「デジタルイラストに挑戦してみたいけど、なかなか手が出せない…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
アナログイラストを描くことに慣れている人は、デジタルが便利だとわかっていても切り替えるのは難しいですよね。
この記事では、デジタルイラスト初心者にわかりやすいように、デジタルのメリットや必要な道具、練習方法などをご紹介していきます。
「アナログからデジタルに変えると、どんなメリットがあるの?」
「デジタルイラストを始めたいけど、何が必要?」
そんな疑問を解決する記事となっていますので、ぜひご覧ください。
目次
デジタルイラストの4つのメリット
デジタルイラストはアナログと比べるとかなり便利です。デジタルイラストならではのメリットをご紹介していきます。
①画材をそろえるコストや手間がかからない
アナログでイラストを描くとなると絵具やマーカー、色鉛筆、パステル、画用紙といった画材をそろえなければなりません。
一方デジタルイラストの場合は、必要な機材とイラストソフトさえあれば手軽に絵を描くことができます。
画材の用意や後片付けの時間も短縮できて、コストもかからないのはデジタルイラストのメリットです。
また、アナログイラストは作品が経年劣化してしまうため定着液を吹きかけるなどの対策をする必要がありますが、デジタルであれば作品が劣化することもありません。
②修正が簡単にできる
デジタルイラストの魅力として、修正がしやすいという点もあげられます。
アナログの場合は下書きの線を消す際に消しゴムを使用するので、紙の汚れや破れに気をつけなければなりません。
デジタルであればワンタッチで描いた線を消すことができ、さらに1つ前や2つ前の状態に戻すことも可能です。
また、ある部分の大きさや位置のバランスがおかしいと感じたとき、アナログの場合は描き直す必要がありますが、デジタルであれば特定の範囲のイラストの大きさや位置がワンタッチで変更できます。
本来なら描き直しが必要な失敗でも、デジタルイラストなら簡単に修正できるので時短にもなりますよ。
ただし便利な機能に便りすぎてしまうと、イラストをバランス良く描くスキルが身につきにくくなってしまいます。
便利な機能を使いつつもイラストの基礎はしっかりと意識するようにし、修正まかせにならないようにしましょう。
③レイヤーごとの加工が簡単にできる
デジタルイラストのもっとも大きな特徴は、レイヤーという概念です。
レイヤーとは、透明なフィルムが何枚か重なったものと考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、線画と色、キャラクターと背景などをそれぞれ別のレイヤーに分けることで、パーツごとの修正が楽にできます。
また、1つのパーツでも複数のレイヤーを重ねることでより細かい表現ができるようになります。
たとえば、目を塗る際に複数枚のレイヤーを重ねて、まつげの影は「乗算」、目の中の光は「発光」の効果を使用し、最後に目全体に赤や紫のオーバーレイをかけることでより繊細で複雑な目が描けるようになります。
しかし、こういった機能も便利だからといって頼りすぎると、画力を加工技術でごまかす癖がついてしまいがちなので気を付けましょう。
④インターネットへの投稿が簡単
アナログイラストをインターネット上に公開するときは、スキャナでイラストを取り込んで画像にする、カメラで撮影するといった手間がかかります。
ですがデジタルイラストであれば、描いた後はそのままデータとして保存できるのでインターネットへの公開も簡単にできます。
ぜひ、自分の作品をX(Twitter)やpixivなどのSNSやサービスに投稿してみましょう。
多くの人にイラストを見てもらえれば、ファンの獲得や仕事の依頼につながる可能性もあります。
デジタルイラストを描くのに必要な道具
アナログよりも手軽で便利なデジタルイラストですが、イラストを作成するためには道具をそろえる必要があります。
デジタルイラストを描くために必要な道具を確認していきましょう。
パソコン
基本的に、デジタルイラストを描くためにはパソコンが必要になります。
すでにパソコンをもっている人は、まずはそれを使ってみるのがいいでしょう。
持っているパソコンを使ってみてスペックに問題があれば、新しいパソコンを買うのがおすすめです。
