
アニメーターという仕事は人気の高いですが、アニメ業界の現状についてあなたは知っていますか?
実は、海外への動画受注や3DCGの使用の増加など、毎年少しずつアニメ業界の様子が変化してきています。
今回は、今からアニメーターを目指す人には知っておいてもらいたいアニメ業界の現状についてお話ししていきたいと思います。
- この記事の監修者
- アミューズメントメディア総合学院は、東京恵比寿にあるゲーム、アニメ、マンガ、小説、声優などの 業界や職業を目指す方のための専門の学校です。アニメーション学科のurlはこちら。
- アニメーション学科では、動画/原画などを作るアニメーターやアニメ監督を目指すための「アニメーター・監督専攻コース」と、シナリオライターや、演出、制作プロデューサーを目指すための「制作・プロデューサー専攻コース」があります。講師は「機動戦士Zガンダム」で作画監督を担当する内田順久先生や、「マクロス7」で監督を務める網野哲郎先生など、現場で活躍している方が多くおり、生徒一人ひとりの成長を丁寧に指導しています。
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- 体験説明会はこちら。
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アニメーターの現状の働き方とは
近年アニメ業界では、アニメーターのメインの仕事でもある「動画」の作業を韓国や中国などの海外の制作会社に任せているケースが増えています。
アニメ制作費が減り続けている中、日本よりもとても安い人件費でアニメを制作できるというのが一番大きな理由ですが、その結果、日本の動画マンの育成が停滞してしまうことが危惧されています。
アニメーターは、技術職なので経験を積みながら実力が上がっていきます。
そのため、作画の基礎となる動画部分は本当なら新人アニメーターが受け持つべき仕事なのですが、特に中小の製作会社ではこのような傾向にぶち当たっています。
一方デジタル機器を使ってアニメーションを作る3DCGは年々増えてきています。
アニメの専門学校でも3DCGの授業が増えているようですが、アナログの手描きには手描きの良さや魅力があり、全てがデジタル機器に代わってしまうことはないでしょう。
コンピューターが発達した時代だからこそ、手描きで十分な作画ができる才能を持ったアニメーターの育成が緊急課題と考えられています。
アニメーターの仕事が不安視される理由
収入が低くなりやすい
若手のアニメーターは収入が低くなりやすいです。
若手のアニメーターがなぜ低収入なのかというと、その実態は1人前になるのに3年かかるといわれているからです。
アニメーターの多くは給与形態が完全出来高制や出来高+固定給とされています。
そのため入って間もない新人は、一枚の絵を書き上げるのに時間がかかり、多くの枚数を描くことが出来ないために給料が安くなってしまいます。
フルタイムで働きながら十分な賃金がもらえない「低収入状態」が続いていることも大きな問題とされています。
制作費が少ない
アニメは制作費が安いといわれています。
その理由は、日本で連続テレビアニメが作られ始めた頃からアニメ業界の”低制作費、低賃金”体質は始まっていたようです。
当時のアニメ制作会社は、格安で仕事を請け負っていました。そして、出資するテレビ局やスポンサーは「アニメは安価で作れるもの」と認識し、それが定着して今に続いてきているのです。
不況によりアニメ制作費を一社でまかなうスポンサー企業が激減し、複数の企業が共同で出資する「製作委員会方式」というシステムができました。
これにより制作費の集めやすくなっただけでなく、そのアニメが失敗した時のリスク分散もできるようになりました。
しかし、数社が出資に絡んでいるため、新しいアニメの企画は確実に当たる作品でなければ製作しにくくなりました。
その結果、人気のある小説やマンガが原作のアニメが増え、反対に制作会社のオリジナルアニメは減少し、制作会社が稼ぎにくくなったのです。
また、アニメ業界特有の階層構造もアニメーター の収入や労働環境が悪化する要因になっています。
アニメ制作の現場には、まずテレビ局や広告代理店から直接アニメ制作を発注される「元請け」と呼ばれる制作会社があります。
