絵本作家になるには?仕事内容や必要な資格について解説

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    子どもの頃に絵本に触れて興味を持ち、その感動から絵本作家を目指す方も多いでしょう。

    テレビやSNSといったメディアで絵本の人気が特集されることが増え、親が子どもにおすすめの絵本の情報を積極的に集めていることも珍しくありません。

    実際に、柴田ケイコさん作の絵本「パンどろぼう」は2021年にテレビで紹介されて、オリジナルグッズがたくさん販売されるほど大人気になりました。

    また、最近では子ども向けの絵本だけではなく、大人向けの絵本も数多く登場しています。例えば、シェル・シルヴァスタインさん作の「おおきな木」は、大人が読むと子どもとは違う視点で考えることができる奥深い絵本として話題を呼んでいます。

    このように、多種多様な作品で幅広いファンを獲得できることや自治体・学校による読書推進活動、読み聞かせや絵本作品のキャラクターイベントといったイベントの増加などによって、少子化が続く中でも絵本の売り上げは好調です。

    さらに、SNSなど自発的に発信できる機会が増えたため、絵本作家が自分の作品を拡散しやすい時代になったとも言えます。

    それでは、実際に絵本作家になるにはどうすれば良いのでしょうか。今回は絵本作家になる方法について詳しくご紹介していきます。

    • この記事の監修者
    • アミューズメントメディア総合学院は、東京恵比寿にあるイラスト、ゲーム、アニメ、マンガ、小説、声優などの業界や職業を目指す方のための専門の学校です。イラスト系学科をお探しの方はこちらへ。また、キャラクターデザイン学科を知りたい方はこちらへ
    • 1年次は基礎画力の徹底と、応用した表現力を向上し、2年次で就職・デビューを意識したエンターテイメント性を高めるカリキュラムで、2年で未経験者をプロとして育成していきます。
    • 体験説明会では、キャラクターデザインのプロからイラストの書き方など学べますので、ご興味がある方は、是非一度参加してくださいね!体験説明会ページはこちら
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    絵本作家の仕事とは

    絵本作家の主な仕事は、名前からわかる通り、1から絵本を描くことです。

    ただし、絵本作家の中には絵とストーリーの両方を手がける人もいれば、絵だけ描く人、ストーリーだけ考える人もいるため、その働き方は様々です。

    それぞれ得意分野だけ行うのも勿論良いですが、もし絵本作家として生計を立てていくことを考えているのなら、絵とストーリーの両方が作れたほうがいいです。

    「絵だけ」または「ストーリー作成だけ」といった仕事も引き受けられるため、仕事の幅が広がります。

    絵本作家としてだけで生計を立てるのは少し厳しく、多くの作家は、イラストレーターや著述家などと兼業をしながら絵本を描いています。

    制作する絵本の種類

    絵本には様々な種類があり、対象年齢によって、適したストーリーや絵の雰囲気が異なります。主な絵本の種類は以下のとおりです。

    • 赤ちゃん向けの絵本
      0~2歳くらいまでが対象の絵本で、ストーリーがないことが多いです。言葉を繰り返した文章になっていたり音が鳴ったりするものや、布で作られたものなどがあります。親とのコミュニケーションが目的とされます。
    • 幼児絵本
      2~4歳くらいまでの幼児が対象の絵本。言語能力が発達する時期に合わせて、生活習慣や人生の教訓などを学ぶことが目的です。子供の成長を促します。
    • ストーリー絵本
      4~6歳くらいまでの未就学児を対象とした絵本です。4~6歳は、絵本のストーリーと世界観を理解できる年齢なので、登場人物に感情移入して物語に没入できます。
    • 大人向け絵本
      大人を対象とした絵本も存在します。子ども向けの絵本よりもテーマが深くて難しいものが多いです。社会風刺や哲学的な意味合いが強いと言えるでしょう。
    • 仕掛け絵本
      ページを開くと飛び出す仕掛けなどがあり、読者を驚かせる絵本です。赤ちゃんや未就学児が読むことで、絵本に興味を持つきっかけになります。絵本にどんな仕掛けを入れるかを考えながら、ストーリーやイラストの構図を考えなくてはなりません。

