漫画編集者として働いている人の多くは出版社・編集プロダクションに就職していることになります。
大学を卒業してから新卒として漫画編集者になる人もいれば、大手出版社に入社し編集アシスタントとしてアルバイト契約で入社し実力をつけ、担当を持つ編集者へとステップアップしていく人も少なくありません。
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また出版社や漫画編集プロダクションで実力や実績をつけた後、独立してフリーランスの漫画編集者として働く方法も選択肢のひとつ。あるいは自分で出版社や漫画編集プロダクションを立ち上げる漫画編集者もいます。
漫画をこよなく愛する気持ちが認められれば「学歴・経験」が無くても採用される可能性があるという点は大きな特徴と言えるでしょう。
目次
漫画編集者に就職する方法
漫画編集者のやりがい
漫画編集者のやりがいはやはり、作り上げた作品が認められたとき。
漫画家と一緒に悩みつつ会議を重ねて完成させた作品が読者アンケートなどで1位になったときは感動するでしょう。
読者に「この漫画おもしろい!」と言ってもらい、漫画家(作家)や作品が有名になっていく姿を見ることが漫画編集者を支えているやりがいです。
漫画編集者の実務内容
漫画編集者の仕事は漫画家と一緒に面白い作品を作り上げること。
漫画家が描いてきた作品を一番最初に読む読者であり、自分の好き嫌いの視点ではなく「読者に受け入れられる作品か」という視点で作品を見極めることも大切な仕事です。
漫画編集者は一般的に一人で数人の漫画家を担当して連載漫画を受け持つことになります。
<漫画編集者の実務内容>
1:漫画家と一緒に、登場するキャラクターの性格やウリの設定・物語の世界観やストーリーの流れを作り上げる。
2:考えたストーリーをもとに漫画家がコマ割りやセリフ・キャラクターを描きこんだ「ネーム」と呼ばれる漫画の設計図となるものを描く。
3:漫画編集者がネームの出来にOKを出したらキャラクターの表情や背景などもしっかりと描きこむ下絵を作成。「写植用ネーム」とも言う。
このネームを受け取り、「セリフの文字に誤りが無いか」「吹き出しに合う文字の大きさ」「キャラクターに合う字体」などを検討・決定する。
4:下絵が完成したら漫画家から原稿を受け取り、文字をはめ込んだ原稿を作成します。そしてもう一度「セリフの誤字脱字チェック」「トーンの貼り忘れは無いか」などを確認してから印刷所へ依頼。
出版社や編集プロダクションにもよりますが一般的にはここまでが漫画編集者の仕事の流れとされています。
漫画編集者の給料・勤務体系
漫画編集者の給料は勤務体系や経験・実績によっても大きく違います。
あくまでも目安ですが、一般的には
- 大手出版社・編集長クラス:1000万円程度
- 中小出版社・漫画編集者:年収400万円~500万円
編集プロダクション・出版社アルバイト:年収200万円~300万円
ここで挙げた額はあくまで一例です。勤める出版社や漫画編集プロダクションによって金額は変わってくるでしょう。
漫画編集者に求められる能力
コミュニケーション能力
漫画家と向かい合って作品を作り上げる漫画編集者には、コミュニケーション能力が必要不可欠。
漫画家に「この漫画編集者が指摘しているなら間違いない」と思ってもらえるよう信頼関係を作り上げることが最も重要です。
漫画家が悩んでいると感じたら休日であろうと夜中であろうと飛んでいく……くらいの気持ちを編集者は持たなければいけません。
漫画の専門知識
漫画編集者は漫画家に対して修正指示やアドバイスを行う立場。その仕事をしっかりと行うにはかなり専門的な漫画の知識が必要になるでしょう。
プロの漫画家に納得して修正してもらうには適切で客観的な意見を伝えなければいけません。そのためには説得力のある専門知識が求められます。
監督能力
漫画作品を作り上げるのと同時に漫画家の健康状態・締め切りに基づいた原稿の進み具合を管理するのも漫画編集者の大事な仕事。
漫画家の心と体をケアする一方で業務管理者としてマネジメントする能力も重要になってくるでしょう。
事務処理能力
漫画編集者は漫画家と作品を作るだけが仕事ではなく「作品を盛り上げる」ことも仕事のひとつ。
雑誌の連載漫画を担当しているのであれば読者が次の話を読みたくなるようつける「アオリ(煽り)文」やページの脇に書きこむ「柱書」の作成も行います。
また作品を盛り上げるための企画を出したり様々な人へ向けてメールを送ったり、事務的な仕事もたくさん。
漫画編集者はただ漫画が好きなだけではなく、このように事務処理能力も必要とされる職業なのです。
まとめ
読者に「おもしろい!」と言ってもらえる作品を作るため、漫画家とアイディアを練りサポートしつつ事務処理もこなす漫画編集者。
漫画家に必要とされれば夜中でも休日でも飛んで行って真剣に話をするなんてすごいですよね。
学歴や経験以上に漫画への熱意が求められる意味がよくわかります。
逆にいえば「おもしろい漫画が作りたい!」という熱意があれば出版社や編集プロダクションはちゃんと認めてくれるということ。
漫画への熱い思いを持っているのなら漫画編集者の道を進んでみてはいかがでしょうか。
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