
キャラクターイラストを描く人の多くが、「もっと上手く描けるようになりたい!」と思っているはずです。
今回はキャラクターのラフ画と線画の描き方、色の塗り方のポイントまで、初心者向けのテクニックを紹介します。
目次
キャラクターイラストを上達させるためには?
キャラクターイラストの描き方に入る前に、知っておきたい3つのポイントについて見ていきましょう。
「見ながら描く」は大切
イラストを描く時、資料や見本を何も見ないで描いているという人は、意外と多いのではないでしょうか。
実は資料を見ながら描くようにするだけでも、かなり上達します。
プロのイラストレーターも、写真やデッサン人形を資料にイラストを描くこともあるので、見ながら描くことは悪いことではありません。
好きなマンガやアニメのイラストを見本に、模写しましょう。
自信のない人は、見本の上にトレーシングペーパーという薄い紙を敷いて、上からなぞるところから始めてみてください。
ただし他の人の作品を描き写して、自分のオリジナルの作品として発表するのは、著作権の侵害になるので注意しましょう。
イラストを見本にするのに慣れてきたら、デッサンのように、人や鏡に映った自分を見ながら描いてみましょう。
写真を見本にしても大丈夫です。
見本を見て描くうちに、だんだん形を覚えてきて、最終的には何も見なくても描けるようになっていきます。
必ず最後まで完成させる
イラストを上達させるには、正しい描き方を覚える他にも、必ず最後まで完成させることがとても大切です。
顔だけ、線画だけなど、いつも途中まで描いてやめてしまうという人は要注意です。
イラストを描くときは、最低でも上半身まで描いて、色塗りまで完成させましょう。
完成させたイラストを人に見せたり、SNSにアップしたりするのもおすすめです。
道具は必要?
今回はキャラクターを描けるようになることが目的なので、特別な道具は必要ありません。
シャーペンやボールペン、色鉛筆など、まずは家にあるもので練習しましょう。
ただ道具をそろえるとやる気もアップするので、予算をよく考えて、ミリペンやコピックなどを用意しても良いでしょう。
将来プロのイラストレーターを目指している人は、早いうちからデジタルに慣れておく方が良いですが、専用ソフトやペンタブレットは値段が高いので、無理にそろえる必要はありません。
ですが、無料のデジタルソフトをダウンロードして触ってみるだけでも、デジタル特有の「レイヤー」や「クリッピング」などの知識を覚えるのに役に立ちます。
キャラクターの描き方・ラフ編
では、キャラクターの描き方について解説していきましょう。
今回は、アナログでもデジタルでも活用できる描き方を紹介します。
まずは、全体のバランスを整えるためにラフを描きます。
見本のイラストを見ながら、顔や体をざっと描き写します。
ポイントは、慣れていないうちはあまり描き込みすぎないことです。
ラフを描くのは、あくまで全体のバランスを見ることが目的だからです。
たとえば目や髪の毛など、顔を一生懸命描き込んだ後に、「体のバランスから考えると、もう少し顔を小さくした方が良い」となった時に、また顔を描き直すことになってしまいます。
こうした時間のロスを減らすためにも、ラフの時点ではバランスだけを意識して、落書き程度にしておくのが良いでしょう。
慣れて感覚でバランスが取れるようになったら、ラフの時点である程度描き込みをしておけば後の作業が楽になります。
各パーツのラフのくわしい描き方については、こちらの記事で解説しています。
キャラクターの描き方・線画編
ラフで大体のバランスや大きさが分かったら、今度は線画を描いていきます。
見本とラフを参考に、しっかりキャラクターを描き込んでいきましょう。
線画はアナログの場合、シャーペンや鉛筆などで下書きをしたら、ボールペンやミリペンなどで清書していきます。
デジタルなら、ラフと線画のレイヤーは必ず分けましょう。
線画の描き方のポイント
線画の描き方のポイントは、次の通りです。
線の強弱を意識する
線画を描くときは単調な線ではなく、線の太さを変えて強弱をはっきりつけましょう。
こうすることで、線画の時点で立体感や影を表現することができます。
体と服の境目、顎の下、髪の毛と肌の境目など、影になっているところは線を太くし、逆に、頭のてっぺんや、肘のとがっている部分など、光の当たっているところは線を細くすると、線画にメリハリが生まれます。
なるべく線をつなげる
線画を描くときは、はみ出したり、隙間ができたりしないよう、なるべく線をぴったりつなげて描くと上手に見えます。
特にデジタルの場合だと、線をぴったりつなげれば、バケツツールで簡単に塗りつぶしができて便利です。
ただし線の強弱の項目でも説明した通り、線を細くすると光が当たっていることを表現できるので、強い光を表現したいときは線画をわざと途切れさせて描くこともあります。