    絵本作家と童話作家の違い

    絵本作家に似た職業に、童話作家というものがありますが、この2つの違いは明確です。

    絵本作家は絵をメインに物語を表現するのに対して、童話作家は文章をメインに物語を表現します。

    童話にも挿絵が存在しますが、絵本のように全てのページに絵を入れるわけではありません。

    また、対象年齢にも違いがあり、絵本は年齢の低い子どもを対象にするものが多く、童話はそれよりも年齢が高い児童を対象にするものが多いです。

    制作以外の業務

    有名な絵本作家になると、作品がグッズやアニメ化されたり、メディアからインタビューを受けたりする機会も増え、収入も増える傾向にあります。

    現在はSNSが普及していることもあり、話題なれば一気に人気になることもあります。

    そのため、常に作品を発信し続けることが絵本作家になるための第一歩とも言えるでしょう。

    絵本作家になるためには

    絵本作家になりたい女性絵本作家の仕事内容についてご紹介してきましたが、実際に絵本作家になるためにはどのような手順を踏めば良いのでしょうか。

    絵本作家になるための具体的な方法をここからはご紹介していきます。

    絵本の賞・コンクールに応募する

    絵本作家になるための王道の方法が、絵本の賞・コンクールに応募することです。

    未来の絵本作家を発掘するため、さまざまな出版社が作品を募集しています。

    もし作品が大賞を受賞すれば、出版にぐんと近づくことができます。

    大賞が取れずとも佳作などでも、実力があれば出版できる可能性は十分にあります。

    絵本の出版を夢見る大勢の人たちが投稿するため、倍率は高くなっていますが、自分の実力がどの程度なのかを知るという意味でもチャレンジする価値はあると思います。

    出版社に絵本を持ち込む

    絵本作家になるには、自分の作品を出版社に直接持ち込んで、見てもらう方法もあります。

    出版社の編集者に認められることは簡単ではないため、いくつもの出版社に足を運ぶことになる可能性も高いです。

    直接出版社に出向くのはハードルが高いと感じる人も多いかもしれませんが、アドバイスをもらえることもあるので、メリットは大きいでしょう。

    絵本作家の専門学校やスクールに通う

    出版社や現役の絵本作家が講師を担当する絵本のスクールに通うのも一つの方法です。

    スクールに通うメリットとしては、基礎的な能力の養成を短期的かつ効率的に行うことができることです。

    独学では難しい添削といった学習方法もプロの指導のもとで取れるため絵本のクオリティーの底上げを行うことができます。

    他にも出版社や編集者とのコネクションを手に入れられることも大きなメリットです。

    絵本は誰でも作成できますが、多くの人の心を動かすことのできる絵本を描くことは簡単なことではありません。

    入学費用や授業料がかかるという点があるので、誰にでもおすすめできる訳ではありませんが、可能な場合はスクールに通い最大限の効果・効率を求めることで絵本作家に近道につながります。

