Pythonでゲーム開発！Pygameを使った作り方や必要な知識を解説

この記事では、近年話題のプログラミング言語「Python」でのゲーム開発について解説します。

コードがシンプルなPythonは、初心者にも扱いやすくおすすめです。
人気のライブラリ「Pygame」を使った開発の手順や、ゲーム開発に必要な知識など、Pythonでゲームを作ってみたいと考えている人が最初に知っておきたい情報をまとめました。

ただし、独学でPythonをマスターしたいと考えている場合は注意が必要です。
その理由については、記事の後半でご確認ください。

Pythonの特徴

Pythonには、「コードがシンプル」「AI開発に強い」という特徴があります。

コードがシンプル

Pythonは他のプログラミング言語に比べるとコードがシンプルで、読みやすく、コーディングがしやすいのが特徴です。
コードがシンプルだと、他の人ともデータを共有しやすいです。

AI開発に強い

Pythonが近年注目されている理由として、AI開発に強いことが挙げられます。

Pythonが得意とする機械学習や統計解析は、AI開発には欠かせない解析技術です。

Pythonでゲーム開発をするメリット

Pythonでゲームを開発する最大のメリットは、初心者でも触りやすいという点です。

初心者でも扱いやすい

Pythonはコードがシンプルで、初心者でも簡単にプログラミングできます。

また開発の時に難しい作業が不要なのも、初心者におすすめできるポイントです。

プログラミング言語によっては、開発環境の構築のためにソフトウェアをダウンロードしたり、実行のためにコンピューターが理解できるよう翻訳する「コンパイル」をしたり、初心者にとって慣れない作業が必要です。

対して、Pythonはインストールすればすぐに使えて、コンパイルも必要ありません。

情報が充実している

Pythonは、インターネット上にサンプルコードやQ&Aなどの情報がたくさん掲載されています。

Pythonでゲーム開発をする時に分からないことがあったら、検索すればすぐに解決できるでしょう。

また、ライブラリが充実しているのも強みです。

ライブラリとは、よく利用される機能をまとめたプログラム集のこと。
ライブラリを参照すれば、一からコードを書かなくても思うような処理ができます。

初心者はもちろん、プロのゲームプログラマーにとってもライブラリは欠かせません。

Pythonと他のプログラミング言語の比較

プログラミング言語にはいろいろな種類があります。
Pythonとゲームプログラミングに使われる他の言語を比較すると、次の通りです。

C++とPythonの比較

ゲーム開発でよく用いられるのが、C++です。
家庭用のゲーム機でプレイされるコンシューマーゲームの多くは、このC++で開発されています。

処理速度がとても早く、できることも非常に多いプログラム言語です。

Pythonと比べるとコードが複雑で、初心者には扱いにくいでしょう。

C++でゲーム制作はできる？メリットや開発されたゲームの例を紹介（4月作成）

RubyとPythonの比較

Rubyは、Webブラウザの2Dゲームの開発が得意です。
PythonもRubyも、シンプルで扱いやすいという共通点があります。

それぞれ強みが違うので、Webサイトの制作をしたいならRuby、大量のデータ分析をしたいならPythonというように、目的によって使い分けられます。
ゲーム開発においても、ゲームでどんな機能を搭載したいのかによって使い分けると良いでしょう。

