学に通い、背景美術会社への就職を目指すのが一般的です。
色彩設計・色指定になるには
アニメーションを作る過程における色彩設計・色指定とは、その名の通り、キャラクターや背景などの絵に、色彩を設定して彩色するお仕事です。
色彩は、見てくれる人の印象を左右するだけでなく、映像そのもののクオリティーを底上げする要素となるものです。
実際に彩色する人はペインターと呼ばれ、ほとんどの人はペインターからキャリアを積み、色彩設計・色指定の仕事をやれるように目指しています。
色彩設計・色指定になる方法としては、相応の技量を身に付けなければならないので、専門学校に通って目指すのが一般的です。
色彩検定を取得すると、色彩設計・色指定としてのスキルアップが望めるでしょう。
制作進行になるには
制作進行とは、アニメーションを作る過程において、納期までのスケージュールを組んで、進行を管理する職業です。
アニメーターの確保や、監督や演出との調整などを行い、最後には作品を納品しなければなりません。
制作現場に指示を出すのも、制作進行の大切な仕事です。
制作進行になる方法は、アニメ制作会社に就職する事が一般的で、未経験でも採用される可能性が充分にあります。
また、アニメーションの専門学校でしっかりと知識などを吸収した上で、就職を目指す人もいます。
プロデューサーになるには
制作現場におけるプロデューサーとは、アニメーション作りの大黒柱、と言っても差支えはありません。
アニメーションを制作するにあたって必要な原作や監督を選定するだけでなく、画力のあるアニメーターも登用できるのが、プロデューサーです。
他にも、制作費の調整や売り上げを伸ばす施策の考案もプロデューサーの仕事なのですが、だからこそ、相応の責任ものし掛かってきます。
プロデューサーになる方法としては、制作進行から経験を積んでいき、立場が上がって制作デスクになってからも、更に経験を積むのが一般的です。
アニメ監督になるには
アニメーション制作の総責任者とも呼ぶべき存在であるアニメ監督を目指している方は、多いのではないでしょうか。
アニメ監督の仕事は、絵コンテを書いたり、演出や作画監督との打ち合わせ、レイアウトや原画のチェックなど、多岐に渡ります。
制作のトップであるからこそ、大きな責任も伴ってきますが、非常にやりがいのある職業です。
アニメ監督になる方法としては、アニメーターや制作進行、演出などで経験を積んで任命されるケースや、自ら企画を立ち上げるケースがあります。
アニメ監督を目指すための重要な要素としては、アニメーション制作における作画などの各制作セクションについての技術を知ることです。
知っていれば、制作過程の全体をより見渡せるようになりますし、リーダーシップを発揮しやすくなるからです。
まとめ
アニメーターになりたいと考え、目指している方は多くいます。
そして、アニメーターになるには、専門学校や美術大学の入学が、なる方法の1つとなります。
業界の労働環境は改善されつつあるので、是非とも、なるための道を歩んではみませんか。
東京でアニメーション業界を目指されている方は「アミューズメントメディア総合学院」で学びませんか?
東京のアミューズメントメディア総合学院のアニメーション学科は、就職希望者内定率が7年連続100%を達成しています。「絵を仕事にしたい!」という方のためのアニメーター専攻と、「沢山の人に影響を与える作品を創りたい!」という方のためのアニメ監督・演出専攻があります。また第一線で活躍中のプロが直接指導。少人数制で講師と学生の距離が近いから、一人ひとりに合った指導を行うことができます。ご興味がある方は以下のリンクをご覧ください。
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監修・運営者 | アミューズメントメディア総合学院 アニメーション学科 |
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