しかし元請け会社の多くは、下請けの制作会社に各話の制作を任せるケースが多いです。
しかし下請けの会社も人手や制作能力に限界があるので、さらに下請けの会社、孫請けの会社に発注をかけることになります。
つまり中間業者が多数存在し、現場にアニメーターには微々たる金額しか渡って来ないのです。
収入は出来高制
実は、アニメーターの多くはフリーランスとして働いています。
フリーランスのアニメーターは出来高制で描いた分の収入のみを受け取るシステムになっています。
アニメ制作の際はテレビ局や出版社、広告代理店などからなる”製作委員会”が発足されますが、グッツ販売等による収益は全て製作委員会に出資した企業の元に入り、どれほどヒットしようとアニメーターの報酬額は変わりません。
長時間労働
アニメーターは労働環境が悪化しやすい状態にあります。
アニメーターのアンケート調査では、平均労働時間は12.4時間で月間の残業時間は80時間以上の回答が半数を占めており、制作進行の労働時間が長時間に及んでいます。
業務の負担に関連して、アニメーターとの関連性が、制作進行の動き方に大きな影響を与えており、各部門のスケジュールが合わないことにより作業が遅れることが多々あるそうです。
労働条件が改善された内容とは
労働条件の改善の動きも見られています。
労働時間の長さは基本的に制作進行の業務の性質から生じてきているのだと考えられるので、業務内容が改善できれば時間短縮にもなるでしょう。
例えば素材のやりとりのデジタル化が進めば回収業務は削減されますし、人選などが制作進行個人のネットワークに頼らずできるような仕組みが考案されれば人材探しをする労力は減少するでしょう。
労働時間を決める
個人事情主になれば労働時間を決めて働くこともできます。
アニメ業界の平均的な労働時間は1日約12時間程度といわれていますが、これは業界に入ってくる人が新人や未経験者が多いことに理由があります。
アニメーターになりたての新人や未経験者はまだ仕事に慣れていなくて、作業を指導してもらうことと、作業が遅い場合があるので、最初は長めの労働時間になってしまいます。
また新人に仕事を教える立場の先輩アニメーターも、自分の仕事と新人教育を両立して働くため、結果的に長い労働時間になってしまいます。
逆を言えば、経験を積むごとに作業スピードが上がり、個人事業主として報酬の交渉が出来るようになり、プロデューサーや管理職などに立場が上がると労働時間もそれに比例して短縮されてきます。
労働時間を決めて働くには、作業スピードや技術力を向上させて実力をあげる事と個人事業主や会社員なら昇進・昇格がカギとなるでしょう。
固定の給与制
アニメーターにも固定の給与制の会社も少しずつ増えてきました。
ただし、入社時から即固定給のところは、まだまだ少ないのが現状です。
入社後2〜3年して戦力になってきた後、固定給の正社員になる会社は、某有名アニメ会社などを中心に増えています。
ただ、厳しいノルマが課せられる他、逆に一定以上の腕前のある人なら、会社の正社員として固定給もらうよりも出来高の方が稼げるので非正規雇用を選ぶ人も多くいらっしゃいます。
アニメーターとしてアニメ業界で成功するには
アニメーターを続けていると作業スピードやクオリティの向上によって収入が上がりますが、他にはキャリアを積むことで、立場が変わり、収入も上がっていきます。
キャリアの展望に関しては少なくとも長くアニメ業界に携わりたい方はプロデューサーや監督・演出などになる可能性を秘めているので、そうしたステップアップの方法を考えた上で業務の質の向上をしていけるかどうかが、今後アニメ業界で成功するために重要です。
まとめ
アニメーターの現状についてお話ししました。
アニメ業界も長時間労働が当たり前と言われていた時代からは、大幅に改善されてきました。
作図や動画のデジタル化や海外への動画受注などでアニメーターにかかる負担も減っているのが現状です。
ですが、一番大事なのは自分の実力をつける事です。
実力次第で様々な働き方が可能になるので、実力をつけるまでは下積み期間としてコツコツ働き続けていく時期も必要でしょう。
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