    自費出版で絵本を製作する

    実はコンテストで入賞し、編集者とのコネクションがなかったとしても、自費出版であれば誰でもすぐに絵本を製作し、絵本作家になることができます。

    アマチュア作品でも、編集者が手を入れればプロ同様の作品を作ることもできますし、自分のこだわりを貫き通せるのも自費出版のメリットです。

    編集者の方との打ち合わせで自分のしたい表現が制限されてしまうのが嫌という方にはおすすめです。

    自費出版からのスタートでも、作品がヒットすれば、出版社から声がかかり専業の絵本作家になれる人ももちろんいます。

    しかし、自費出版する際は、相応の費用がかかります。

    経済的な余裕がなければできないこともあるため、電子出版をする方向に舵をとる方もいらっしゃいます。

    特に最近は電子書籍のサイトを見ていても絵本も見かけるようになりました。

    電子出版の最大のメリットは、多少のITの知識があれば、誰でも安価に自費出版できることです。

    AmazonやAppleといった世界規模のプラットフォームを使えば、世界中の人たちに自作を広めることも可能となっています。

    ただし、電子書籍のデメリットは、国内の電子書籍の普及率がまだまだ低いということです。

    また、子供にはスマホやアプリなど使わせることをあまり良く思わないと考えている親御さんは多いため、絵本業界の電子書籍の普及率はさらに低いことが想定されます。

    そのため、紙でもベストセラーが生まれにくい絵本業界において、電子書籍でヒット作品を生み出すのは相当難易度が高くなってしまっています。

    電子書籍の業界でもヒット作品となれば、紙の書籍での発売を実現した作家も存在するため、不可能と決めつけることはできませんが、あまり現実的ではありません。

    電子書籍の出版しか手がないという方は、はじめから「ダメだ」と諦めるのではなく、前向きに挑戦してみるのが良いでしょう。

    絵本作家に必要な能力

    絵の具
    それでは絵本作家に必要な能力とは一体どのようなものでしょう。

    誰にでもできそう、簡単そうと思われがちな絵本の制作ですが、実は少ないページ数で印象的な物語を絵付きで制作するため、難しい部分も多くあります。

    そんな絵本の制作には何が必要なのか、詳しく見ていきましょう。

    絵を描く能力

    もちろんではありますが、絵を描く能力は必須と言えるでしょう。

    また、たとえストーリーしか書かないとしても、絵でストーリーのニュアンスなどを伝える必要はあるので、描ける方が良いです。

    しかし、上手い下手というよりは見やすさが大切な要素になり、近年は飛び出す絵本のような工夫のされた絵本が注目を集めていることも特徴となっています。

    また、独特なタッチの絵であることも話題に上がりやすい要素にもなります。

    自分の作品の方向性を決める際には、どのような絵柄でどのような工夫をするか絵を描く時点で考えておくことが大切です。

    物語を考える能力

    絵を描くことだけでなく、絵本作家を専業にしたい方は物語を考える能力も必要になります。

    子供の前で読み聞かせをする親御さんや保育施設も多いため、わかりやすい物語にするのが大切です。

    特に絵本を手に取るのが親御さんということを考えると、子供に学んで欲しいことを盛り込まれていることを重視する親御さんも少なくありません。

    自分だったらどのようなことを子供に伝えていきたいかを考えておくと、多くの方の手に渡る可能性が上がるでしょう。

    誰にでも分かりやすい文章を作る能力

    絵や物語と同じくらい重要なのが、誰にでも分かりやすい文章を練る能力です。

    物語を子供が簡単に読めるくらいに短く、かつわかりやすい文章を書くことができなければ、子供に気に入ってもらうこともできず、記憶にも残りづらいものとなってしまいます。

    読みやすくありながらも、印象的な文章を書くには練習が必要です。

    また、第三者の目が必要になる場面も少なくないので、自分の作品を作る際はできるだけ早い段階で第三者に読んでもらうことも大切です。

    他人と違う見方ができる独創力

    絵本の絵やストーリー、登場人物の設定には、オリジナリティーが必要です。

    他の絵本にないような高い独自性で、読者を絵本の世界観に引き込まなくてはなりません。

    そのためには、物事に対して他人と違う見方ができるかどうかが重要。

    他人と物事を見る角度を変えて、違う考えを持つことができる、固定概念に捉われない発想ができるといったことが、大きな強みになります。

    自分の作品を売り込むプレゼン力

    出版社の編集部に自分の絵本を持ち込む場合などに必要なのが、自分を売り込むプレゼンテーション能力です。

    編集者の意見や質問に対して、何も答えられなければ、仕事を獲得することが難しくなってしまいます。

    自分の考えを言葉で伝えられるスキルを身につけておくと、絵本作家デビューのチャンスを掴める可能性が高くなると言えます。

    ただし、自分を売り込むと言っても、自分の意見を押し通すこととは違うので注意しましょう。

    壁にぶつかっても挫けない忍耐強さ

    絵本の制作は、根気が必要な作業です。特に、絵のタッチが統一されていなければ、絵本の世界観を表現できません。

    絵とストーリーを手掛けている絵本作家の場合は、制作時間もかなりかかるでしょう。地道に最後まで絵本を仕上げる忍耐強さが必要です。

    また、絵本作家としてデビューし、活躍することは、簡単ではありません。

    思うように成果が出なくても諦めずに、積極的に情報収集をして、挑戦を続けることができる忍耐力が重要です。

    絵本作家に必要な資格とは

    絵本作家に必要な資格とは
    取得しなければ絵本作家になれないという資格はありませんが、取得すると役に立つものはあります。

    • 色彩検定
      配色の基本、色の視覚的・知覚的効果、色彩心理など、色彩調和に関する知識とスキルを身につけることができるので、絵を描く時に役に立ちます。
    • Illustrator・Photoshopの資格
      かつて絵本作家は、アナログで絵を描いていましたが、最近ではデジタルで制作することも多くなりました。