イラストを描くのに慣れてきたら、こうした表現にも挑戦してみると良いでしょう。
パーツ別・線画の描き方
ここからは、パーツ別の線画の描き方について解説していきます。
ラフを目安に線画を描きこみましょう。
顔の描き方
輪郭を描いたら、キャラクターの印象を左右する目から描くのがおすすめです。
目の描き方には個人差がありますが、最初は好きなアニメや漫画のキャラクターの目を見本に描いてみましょう。
優しい印象にするなら垂れ目、気の強い印象にするならつり目というように、目の描き方でキャラクターの性格を表すこともできます。
優しい、可愛らしい印象の目
活発、コミカルな印象の目
体も、ラフがしっかり描けていればバランスがくずれることはありません。
線画を描く時に苦労するのは、服ではないでしょうか。
どんなポーズをするとどこにシワができるのか、資料を見ながらパターンを覚えていきましょう。
手の描き方
キャラクターのパーツの中でも特に苦手な人が多いのが、手です。
ラフ画では、手を単純な形に分解して描くと解説しましたが、線画を描く時も単純な図形で全体像を描いてから細部を描き込んでいくようにしましょう。
指などの細部から描いていくと、バランスがくずれる原因になります。
ここまで、バランスの取れたイラストを描くために「おおまかな全体像をとらえる」ことが大切だと繰り返し伝えていますが、全体像をとらえる練習にクロッキーがおすすめです。
アミューズメントメディア総合学院のキャラクターデザイン学科でも、クロッキーの授業をしています。
その他、キャラクターを上手く描くための授業がたくさんあるので、どんな授業をしているか気になる人は学科ページを見てみましょう。
キャラクターの描き方・色塗り編
色塗りの方法はとてもたくさんありますが、初心者にもおすすめなのがアニメ塗りです。
アニメ塗りはベースの色と影(暗い色)の2色で塗ることができるからです。
1つのパーツにあまり多くの色を使いすぎないことがポイントで、多くてもハイライト(明るい色)を足した3色までがおすすめです。
光の当たり方を意識しよう
見本を見て色を塗るとき、必ず「どこから光が当たっているイラストなのか」ということを確認しながら塗っていきましょう。
光の当たり方を意識して、どこが明るくなってどこが暗くなるのかということを覚えておけば、そのうち見本を見なくても自分で影やハイライトが塗れるようになります。
塗る順番に注意
イラストを塗るときは、薄い色から濃い色の順番に塗っていきましょう。
ハイライトを入れる場合はベースより薄い色で塗っても良いですが、「白く塗り残す」という方法もあります。
ベースを塗るときは、ハイライトを意識して塗り残しましょう。
難しければ、ベースを塗ってから消しゴムでハイライトの部分を消す方法がおすすめです。
色の選び方のポイント
影やハイライトの色を選ぶのは難しいですが、次の簡単なポイントさえ押さえていれば、違和感なく仕上げることができます。
ただし色塗りに正解はないので、さまざまな塗り方を試して雰囲気の違いを比べたり、自分の好きなテイストを見つけたりして楽しんでみてください。
- ベースの色は明るめにする
- ベースが暗いと全体的にくすんだ印象になるので、なるべく明るめの色を選ぶようにします。
ただし夜のシーンなど暗い場所を表現したいときは、ベースを暗くしても大丈夫です。 - 影はベースより濃い色で
- 影の色はベースより暗い色というイメージがありますが、黒に近い色を選んでしまうとイラスト全体が暗い雰囲気になってしまいます。
ですから、ベースが肌色なら影はオレンジといった風に、影の色はベースより濃い色と考えて選んだ方が良いでしょう。
ベースと影の色の違いがはっきりしていると強い光が当たっているイメージ、違いがあいまいだと夜など暗い場所のイメージなど、影の色でイメージも大きく変わります。
アナログなら、まずは影を薄く塗ってみて、塗り重ねて少しずつ濃くしていくことで調整ができます。
デジタルで塗るときのポイント
デジタルの場合は、ラフ・線画・色塗りはそれぞれ別のレイヤーに描きます。
基本的に、色塗りの時は大量のレイヤーが必要になります。
肌、髪、洋服、小物など、パーツごとにレイヤーを作り、さらに肌のハイライト、肌のベース、肌の影など、1つのパーツにつき2〜3枚のレイヤーが必要です。
細かくレイヤーを分けることで、修正や調整がしやすくなります。
ただ、レイヤーの切り替えを忘れて、肌と髪を同じレイヤーに描いてしまったということも起こりやすいので、よく注意してください。
また影を塗るときは「乗算レイヤー」を使えば、自動的に影に適した色で塗れるようになるのでおすすめです。
普段はアナログイラストを描いているけど、デジタルイラストにも挑戦してみたいという人は、アミューズメントメディア総合学院の体験説明会がおすすめ!
