イラストの線画作業は、仕上がりに直結する部分で立体感を表現する上でも重要なポイントです。
しかし、「線画の描き方が分からない・・・」、「デジタルソフトを購入したもののツールを活用した描き方がよく分からない」といった悩みを抱えているのではないでしょうか。
そこでここでは、イラスト初心者に向けて、線画の描き方の基本からツールの活用方法、2つのテクニックについて紹介していきます。
【基本】滑らかできれいな線画の描き方
まずは、デジタルイラストにおける線画の描き方に関する基本的なポイントを、4つ紹介していきます。
デジタルイラストは、ペイントソフトなどイラスト作成ソフトおよびペンタブを活用したイラストを指します。
直感的に描けるのはもちろん、レイヤーごとに分けて作業を進めたり移動や縮小といった補助ツールをボタン1つで実行できたり便利ですよ。
ラフ画とは別レイヤーに書く
イラストを効率よく描くためには、ラフ画と線画のレイヤーを分けるのも大切です。
たとえば、線画やラフ画で修正をしなければいけない場合、レイヤーを分けておくとそれぞれの線を必要以上に消すことなく作業を進められます。
レイヤーを分ける考え方は、線画だけでなくデジタルイラストの描き方における基本ですので覚えておきましょう。
線は一発で描こうとしない
プロのイラストレーターも線画を描く時は、何度か修正を繰り返すことがあります。
そのため、線画作業を一発で完成させようと考えず、何度か修正や調整を繰り返しながら仕上げても問題ありません。
他にも髪の毛や腕、顎など比較的長い線を描かなければいけない部分は、無理に一発で描かず複数の線で仕上げるのもありです。
線画作業は、高度な技術と経験が必要となるので、何度も描き直しながら少しずつ感覚を掴んでいきましょう。
はみ出た部分を消す
複数の線で仕上げた場合や何度か描き直すと、はみ出た線も残ってしまいます。
そのような時は、消しゴムツールで不要な線やはみ出た部分を消しましょう。
消しゴムツールは、アナログと違い簡単かつ跡を残さず線を消せるので、イラスト初心者でも綺麗に線を整えることができます。
さらに消したい部分を拡大すると、必要な線と不要な線を大きな画面で確認しながら削除可能です。
影になるところ、交差するところは加筆
イラスト初心者の中には、影や交差する部分の描き方で悩んでいるのではないでしょうか。
キャラクターや建物など、どの構図や配置でも基本的に影になる部分や交差する部分は出てきます。
そうした影・交差部分は、加筆していき濃くしたり線を太くしたりしましょう。
たとえば髪の毛や服、輪郭などの中で光のあたる部分は細い線で描き、影になる部分は太い線で表現すると立体感を演出できます。
また、交差する部分は、太い線で描いたり濃く描いたりすると立体感に加えて、インクで描いたような質感も感じさせることができます。
線画を書くのにおすすめの便利ツールを紹介!
線画の描き方に関する基本を確認した後は、おすすめのツールを紹介していきます。
デジタルイラストを活用するのであれば、さまざまな補助ツールを使用しない手はありません。
ここでは図形ツールや手振れ補正など4つの便利ツールを紹介するので、これからソフトを購入する方や最近購入したばかりの方も参考にしてみてください。
キャンパスの回転・拡大
デジタルイラストで効率よく線画を描くには、キャンバスの回転や拡大も覚えておきましょう。
アナログのイラストでも、キャラクターを描きやすくするために紙の向きを変えることがあります。
デジタルイラストでも描きにくいと感じたら、キャンバスの回転機能を使用して向きを変えながら描いてみるのもおすすめです。
たとえば右利きの場合は、左上から右下(上から下)に線を描けるようなキャンバスの向きにしておくといいでしょう。(左利きの場合は、右上から左下へ描くようなイメージ)
また、服のしわや装飾など細かく描き込む必要がある時は、拡大機能を活用すると細部を大きな画面で見ながら描けますよ。
図形ツール
デジタルイラストの便利ツールには、図形ツールと呼ばれるものがあります。
図形ツールは、直線や曲線、折れ線や楕円、長方形や正方形など、多種多様な図形をワンクリックでキャンバスに描けるのが特徴です。
たとえば建物や武器など、直線の多い部分は都度線を描くよりも直線ツールを活用した方が時短にもつながりますし、正確に直線を引けます。
他には装飾品など、同じ形状が連なり曲線の多い部分は、曲線ツールや楕円ツールを複数加えることで一気に描くことも可能です。
手ぶれ補正
ペンタブおよびデジタルイラストの精度は高く、補正なしの場合ちょっとしたペンの動きにも反応します。
しかし、補正なしでは、微細な動きでも線のストロークがブレるため、手ぶれ補正を設定するのもおすすめです。
手ぶれ補正をかけると、ペンおよび手のわずかな揺れや動きを自動で補正し、綺麗で滑らかな線を描きやすくなります。
イラストのテーマや作風によって、手振れ補正の度合いを変えてみるのも面白いでしょう。
ベクター線
デジタルイラストおよび画像は、ラスターとベクター線に分かれています。
ラスターはピクセルと呼ばれる点の集合体で、線を拡大すると点の集まりであることが分かります。
また、陰影やグラデーションなどの表現に適しているのが特徴です。
しかし、ラスター線では、拡大した際に荒い画像となってしまいます。
編集しやすさという点では、ベクター線を活用してみるのもおすすめです。
ベクター線は、座標を基に線で構成されているので、拡大しても劣化しないのが強みです。
イラストは、さまざまなサイズや形状に編集することがあるので、ベクター線へ切り替えて描けるよう試してみるのもいいでしょう。
線画のテクニックで表現に差をつけよう
最後に線画の表現力を上げるために大切な2つのテクニックを紹介します。
線の強弱で遠近感や陰影を表現
イラストを立体的に描くには、彩色や構図だけでなく線の強弱に関するテクニックを身に付けるのも大切です。
線画では、線の強弱を意識することでキャラクターや風景の遠近感を表現できるようになります。
また、陰影も表現できるので、物や人の位置関係や立体感、質感も感じさせることができます。
たとえば遠近感を表現したい時は、手前の線を太く、奥の線を細く描くと位置関係をはっきりできます。
他にも柔らかく厚みのある素材を描きたい時は、強弱のある太い線で表現可能です。
線の強弱は、位置関係や質感、陰影などを表現できるので、線の太さ・細さを意識した描き方も勉強してみてください。
ペンの種類で素材を表現
デジタル線画の場合は、ペンの種類をメニューから簡単に変えることができます。
そして、ペンの種類を変えることによって、髪の毛やまつげ、金属や木など多種多様な素材を表現できるのがポイントです。
たとえばデジタル線画の鉛筆は、Gペンよりも淡い色味で背景や自然の質感を表現したい時に活用しやすく、Gペンは境目を明確にしたい時にもおすすめです。
まとめ
デジタルイラストで線画の描き方を覚える時は、イラストの基本的な技術だけでなくデジタル特有のツールを活用してみるのも大切です。
デジタルイラストは、アナログとは異なる線画の描き方および効率的な方法があります。
移動や拡大、反転といった機能はもちろん、手ぶれ補正や図形ツールも活用することで立体感や質感も表現可能です。
しかし、独学では難しいポイントもあるので、プロのイラストレーターを目指す場合専門学校で学ぶのもおすすめです。
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