Pythonで開発できるゲームの例

インターネット上には、Pythonで開発したWebブラウザゲームがたくさん公開されています。

ジャンルも、パズルゲームやシューティングゲーム、アクションゲーム、ロールプレイングゲームなどさまざまです。
2Dだけでなく3Dのゲームも開発できます。

2DのレトロゲームをPythonで開発することもでき、スーパーマリオをPythonで再現するYouTube動画が人気です。

Pythonのゲーム開発の方法

Pythonでゲーム開発をするには、主に次の3つの方法があります。

• ゲームエンジンを使う
• ゲームライブラリを使う
• 自力でコーディングする

1つずつ詳しく解説していきます。

ゲームエンジンを使う

初心者には最もおすすめの方法です。

ゲームエンジンとは、ゲーム制作に必要な機能がまとまったソフトウェアのことです。

ゲームエンジンを使えば、プログラミングの深い知識がなくても感覚的にゲームを開発できます。

ゲームライブラリを使う

「Pythonでゲーム開発をするメリット」でも紹介した通り、Pythonはライブラリが充実しています。

ゲームエンジンの方が機能が充実していますが、ライブラリだけでゲーム開発をすることも十分可能です。

自力でコーディングする

Pythonで開発されたゲームのソースコードを参考に、自力でコーディングする方法もあります。

初心者はまず、じゃんけんやオセロなどの簡単なゲームをコーディングすることで、Pythonでのゲーム開発の基礎が学べるでしょう。

Pythonのライブラリ「Pygame」を使ったゲーム開発の手順

前の段落では、Pythonでゲーム開発をする方法を3つ紹介しました。

ここからは、Pythonでのゲーム開発で最も人気の方法である、ライブラリ「PyGame」を使った開発の手順を解説します。

1.ライブラリをインストールする

Pythonのライブラリはいくつかありますが、最もおすすめなのは「PyGame」です。

PyGameは最も人気のライブラリで、書籍やインターネットにたくさんの情報があり、開発の手助けになるからです。

Pythonをインストールした状態で、「pip」というパッケージ管理システムにPyGameをインストールします。

インストール後、ライブラリを初期化することでPyGameでのゲーム開発ができるようになります。

2.PyGameの基本設定をする

画面サイズの設定や、画像ファイルの読み込み、ゲームタイトル、アイコンの設定などをコーディングします。

3.ゲームのメイン処理を設定する

プレイヤーの操作に応じてオブジェクトがどう動くのか、どうなったらスコアを獲得できるのかなどのメイン処理をコーディングします。

Pythonで使えるゲームエンジンとライブラリ

Pythonでは、ゲーム開発に使えるゲームエンジンやライブラリが充実しています。

どれを使えば良いか迷ったら、有名なものを選ぶと良いでしょう。
有名でユーザー数が多ければ、本やインターネットで情報が手に入りやすいからです。

【おすすめ】Cocos2D

2Dゲームの開発ができるゲームエンジンで、ユーザー数も多いです。

ライブラリよりも機能が充実しているので、プログラミングの深い知識がなくてもゲーム開発が可能です。

Panda3D

Panda3Dでは、3Dゲームを開発できます。
クオリティの高い本格的なゲームを制作できる、人気のゲームエンジンです。
オンラインゲームやテーマパークのVRライドなどの開発にも使われています。

Godot

2D・3D・VRなどさまざまなゲーム開発ができます。
ただし開発言語は「GDscript」という、Pythonをベースにした独自言語です。

【おすすめ】Pygame

最も有名で、プロのPythonエンジニアも使う2Dゲーム用のライブラリです。
Windows・Mac OS・Linuxなど、さまざまなプラットフォームで動くゲームを開発できます。

グラフィックや音声などの素材も多くそろっています。

Arcade

Arcadeも2Dゲーム用のライブラリです。
Pygameよりも細かい動きなどの制御ができるので、Pythonでのゲーム開発に慣れてきたら、こちらのライブラリを使ってみても良いでしょう。

Kivy

iPhone・Androidでプレイするゲームを開発できるライブラリです。
機能が充実していますが、その分設定コードも多く、初心者には難しく感じるかもしれません。

Pythonでのゲーム開発に必要な知識

Pythonのゲーム開発で、最初に必要なのはゲームエンジンやライブラリに関する知識です。

開発に慣れてきたら、Pythonの基本文法やAIに関する知識も身に付けると、さらにハイレベルなゲーム開発ができるようになるでしょう。

ゲームエンジンやライブラリに関する知識

すでに説明してきた通り、Pythonでのゲーム開発ではゲームエンジンやライブラリを活用します。

Pythonでゲーム開発をしたいと思ったら、まずは前の項目で紹介したようなゲームエンジンやライブラリの使い方を覚えると良いでしょう。

Pythonの基礎文法

どのプログラミング言語でもそうですが、基礎文法を理解することが大切です。

初めはゲームエンジンやライブラリの機能をそのまま使うだけでもゲーム開発ができるので、基礎文法を知らなくても良いと思うかもしれません。

しかし、そのうちもっと凝ったオリジナルゲームを作りたくなった時に、Pythonの基礎文法の知識が役に立ちます。

基礎文法が分かれば、バグの修正や、ライブラリにある処理を自由にカスタマイズするなどの作業ができます。

AIに関する知識

AIは将来性のある分野なので、Pythonを学ぶならぜひAIに関する知識も勉強することをおすすめします。

統計や機械学習など、AIによるデータ分析に関する知識があれば、AIを使ったゲーム開発の仕事に携われるかもしれません。

独学でPythonでのゲーム開発は可能？

Pythonでのゲーム開発は、独学でも不可能ではありません。
ただし、プログラミングについて基礎知識がある場合に限ります。

例えば、すでに他のプログラミング言語をマスターしているなら、コードがシンプルなPythonを勉強するのは簡単でしょう。

プログラミングの知識がなくても、簡単なサンプルゲームのコードを真似してゲーム開発をすることはできるかもしれません。

しかし、「もっとオリジナリティの高いゲームを開発したい」「将来はプロのゲームプログラマーになりたい」という希望があるなら、独学では限界があります。

• ゲームプログラミングについて全く知識がない
• ゲームプログラマーとして仕事がしたい

以上に当てはまる人は、独学ではなく専門の学校などで学ぶことをおすすめします。

ゲーム開発を学ぶなら専門の学校へ

Pythonでのゲーム開発をするなら、まずゲーム専門の学校でゲーム開発の基礎を学びましょう。

Pythonでのゲーム開発を学べる専門の学校はあまり多くありませんが、ゲーム開発の基礎を学べば、他の言語を使ったとしても応用がききます。

東京の恵比寿にあるゲーム専門の学校「アミューズメントメディア総合学院（AMG）」ゲームクリエイター学科のゲームプログラマー専攻では、ゲームプログラミングの基礎を学べます。

2年間で6回のゲーム制作実習があるので、初心者でも卒業する頃にはプロのゲームプログラマーとしての実力が十分身に付くでしょう。

まとめ

Pythonはコードがシンプルなことや、ゲームエンジンやライブラリを活用できることから、初心者でもゲーム開発がしやすいプログラミング言語です。

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