体験説明会では、プロも使う機材やソフトを使ってデジタルイラストに挑戦できます。
先生や在校生が丁寧に教えてくれるので、初心者でも安心して参加できますよ。
>>体験説明会
ミニキャラ(デフォルメキャラ)の描き方
ここからは番外編として、ミニキャラ(デフォルメキャラ)の描き方を解説していきます。
ミニキャラで特に意識したいのが「頭身」です。
ラフ画の描き方でも解説した通り、普通にキャラクターを描く時は、男性なら7頭身ほど、女性なら6.5頭身ほどを目安に描きます。
一方でミニキャラは年齢や性別、身長に関係なく、2〜3頭身で描くのが一般的です。
たとえミニキャラであっても、バランスが大事なことには変わりないので、ラフ画から線画を描くという手順は守りましょう。
頭は丸く大きく、体は小さめに描くとバランスが取れた可愛いミニキャラを描くことができます。
またミニキャラはどんなキャラクターでも頭身が同じになるので、キャラクターの個性を出すのが難しいですが、髪型や小物などで差別化すると良いでしょう。
無料でキャラクターの描き方が学べるおすすめ講座
最後に、「もっとくわしくキャラクターの描き方を学びたい」という人向けに、無料で学べるおすすめ講座をまとめました。
pixiv描き方ページ
pixivに投稿されたイラスト講座や作画資料を探せるサイトです。
キャラクターのポーズ、アタリ、表情や、顔・手・髪などのパーツごとの解説など、細かくカテゴリ分けされているので、知りたい情報がすぐに見つかるのが良いところです。
ただし投稿数がとても多く、プロではない人の投稿も混じっているので、良い講座を自分で見極める必要があります。
参考URL:pixiv描き方ページ
人を描くのって楽しいね
人物の描き方をとても分かりやすく解説しているサイトです。
今回解説した「単純な形に分解して描く」というテクニックを、さらにくわしく紹介しています。
見本の絵がリアルなので、キャラクターイラストとは少し絵柄が違うかもしれませんが、人体の構造を理解するにはぴったりのサイトです。
参考URL:人を描くのって楽しいね
お絵かき講座パルミー 無料講座
イラストやマンガの描き方が学べるオンライン教室・パルミーは、有料講座ですが、中には無料で公開している講座もあります。
キャラクターの描き方を始め、構図や背景まで、イラストに関する様々な講座が動画で見られます。
しかし、これまで紹介してきたサイトにも言えることですが、描いたイラストを添削してもらえるというサービスは無料版にはありません。
参考URL:お絵かき講座パルミー 無料講座
アミューズメントメディア総合学院 体験説明会
アミューズメント総合学院 キャラクターデザイン学科の体験説明会では、キャラクターの描き方に関する無料講座をしています。
プロのイラストレーターから直接キャラクターの描き方を教わり、描いたイラストにアドバイスももらえます。
イラストが上手く描けるようになるには、知識を身につけるだけではなく、描いたイラストにアドバイスをもらって直していくことが大切です。
本気でキャラクターイラストを上達させたい!と思っている人は、練習するだけではなくプロに見てもらいましょう。
>>体験説明会
まとめ
キャラクターの描き方について、ラフ画から線画、色塗りまで紹介してきました。
キャラクターの描き方を練習するには、最初のうちは必ず見本を見るようにして、ラフ→線画→色塗りを必ず最後までやり遂げてください。
イラストをもっと上達させるには、1人で練習するだけでなく、プロからアドバイスをもらうことが大切です。
アミューズメント総合学院 キャラクターデザイン学科の体験説明会では、毎月キャラクターの描き方に関する無料の講座をやっています。
体験説明会に参加して、次のステップに踏み出してみましょう。
オンラインで受けられる講座もあります。
>>体験説明会
イラストレーターになるための方法を知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみてください。
プロのイラストレーターを目指すならAMGで学びませんか?
アミューズメントメディア総合学院のキャラクターデザイン学科は、独自の『現場実践教育』と『産学共同システム』により、エンターテインメント業界の現場と同じ環境で即戦力となるプロの技術やノウハウをしっかりと学ぶことができます。カバーイラスト実績500冊突破、加藤アカツキさん、ここかなたさんをはじめ、イラストレーターとして活躍している先輩を数多く輩出しています。
「絵を描くことが好き」「キャラクターデザイナーになりたい」というあなたの思いや夢をとことん応援します。ご興味がある方は以下のリンクをご覧ください。
アミューズメントメディア総合学院 キャラクターデザイン学科(東京)
監修・運営者情報
監修・運営者 | アミューズメントメディア総合学院 キャラクターデザイン学科 |
---|---|
住所 | 東京都渋谷区東2-29-8 |
お問い合わせ | 0120-41-4600 |
詳しくはこちら | https://www.amgakuin.co.jp/contents/chara/ |