髪型をアレンジして描く時のコツや髪の塗り方の手順もご紹介します。髪が上手に描けるようになるとキャラクターの魅力を表現する力が上がり、人物のイラスト制作が楽しくなりますので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
髪の描き方の基本
髪の描き方の基本知識を知っていると、バランスのとれた立体感のある髪を描くことができます。
どういう髪型をどの角度から描くときでも、必ず守っていただきたい3つの基本を解説します。
頭のアタリをとる
まずは顔と頭のアタリを描いて、頭の形をはっきりさせましょう。
頭頂部には分け目のアタリをとります。
頭の形に沿って髪の毛を描くことで立体的な印象を与えることができます。
つむじの位置を決める
頭のアタリをとったら、つむじの位置を決めましょう。
人間の髪の毛はつむじから下りるように流れているため、髪の毛を描くときは、基本的につむじから下ろすよう意識すると自然に仕上がります。
ただしすべての髪の毛がつむじから生えているわけではないので注意してください。
ブロックごとに分ける
髪の毛を描くときは、前髪、横髪、後ろ髪の3つのブロックに分けて描きましょう。
パーツごとに描かず、髪の毛をひとまとめに描こうとすると平面的な仕上がりになりがちです。
ブロック分けをして描くことで立体的な印象を与えることができます。
また髪の毛の流れをイメージしやすくなるので、描きやすさを感じられるでしょう。
自然な髪の毛を描くための4つのコツとは?
髪の毛を自然に描くための4つのコツを紹介します。
「自然であること」は、人物のイラストを描く上で特に意識したいポイントです。
髪の描き方の基本に沿っていても不自然さを感じる方は、これから紹介するコツを押さえながら描いてみてください。
適度なボリューム感を出す
髪の毛の厚みは、頭のアタリの線よりも一回り大きめになるように描くと、自然なボリューム感を演出することができます。
アタリの線に沿って描くとボリュームがなく不自然な印象を与え、アタリの線よりも大幅に外側に描くと頭が大きく見えてしまうため気をつけましょう。
髪の毛の流れを意識する
髪の毛の流れを意識することは、髪の立体感や自然さを演出することができるためとても重要です。
髪の流れは、生え際だけでなく、髪の中間部分や毛先を描くときにも意識するようにします。
例えば髪の毛が肩にかかる長さの場合、肩にかかるときにふくらみを持たせたり、毛先を跳ねさせたりなど、髪の動きに合わせた流れを描くようにしましょう。
メリハリをつける
髪の毛を描くときは、毛束の大きさをすべて同じにするのではなく、太いものと細いものを混ぜるよう意識します。
メリハリのある毛束をつくることで髪の毛の柔らかさを演出することができます。
大まかに描いてから細かい毛束を描くと、バランスが崩れにくくなるのでおすすめです。
遊び毛を足す
全体の髪の毛が描けたら、細くて柔らかい動きのある遊び毛を足します。
サイドや後ろ髪に遊び毛を足すことで、立体感や自然さを演出することができます。
髪型による描き方のコツとは?
