漫画を描く上では欠かせないベタとトーンですが、どのように使うのが効果的なのでしょうか。
ベタとトーンの効果的な使い方を理解するだけで、漫画の完成度も大きく変わってきます。
それだけでなく、使いどころを抑えれば迷うこともなくなるので時短にも繋がります。
そこで今回はベタやトーンの役割とその使い方のコツをご紹介していこうと思います。
ベタとトーンの漫画の役割
そもそもベタとトーンの漫画における役割とはどのようなものなのでしょうか。
漫画にはなぜ必ずこれらが使われているのか、その理由と重要性についてご紹介します。
何を目立たせたいかをはっきり出来る
ベタやトーンの主な役割は目立たせたいところをはっきりさせることです。
ベタを使えば影で立体感を表すこともでき、トーンを使えば雰囲気を表現することができるので、漫画全体に緩急をつけられるようになります。
ベタとは
ベタとは漫画を描く時に指定された箇所を真っ黒に塗りつぶす作業のことを言います。
なぜベタと呼ばれているのかというと、手塚治虫氏の担当編集者が黒くベタっと塗りつぶすことから命名したそうです。
ベタを塗る場所
ベタを塗る場所は様々で、影になっている部分はもちろんのこと、心理描写や場面の強調を表すために使われたりします。
ベタを使うことで漫画に強弱をつけることができるため、ベタが多過ぎたり、少な過ぎたりしないように注意しましょう。
ベタの種類
では、様々な場面で使われるベタには一体どのような種類があるのでしょうか。その種類と方法についてご紹介していきます。
全面ベタ
全面ベタというのは、指定されたコマ内の人や物体以外の空間を全て黒く塗りつぶすことです。
全面ベタを使うことで時間が止まっているような描写や個人の心理描写など、現実から隔離されているような描写をするのに向いています。
つやベタ
つやベタは名前の通り、黒い物体のつやを表現するベタの方法です。女性の髪の毛などで主に使われます。
ベタフラッシュ
ベタフラッシュは強い光が一瞬光ったような効果を集中線とベタを利用して表現する方法です。
心理描写や強調したいシーンに使用します。
ベタフラッシュと同じく集中線を用いたベタの描き方として、ウニフラッシュという方法も存在します。
ベタ塗りのポイント
いくつかのベタ塗りの方法をご紹介してきましたが、ベタ塗りのポイントやコツとはどのようなものなのでしょうか。
黒く塗るだけということで簡単な作業であるベタ塗りにも実は注意点があります。詳しく見ていきましょう。
ベタムラにならないようにする
真っ黒に塗るだけのベタですが実は色ムラができてしまうことがあります。
原因は単なるインクが少ないせいで掠れているだけなので、ベタムラの部分をもう一度十分な量のインクで塗ることで解決できます。
トーンとは
トーンとは、柄の入った透明なフィルムがシール状になっているものです。
透明なので上から貼っても絵を隠さないようになっています。
トーンの柄は基本的に点の集まりからできていて、点の散らばり方などの違いを利用して多くの種類のトーンが存在しています。
トーンを貼る場所
トーンを貼る場所はトーンの種類によって変わってきます。
代表的な網トーンなら髪の毛や洋服、影にも使うことがあります。
背景用のトーンなども存在するので、トーンを活用すれば、ペンでは表現するのが困難なものを簡単に表現できるようになります。
トーンを貼る時の注意点
トーンを貼る場所がわかったところで、次はトーンを貼る時の注意点についてお話していこうと思います。
これから紹介する注意点に気をつけて綺麗にトーンを貼り付けられるようにしましょう。
カッターでイラストを切らないようにする
まず気をつけなくてはいけない最大のミスが、カッターでイラストを切りつけてしまうことです。
力を入れすぎてしまうとせっかくのイラストがダメにならなくなってしまうので、くれぐれも注意しましょう。
細かい部分は専用のカッターで削るようにする
トーンを切るときに細かい部分は専用のトーン用カッターやデザインナイフで削るようにしましょう。
普通のカッターよりも切れ味が良く、持ち手がペンのようになっているため小回りが効きやすくなっています。
刃の角度が鋭いものほど細かい部分のカットに向いています。
モアレが出ないようにする
モアレというのはトーンの重ね貼りをした時に意図せずできる模様のことです。
本来は「規則的な模様と模様を重ね合わせた時にできる新たな模様」という意味で悪いものではないのですが、漫画を描く上では悪い意味として使われます。
トーンの端に書かれている線数がモアレに関係していて、これらが一致していないもの同士を重ねるとモアレができてしまいます。
同じ線数のトーンで角度を合わせて貼ればモアレはできないので、重ねるときは慎重に行いましょう。
まとめ
ベタとトーンについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
漫画を描く上では非常に出番の多いベタとトーンの使い方がわかれば、描ける漫画の幅も広がるので、ぜひこの記事を参考にしてベタとトーンを使いこなせるように練習してみてください。
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