デスクトップパソコンの方がスペック的に優れていますが、ノートパソコンでもデジタルイラストを描くことができます。
しかし「どれくらいのスペックのパソコンを買ったらいいのかわからない」という人もいるでしょう。
デジタルイラストを描く場合のPCスペックの目安は以下のとおりです。
- メモリ:8GB以上
- ストレージ:SSD200GB以上
一番重要なのはメモリです。メモリが十分でないとイラストソフトの動作が遅くなる、パソコンがフリーズするといったトラブルが起こりやすくなります。
ストレージが大きい方がパソコン内にデータをたくさん保存できますが、HDDを外付けする、クラウド上にデータを保存するなどの方法もあるので、メモリを優先に考えましょう。
「パソコンに詳しくないからよくわからない」という人は、お店の人に相談してみてください。
モニター
画面の出力をするためにはモニターの購入が必要になります。(ノートパソコンやモニター一体型のデスクトップPCなどの場合は不要です。)
大きいモニターの方が、画面も見やすくて目が疲れにくいです。
モニターの大きさや解像度については、以下を参考にしてみてください。
おすすめのモニター
- モニターサイズ:20インチ以上
- 解像度:フルHD(1980×1080)以上
ペンタブ
ペンタブとは、パソコンに接続してデジタルイラストを描く道具です。
ペンタブには「板タブ」と「液タブ」の2種類があります。
「板タブ」は、タブレット上のペンの動きと連動してパソコン画面にイラストが描けるもので、「液タブ」はタブレットの液晶モニターに直接イラストを描くことができるタイプです。
「板タブ」は「液タブ」に比べると慣れるのに時間がかかりますが、コツが掴めれば自由に描けるようになります。
「板タブ」と「液タブ」の詳しい選び方は後ほどご紹介します。
ペンタブを選ぶ際のスペックの目安は以下のとおりです。
- 筆圧レベル:2048以上
- 応答速度:25ms以下
筆圧レベルは高いほど筆圧を感知しやすくなり、応答速度は数値が小さいほどペンの動きと画面に描かれる時間の差が少なくなります。
ペンタブは多くのメーカーから発売されていますが、もっとも人気があるのはWacomで、サイズや描き心地などが異なる様々なものがあります。
また、iPadを「液タブ」として使用している人もいます。
iPadでデジタルイラストを描く場合はパソコンにつなぐ必要もないので、パソコン本体もモニターもいりません。
ペンタブの使いやすさや好みは人それぞれなので、お店で実際に描き心地を試すなどをして検討するといいでしょう。
イラストソフト
デジタルイラストを描くためには、イラストソフトが必要になります。
イラストソフトには、ペイントソフト(Fire Alpaca・SAI・CLIP STUDIO PAINTなど)、フォトレタッチソフト(Adobe Photoshopなど)、ドローソフト(Adobe Illustratorなど)の3種類があります。
ペイントソフトは、デジタルイラストを描くために作られたソフトです。
フォトレタッチソフトは、写真の加工などを行うためのソフトで、画像編集の機能が豊富。
ドローソフトは、図形や線を描くことに適しているソフトで、デザインの分野で使われることが多いです。
デジタルイラスト初心者は、ペイントソフトから使い始めましょう。
有料ソフトは機能もたくさんありますが、実際に使ってみないと使い心地がわかりません。
そこで、まずは無料ソフトや体験版などで試してみましょう。
おすすめのイラストは後ほどご紹介します。
スキャナ
スキャナはデジタルイラストの制作に絶対に必要というわけではありません。
しかし、下絵をアナログで描きたいという場合、スキャナがあれば下絵をデータにしてソフトで開き、ペン入れをデジタルで行うことも可能です。
アナログイラストの色彩やテクスチャをスキャナで取り込み、イラスト素材として使用することもできます。
プリンタ
プリンタもデジタルイラストを描くために必須なわけではありませんが、出来上がったイラストを紙に印刷して出力したいときに必要になります。
「板タブ」と「液タブ」の選び方
ここでは、デジタルイラストに欠かせない道具「タブレット」の選び方をまとめています。
タブレットには「板タブ」と「液タブ」の2種類があることは、先ほどお話ししました。それぞれ特徴が異なるので、合わないものを買ってしまうと思い通りにイラストを描くことができません。
