プロジェクションマッピングと聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?
プロジェクションマッピングは、テーマパークやアミューズメント施設などのエンターテイメント業界を始め、様々な分野で活用されています。
この記事では、プロジェクションマッピングについての基礎知識や仕組み、活用例、制作に必要なソフトウェアについてご紹介します。
- この記事の監修者
- アミューズメントメディア総合学院は、東京恵比寿にあるゲーム、アニメ、マンガ、小説、声優などの 業界や職業を目指す方のための専門の学校です。ゲームクリエイター学科のurlはこちら。
多くの卒業生は、セガゲームス、カプコン、レベルファイブ、スクウェア・ エニックスなどといった有名ゲーム企業に就職をし、ゲームの開発に携わっています。
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目次
プロジェクションマッピングとは
プロジェクションマッピングとは、立体的な物体をスクリーンにして映像を投影する技術、およびそれも用いた映像表現やパフォーマンスのことです。
プロジェクションマッピングの最大の特徴は、映画のような平面のスクリーンではなく、建物などの立体物や空間に重ねた映像を投影し、様々な視覚効果を与える点です。
例えば、映像の視覚効果によって実在する建物が変形したり、人物やキャラクターが登場したりする表現が可能になります。
ちなみに、プロジェクションは投影、マッピングは貼り付ける、位置付けるという意味です。
プロジェクションマッピングの仕組み
立体的に見えるプロジェクションマッピングの映像は、どのような仕組みで表現されているのでしょうか。
プロジェクションマッピングの作品は、映像の制作、複数の映像を貼り付ける作業(マッピング)、プロジェクション(投影)という3つの工程によって完成します。
映像制作で意識しなければならないのは、スクリーンとなる物体の形状に合わせた映像を作ることです。
プロジェクションマッピングで投影するスクリーンは、立体的な物体なので、プロジェクターで投影したときに、実際に存在している物体に違和感なくマッチしなければなりません。
映像なのに飛び出して見える資格効果を与えるためには、常に鑑賞者の視点を考えて、立体的に見えるような絵を作る必要があります。
鑑賞者の視点を意識すると言っても、鑑賞する位置によって映像の見え方が変わるのも事実です。
多くの鑑賞者が映像を立体的に見ることができるのは、スクリーンとなる物体からの距離が離れているため、各鑑賞者の位置の差が小さくなるからです。
プロジェクションマッピングの映像は、鑑賞者の視点や距離を計算して作られています。
プロジェクションマッピングの活用例
プロジェクションマッピングはこれまでに様々な機会で活用され、人々に感動を与えてきました。プロジェクションマッピングの主な活用事例をご紹介します。
テーマパーク・アミューズメント施設
プロジェクションマッピングの技術が開発されると、ディズニーランドやユニバーサルスタジオといった、世界的に有名なテーマパークのショーやアトラクションに活用されるようになりました。
テーマパークのシンボルである大きな建物をスクリーンとして、立体的な映像を投影するショーは、SNSでも話題になっていましたね。
現在では、サンリオピューロランドやハウステンボス、東映太秦映画村など日本全国のテーマパークやアミューズメント施設で、積極的にプロジェクションマッピングが活用されています。
世界遺産・観光地
プロジェクションマッピングは、テーマパークやアミューズメント施設に留まらず、世界遺産や歴史的建造物、観光地などでも活用されていることをご存知でしょうか。
スペインのサグラダ・ファミリアや、アラブ首長国連邦のシェイク・ザイード・グランド・モスク、オーストラリアのオペラハウスなど世界各国の世界遺産で、プロジェクションマッピングによる演出が行われています。
日本でも、大阪城や横浜ランドマークタワー、高知県にある龍河洞という鍾乳洞など、プロジェクションマッピングの活用事例は多岐に渡ります。
企業のプロモーション
プロジェクションマッピングは、企業のプロモーションに活用されることもあります。
ファッションブランドのRALPH LAUREN(ラルフ・ローレン)が、香水の発売に合わせて、ショップの外壁にファッションショーをイメージした映像を映し出しました。
韓国の自動車メーカーHyundai(ヒョンデ)は、スクリーンとなる外壁に吊るされた本物の車が道を走っているように見える、リアルとバーチャルが融合した映像が話題になりました。
ライブや舞台
プロジェクションマッピングは、大掛かりな装置や大道具が必要にならないことから、アーティストのライブや舞台でも積極的に取り入れられています。
特に、アニメや漫画、ゲームの世界観を現実で再現する2.5次元舞台では、フィクション作品の現実離れした世界観を舞台上で表現するために、プロジェクションマッピングが重宝されています。
プロジェクションマッピングの活用によって、舞台美術や演出の幅が広がるため、これからのライブや舞台でも、プロジェクションマッピングは欠かせないものになるでしょう。
プロジェクションマッピング制作用のソフトウェア
プロジェクションマッピングは、専用のソフトウェアを使って制作するのが一般的です。
プロジェクションマッピングが制作できるソフトウェアのうち、代表的なものをご紹介します。
1.MadMapper(マッドマッパー)
MadMapper(マッドマッパー)は、世界最大シェアのマッピングソフトウェアです。