    デジタルの絵本やイラスト制作の依頼があった場合に、IllustratorやPhotoshopの資格を持っていると知識を有効に活用できます。

    その他のペイントソフトでも良いでしょう。アナログにもデジタルにも対応できる柔軟性があると、活動の場が広がりやすいでしょう。

    絵本作家に必要な能力を養うためには

    絵本作家を目指すのであれば、今からできることを始めて、必要な能力を伸ばしたいですよね。

    絵本作家に必要な能力を養うための方法を、ご紹介します。

    絵本の内容や構成を分析する

    好きな絵本を10冊ほど読み込んで、内容や構成を深く分析していきましょう。

    まず、絵本を見ながら、ノートにラフ画を描いてみてください。

    あくまでラフ画なので、イラストは雰囲気が伝わる程度で問題ありません。物語を示す文字も書き写します。

    ラフ画が完成したら、ストーリーの構成や絵の構図を見ながら、「この部分はなぜ面白いのか」「なぜこのような構成になっているのか」といった分析をしましょう。

    この作業を繰り返すことで、絵本作家の思考や表現方法を学ぶことができます。

    絵本を音読してリズムを体感する

    絵本を音読して、言葉のリズムを体感することも効果的です。

    年齢の低い子ども向けの絵本であれば、大人が読み聞かせをする機会も多くなります。

    声に出して文章を読むことで、書いてある内容を聴覚的に感じられ、子どもの感覚に近づくことが可能です。

    文章に目を通しただけでは分からない、言葉のリズムを体感することは、絵本作家に大きなメリットがあります。

    最初は少し恥ずかしいかもしれませんが、何度か読むうちに慣れてくるはずなので、ぜひ試してみてください。

    自由な発想で遊ぶ

    絵本作家にとって大学や専門学校、スクールでの勉強や人生経験は大事ですが、遊びも同じぐらい大事です。

    絵本作家は、自由な発想ができるかどうかで、想像力や独自性に差がつきます。

    絵本作家を目指す人におすすめなのが、自由な発想で子どものように遊びを創造することです。

    例えば、言葉を逆さまにして口に出してみたり、家にあるものでオリジナルの楽器を作ったりして、童心に返って遊んでみましょう。

    人は成長とともに思考能力も発達しますが、抽象的で効率的な思考に捉われがちになります。

    幼稚園や保育園に通っていた頃のような、何事にも捉われない自由な発想を持つことによって、子どもの思考がわかりやすくなります。

    絵本作家を目指す前に知っておきたいこと

    絵本作家になるために必要な能力についてご紹介してきましたが、実際に絵本作家を目指すにあたって注意しておきたい点がいくつかあります。

    こちらで詳しくみていきましょう。

    必ずしも出版社に頼る必要はない

    まず、おさえておきたいのが、必ずしも出版社に頼る必要はないということです。

    コンクールやSNSで話題となり出版社が契約を迫ってくるという場面があるかもしれませんが、それらが信頼できるかは別の話です。

    また、実績もなしに最初から出版社がついてくれるかと言われればそうではありません。

    先ほどご紹介した通り、自費出版も立派な出版方法であることを頭の片隅に置いておき、出版社から声がかかるまでは自費で活動するということも考えておきましょう。

    分業・兼業も考えておく

    また、専業で絵本作家ができる人はそれほど多くないということを踏まえ、最初は分業や兼業で絵本作家をすることも考えておきましょう。

    絵本作家として仕事をするためには、最初は信頼を得るために実績を積まなくてはなりません。

    最初から絵本作家だけで仕事をしようとするのではなく、まずは少しずつ絵本作家としての実績を積むことを優先しましょう。

    まとめ

    絵本作家になる方法についてご紹介していきましたが、いかがだったでしょうか。

    最近はテレビなどでの絵本特集も増え、面白いものが発掘されやすいので、絵本市場は以前よりも拡大している傾向にあります。

    そのため、ライバルは少ないとは言いづらいものの、絵本作家になるには良いタイミングとも言えます。

    絵本作家になるのが夢だという人は今回の内容を参考にして、まずは専門の学校やスクールなどで学ぶことも視野に入れてみてくださいね。

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