それだけではなく、描くこと自体を負担だと感じてしまったら、描き続けることもできなくなってしまいますよね。
以下では「板タブ」と「液タブ」が、それぞれどんな人におすすめかを解説していきます。イラストを描く時の癖や環境を考慮して、自分に合った種類を購入しましょう。
板タブはこんな人におすすめ
価格が安く、初心者でも思い切って購入しやすいのが板タブの一番の魅力。「最近絵を描き始めたけど、液タブはちょっと高い…」なんて悩んでいる方は、まず板タブを買って、デジタルイラストにチャレンジしてみてください。
根気強くスキルアップを目指せる方にも向いています。板タブは液タブに比べて慣れるのに時間がかかるため、なかなかスキルアップできない方も出てきます。しかし、毎日コツコツ描き続ければ感覚を掴めてきて、きっとタブレットの扱い方が上手になるでしょう。
「慣れるまで絶対に描き続ける!」
そんな強い意思を持つ方なら、手頃な価格でデジタルイラストにチャレンジできる板タブはとてもおすすめです。
液タブはこんな人におすすめ
液タブは価格が高いだけあり、板タブのほぼ上位互換と言っても過言ではありません。描き心地こそ異なりますが、紙と同じような感覚で、直感的にイラストを描くことができます。デジタルイラストに初めてチャレンジする方でも、すぐに慣れることができるでしょう。
そんな液タブは、少しでも早くデジタルイラストを上手に描けるようになりたい方におすすめです。慣れるまでの時間が短いので、すぐに紙と変わらないクオリティのイラストが完成するでしょう。
おすすめのイラストソフト
続いては、こちらもデジタルイラストを描くのに欠かせない「イラストソフト」について、おすすめを紹介していきます。
無料ソフト、有料ソフトのどちらも挙げていますが、初心者の方は、まず無料ソフトから試してみるといいかもしれません。無料ソフトでは機能が物足りないと感じたら、有料ソフトを購入してみましょう。
無料ソフト
MediBang Paint Pro
MediBang Paint Pro(メディバンペイント プロ)は、無料ながら本格的なデジタルイラストが描けるイラストソフトです。トーンや背景などの素材も充実しているので、マンガ制作にも向いています。
さらに作品をクラウドで一元管理でき、複数の端末で1枚の絵を仕上げるのも簡単です。
FireAlpaca
FireAlpaca(ファイア アルパカ)はシンプルな操作感が魅力のイラストソフトです。機能が限られているからこそ、初めてデジタルイラストにチャレンジする方でも迷わず使いやすくなっています。
また動作が軽いことから、多少スペックが低いパソコンでも快適に使えるので、パソコンのスペックに不安がある方にもおすすめです。
ibisPaint X
ibisPaint X(アイビスペイント X)は、スマートフォンやタブレット用のイラストソフトです。ブラシや素材、フォント、フィルターの種類が豊富で、さらには手振れ補正をはじめとした本格的な機能も備わっています。MediBang Paint Proと同様、マンガ制作もできるので、タブレットでデジタルイラストを描く方は使ってみてください。
有料ソフト
CLIP STUDIO PAINT
CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)は、機能が充実したオールマイティなイラストソフトです。イラストやマンガに加えて、アニメーションのようなコンテンツも作れるのが大きな魅力で、デジタルイラストを描く方の大半が利用しています。
すべての機能が使用できるCLIP STUDIO PAINT EX、機能が制限される代わりに金額が抑えられているCLIP STUDIO PAINT PROの2つのグレードが販売されているので、描きたい作品に合わせて選びましょう。
Photoshop
Photoshop(フォトショップ)は写真加工で有名なグラフィックソフトですが、イラストソフトとしても使えます。設定をカスタマイズする必要はありますが、色味の調整がしやすいため、自分が描いたデジタルイラストをプリントして残したい方におすすめです。
こちらもすべての機能が使えるPhotoshopCC、機能が制限される代わりに金額が抑えられているPhotoshop Elementsの2つのグレードが販売されています。
デジタルイラスト初心者によくある「上手く描けない」お悩みの解決法