プロも使用している高機能のソフトであるにも関わらず、操作がシンプルで分かりやすいので高い人気があります。
映像の加工が自由にできる、いくつかの映像をリアルタイムで管理できるなど、操作性に優れています。
バージョン2まではMacにしか対応していませんでしたが、バージョン3からはWindowsにも対応するようになりました。
予算や利用目的に応じて、デモ版、レンタル、購入と選べるので、試しやすいですね。
2.Optoma projection Mapper(オプトマ プロジェクション マッパー)
Optoma projection Mapper(オプトマ・プロジェクション・マッパー)は、気軽にプロジェクションマッピングが作成できるソフトウェアです。
iPhoneやiPadで使用できる上に、価格もリーズナブルなので、プロジェクションマッピング制作が初めての人におすすめ。
操作も比較的に簡単で、初心者がプロジェクションマッピング制作の仕組みを理解する手助けになります。
ただし、大規模なプロジェクションマッピング制作には向いていないので、ある程度制作に慣れてきたら、より本格的なソフトに挑戦してみましょう。
3.Resolume Arena(レゾリューム アリーナ)
Resolume Arena(レゾリューム アリーナ)は、オランダのResolume B.V.が制作している、ライブビデオミキシングコンソール機能をもつ映像ソフトウェアです。
楽器のような感覚で、映像と音楽をリアルタイムに操作することができるため、主にライブパフォーマンスなどで活用されていることが多いです。
制作した映像を、ネットワークを通じて他の端末で再生できる、メディアサーバー機能が魅力的。
操作方法が難しく、高度な技術が求められるので、プロ向けのソフトと言えます。
4.GrandVJ 2 XT (グランド ヴィ ジェイ ツー エックス ティー)
GrandVJ 2 XT (グランド ヴィ ジェイ ツー エックス ティー)は、パソコンとプロジェクターさえあればプロジェクションマッピングが可能になるソフトウェアです。
価格は59,950円(税込)~で、決して安価ではありませんが、特殊な機材が必要ない分、全体的にはリーズナブルになるかもしれません。
プロジェクションマッピングを本格的に始めたい人は、選択肢に入れてみると良いでしょう。
5.Adobe After Effects(アドビ・アフター・エフェクツ)
Adobe After Effects(アドビ・アフター・エフェクツ)は、illustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)で有名なアドビ株式会社が販売するソフトウェアです。
映像加工に特化した編集ソフトで、レイヤーを使った複雑な映像の作成に向いています。
映画などの複雑なアニメーションの他に、プロジェクションマッピング制作にも活躍します。
Adobe After Effects(アドビ・アフター・エフェクツ)の特徴は、事前に撮影した動画や収録した音声などの素材がなくても、新しい映像を0から作り出すことができる点です。
AIが映像を解析し、自動で加工してくれる機能も魅力的ですね。
6.LAMP(ランプ)
LAMP(ランプ)は、株式会社アイデアクラウドが開発した、初心者向けのソフトです。
株式会社アイデアクラウドのキャッチコピーは「プロジェクションマッピングを全ての人の手に。」
LAMP(ランプ)は、映像制作の専門知識がない人でも使いやすい、直感的な操作が特徴的です。
機能が絞り込まれていて分かりやすいので、初心者でも抵抗なく慣れていけるでしょう。
初心者向けでありながら、本格的なプロジェクションマッピング制作も可能な機能が備わっています。
プロジェクションマッピングの将来性は?
現在、プロジェクションマッピングは、エンターテイメントに欠かせない技術になり、様々な業界で活用されています。
今後、プロジェクションマッピングはどのように変化していくのでしょうか。
プロジェクションマッピングが登場し始めた2011年頃は、「目新しさ」を売りすることができたので、プロジェクションマッピングが行われるというだけで、多くの人が集まりました。
しかし現在では、エンターテイメントやプロモーションで、プロジェクションマッピングが使用されることが当たり前になっています。
そのため、内容が薄くて品質が悪い作品は飽きられ、廃れていくというリスクがあります。
プロジェクションマッピングの技術は今後も、様々な業界で必要とされるでしょう。
その一方で、プロジェクションマッピングの制作者は、来場者を感動させる作品を作り続けることが求められると言えます。
まとめ
これまで、プロジェクションマッピングとは何かについて、その仕組み、活用例、制作に必要なソフトウェアについてお伝えしてきました。
プロジェクションマッピングは、これからのエンターテイメントや商品PRに必要不可欠です。
プロジェクションマッピングの作り手の需要が増える一方で、高い技術と専門知識をもつ人材が求められるでしょう。
プロジェクションマッピングを制作したいと考えている人は、映像制作系の大学や専門学校に通うことをおすすめします。
アミューズメントメディア総合学院のゲーム・アニメ3DCG学科であれば、プロジェクションマッピング制作に必要な知識や技術を、基礎から学ぶことができます。
初心者でも2年間でプロを目指せるカリキュラムが用意されているので、効率的に学ぶことが可能です。
オンライン体験説明会やオープンキャンパスは無料で参加できるので、少しでも興味があれば、活用してみてはいかがでしょうか。
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