髪の描き方の基本とコツを押さえたら、応用編として、髪型別に描くコツをご紹介します。
髪の長さがキャラクターの特徴になったり、髪型をアレンジさせることで個性を出したりすることができますよね。
特に女性は複雑なヘアスタイルも多いため、描くのが難しいと思います。
キャラクターやシチュエーションに合った髪型が描けるようになると表現力アップにつながるので、ぜひ参考にしてみてください。
ポニーテール(ツインテール)
ポニーテールのように結び目がある髪形は、結び目に髪が集まるように髪の流れを描くと自然な仕上がりになります。
一点に線が行くように意識して描いてみましょう。
また、襟元に残った後れ毛を描くと、女の子らしさや自然さを表現することができるのでおすすめです。
同じポニーテールでも、ボリューム、高さ、長さなどの違いで印象が変わるため、自分の好みを探してみてくださいね。
ツインテールを描く時も意識したいポイントは同じなので、髪の流れと後れ毛を意識して描いてみてください。
三つ編みヘア
三つ編みは、編み込み方を理解すると描きやすくなります。
上の図でイメージしにくい方は、自分の髪の毛や紐を三つの束に分けて規則正しく編み込んでみましょう。
イラストにするときは、二本の束が交互に重なるイメージで描くと綺麗に描けます。
後れ毛を描いたり、毛先を少し丸めて描いたりすると、女の子らしい柔らかさを演出できるのでおすすめです。
おだんごヘア
ポニーテールのように、おだんごヘアも結び目に髪の流れが集中するように意識します。
また、おだんごを作るときは、髪の毛がどうまとまっておだんごの形を作っているのかを理解して描くことが大切です。
おだんごヘアを作る方法は、結び目に髪を巻きつけてピンで留めたり、輪ゴムで輪っかを作ったりなどいくつかあります。
一度、自分の髪の毛やハンドタオルでおだんごを作って、髪の流れを確認してみましょう。
ウェーブヘア
ウェーブヘアはS字の流れを意識して描きます。
女性らしくふんわりとした柔らかい印象を演出したい方は、ウェーブさせる位置をずらして描いてみましょう。
反対にウェーブの位置をそろえてS字の数を多くすると、少し固そうなかっこいい印象をつくることができます。
オールバック
オールバックを描くときは、最初に生え際を決めます。
おでこの広さによってキャラクターの個性が出るため、おでこを出す髪型は生え際が重要です。
また、富士額にしたり丸みを強くしたりなど、生え際の形にも特徴を出すと面白いでしょう。
生え際の位置と形を決めたら上に向かって髪の毛を描きます。
生え際の中心や分け目の一点に髪が集まって見えるよう、意識しましょう。
オールバックの描き方のポイントは、ポンパドールや男性のヘアアレンジにも応用できますね。
髪の塗り方の手順
髪の塗り方の手順をご紹介します。
髪を塗る時の大まかな手順は以下のとおりです。
- 髪全体をベタ塗りする
- グラデーションをつくる
- 影をつくる
- ハイライトを入れる
ツヤのあるさらさらな髪の毛を表現するためには、色の明暗のメリハリをつけることと毛の流れに沿って塗ることを意識してみてください。
また今回はパソコンやタブレットで制作する方にもわかりやすいよう、実際に編集で使用したツールにも触れています。
デジタルイラストのメリットや必要な道具、練習方法が気になる方は、ぜひ下記記事をご参考ください。
デジタルイラスト初心者必見!アナログにはないメリットや必要な道具を紹介
ベースの色を決めてベタ塗りする
最初はベタ塗りをして髪全体に色を入れます。
今回は無難な茶色を塗ります。
ベタ塗りする色は、仕上がりのイメージよりも明るめの色を選ぶよう注意しましょう。
画像を見比べてもらうとわかりますが、後の手順で暗い色を入れるため、最初よりも全体的に暗い仕上がりになります。
グラデーションをつくる
エアブラシを使って頭頂部からふんわりとグラデーションをつくります。
ベースの色より少し濃い色を使うのがおすすめです。
単調な色合いにしないことで立体感を出すことができます。
影をつくる
光が当たっている位置を意識して、髪の毛が重なっている部分に濃く影を入れます。
髪の流れに沿って塗ることと、影を置きすぎて髪全体の色が暗くなりすぎないように注意しましょう。
影を入れるとメリハリが生まれますね。
影の色は、ただベースより暗くするのではなく、鮮やかさを出すために少し青みがかった色や紫が混ざった色など色彩を変えて選ぶことがポイントです。
今回は青みがかった色を乗算レイヤーで塗りました。
ハイライトを塗る
ハイライトの色は、ベースとなじむ色でなるべく明るい色を選ぶのがポイントです。
ハイライトを塗るときは、レイヤー効果の一つである【発光レイヤー】を使うと便利なので試してみてください。
まとめ
今回は髪の毛の描き方について解説しました。
線の描き方や色の塗り方の基本知識とコツを押さえることによって、立体感のある自然な髪のイラストが制作できます。
イラスト力を伸ばしたい方は、今回解説した内容を意識して何回も練習してみてください。
また、漫画家やイラストレーターなどの絵を描く仕事が気になる方は、独学では限界があるため、専門学校へ進学することがおすすめです。
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