いざデジタルイラストを描き始めたところで、誰もがスムーズに上達するわけではありません。「上手く描けない」とお悩みの方も多くいます。
デジタルイラストを上手く描けないと悩む方は、基礎力の向上に努めましょう。
デジタルはアナログよりも美麗なイラストを描けると思いがちですが、基礎力が必要な点はアナログと同じです。例えばキレイな卵形をアナログで描けない方が、デジタルでいきなり描けるようになることはありません。
線の引き方、構図の作り方、色の塗り方など、イラストを描く上で欠かせない基礎力を、まずはしっかり身につけましょう。
練習のためにデジタルツールを使うのは問題ありませんが、慣れるまではアナログに比べて自在にペンを動かしにくい点にはご注意ください。
デジタルイラストが上手くなる練習方法
「アナログでは描けるのに、デジタルだと上手く描けない…」
そんな方は、次の流れで練習してみましょう。
①線を引く練習をする
②好きな絵を模写する
③好きな絵をトレースする
④オリジナルのイラストを描く
アナログで描けるのに、デジタルで描けない一番の原因は「慣れていないから」です。そのため、まずはデジタルの感覚に慣れることから始めましょう。
具体的には、まず直線や曲線をひたすら描きます。円や図形を混ぜても良いでしょう。とにかくシンプルな線図を描くことで、「どのようにペンを動かせば思い通りの線図を描けるのか」という感覚が徐々に掴めます。
その後は模写、トレース、オリジナルイラストと段階を踏んで、少しずつレベルアップを目指しましょう。アナログでイラストを描ける基礎力がある方ならば、使い方に慣れてしまえばすぐにデジタルツールでも、思い通りにイラストを描けるようになりますよ。
デジタルイラストを学ぶなら専門学校やスクールがおすすめ
デジタルイラストを学ぶ方法には独学や通信講座、専門学校、スクールなどがありますが、これからイラストを仕事にしたいと考えている人には、専門学校やスクールに通うことをおすすめします。
専門学校やスクールで学ぶことの最大のメリットは、現役プロの講師から直接指導を受けられることです。
また、就職サポートもしてもらえるので、独学よりもチャンスがつかみやすいと言えます。特に専門学校だと就職活動時、履歴書に学歴として「専門学校卒」と記載できるので、ちょっとしたアドバンテージになるかもしれません。
アミューズメントメディア総合学院のキャラクターデザイン学科では、基本的なデジタルイラストの描き方はもちろん、魅力的なキャラクターの作り方やデザインスキルなど幅広く学ぶことができます。
基礎からしっかりと学べますので、デジタルイラストを描いたことがない人もまずは気軽にオープンキャンパスや資料請求を利用してみてくださいね。
まとめ
今回はデジタルイラストについて、デジタルならではのメリットや必要な道具、練習方法などをご紹介しました。
アナログでイラストを描いている方にとって、デジタルツールは美麗なイラストを簡単に描ける魔法のアイテムのように思えますよね。
確かに、アナログに比べて修正や加工が簡単というメリットはありますが、ツールに慣れるまでの時間が必要なので、アナログから移行してすぐに上手なイラストを描けるわけではありません。
アナログからデジタルへ移行するなら、「時間をかけてデジタルに慣れていこう!」と気持ちに余裕を持っておくと、思い通りのイラストが描けない焦りが生まれにくいですよ。
もちろん、慣れだけではなく基礎力も大切です。基礎力がなければ、どんなに機能を駆使しても思い通りのイラストを描くのは難しいでしょう。
イラストを描いていて「基礎力が足りないな…」と感じたら、基礎力向上のための練習から始めてみてください。本気でイラストが上手くなりたいなら、専門学校やスクールに通うのがベストなので検討しましょう。
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アミューズメントメディア総合学院のキャラクターデザイン学科は、独自の『現場実践教育』と『産学共同システム』により、エンターテインメント業界の現場と同じ環境で即戦力となるプロの技術やノウハウをしっかりと学ぶことができます。カバーイラスト実績500冊突破、加藤アカツキさん、ここかなたさんをはじめ、イラストレーターとして活躍している先輩を数多く輩出しています。
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