プロのイラストレーターを目指している方や、趣味で最近デジタルイラストを始めた方の中には、色塗りの方法を覚えたいと考えているのではないでしょうか?
イラストの色塗りは、肌や髪、服など場所によって方法や考え方が変わります。
イラストの仕上がりをワンランクUPさせるには、ラフ画や線画だけでなく色塗り方法も身に付けるのが大切ですよ。
今回は、イラストをワンランクUPさせる色塗りの方法について紹介していきます。
カテゴリ別!デジタルイラストの色の塗り方
まずは、肌や髪などカテゴリ別に、デジタルイラストの色塗り方法について解説していきます。
色塗りは、どこをどのように表現するかによって、ツールや色の選択などが異なります。
肌の塗り方
肌の部分に色を塗る時は、ベース色に薄い肌色を選択し均一に塗っていきます。
そして、髪の毛や服など影になる部分を、髪の色や服と同系色をベース色にして塗ります。
なお、影の範囲は、構図や配置など状況に合わせて決められるよう、物や人の形や骨格、光について学ぶのも大切です。
顔に色をつける時は、ベース色に加えて頬にスプレーで影に近い色を塗り、立体感を表現するのもポイントです。
髪の塗り方
デジタルイラストの場合は、自動で範囲選択と色塗りを行ってくれます。
つまり、髪の毛の線画にすき間がなければ、色を選択すれだけで広い範囲を同時に塗ることができます。
時短にもなるので、バケツツールでベース色を一気に塗るのがおすすめです。
ただし、線画の状態によっては、一部塗り残しが発生するのでペンツール(丸ペンなど)にて白い部分を残さないよう線も含めてしっかり塗りましょう。
影については、不透明水彩ツールで光の当たり方を意識しながら、ベース色に対して明るい・暗い色を塗っていきます。
色塗り後は、消しゴムツールで影の量や範囲を調整したり、影を追加したり、ハイライトを入れながら仕上げます。
服の塗り方
服の塗り方も、髪や肌と同じくベース色と影の色、ハイライトなどを駆使しながら服の立体感や質感を表現していきます。
しかし、服は素材によって柔らかさや厚みが異なるため、難易度の高い色塗りといえるでしょう。
どのような素材でできているのか設定を確認し、素材に合わせてハイライトや影の比率や濃淡を調整するのが大切です。
たとえば布は、よほど照明や日光の強い場所でなければ、光と影のコントラストに大きな差はありません。
対して鎧や金属のアクセサリーなどは、光と影のコントラスト大きいため、ハイライトの比率も多い傾向です。
色塗りでイラストをワンランクアップさせるには?
基本的な色塗り方法を確認できたら、イラストをワンランクアップさせるために大切なポイントも見ていきましょう。
主なポイントは、レイヤーとハイライト、グラデーションの3つです。
レイヤーを使いこなす
イラストの基本でもありますが、レイヤーを使いこなすのも大切なポイントです。
たとえば線画と色塗りのレイヤーを分け、さらにベース色と影、ハイライトなど各色もレイヤーごとに分けてみます。
色ごとにレイヤーを分けるメリットは、他の色や線に影響を与えず修正や消しゴムツールで削除できる点でしょう。
同じレイヤーに線画と色塗りを行ってしまうと、はみ出た色を消そうとして線画も消してしまうリスクがあります。
レイヤーを使いこなせるようになれば、効率的にイラストを仕上げられるようになりますよ。
ハイライトを入れる
ハイライトとは、光の強く当たる部分に入れる色のことです。
たとえば、野球ボールの線画に色と影を付けた場合、野球ボールと認識できますが立体感や質感に関して物足りないと感じるかと思います。
そこで光の強く当たっていると考えられる部分にハイライトを入れると、イラストに立体感やリアルな質感といった印象を与えることができます。
なお、キャラクターの場合は、一般的に瞳や頭頂部、服の縁や体の中でも光の当たる部分にハイライトを入れます。
特に瞳にハイライトを入れると、生き生きとした雰囲気を作れるので積極的に活用していきましょう。
グラデーションを活用する
肌や髪の色は単色ではありません。また、服や物は光の反射で色の見え方も変わるので、グラデーションを活用してリアリティを出す必要もあります。
グラデーションとは、色や濃淡を連続的に変化させた状態のことです。
活用メリットは、主に物や人の立体感を表現したり、リアリティを演出したりといった点でしょう。
アナログでは難しい表現ですが、デジタルイラストはエアブラシなどで指定した箇所をクリックすると簡単にグラデーションを作ることができます。
グラデーションには、同系色の濃さで変化を表現したフラットグラデーションや、色相環において相性の良い2色を活用したツートーングラデーションなど、さまざまな技法があるので調べてみるのもおすすめです。
デジタルイラストの色の塗り方5選
続いては、デジタルイラストにおける、色塗り方法を5種類紹介します。
アニメ塗り
アニメ塗りは、名称通りアニメで見かけるようなはっきりとした色味で、グラデーションやぼかしといった技法の使用頻度の少ない点が特徴的です。
また、ベタ塗りに影やハイライトを付け加えていきます。
レイヤーは、線画とベース色、影とハイライトのシンプルな構成です。
慣れてきたら、影のレイヤーを増やしたりグラデーションを加えたりしながら、立体感や質感を高めてみるのもおすすめです。
イラスト初心者は、まずアニメ塗りから覚えてみてはいかがでしょうか。
ブラシ塗り
ブラシ塗りは、アニメ塗りにエアブラシやぼかしを加えて、ツヤやリアルな質感を表現できるのが特徴です。
エアブラシは塗りのツールで、陰影を強調する場合にも活用されています。
ぼかしは、文字通り線や色をぼかすことができ、エアブラシと併用するとアニメ塗りよりも立体感を演出できます。
しかし、ぼかしやエアブラシを多用してしまうと、立体感のない抽象的なイラストになってしまうのでバランスを見ながら調整しましょう。
厚塗り
厚塗りは、厚塗りペンや筆ブラシなどを使用して何度も色を重ねます。
手間のかかる色塗り方法ですが、美麗なイラストに仕上げることも可能です。
ベタ塗りと違い、自然な色味や質感を表現できるのが大きな特徴です。
線画に色を重ねるだけでなく、線画なしで筆ブラシなどから輪郭も作り出す方法もあります。
水彩塗り
水彩塗りは、水彩画のような淡く手描きのような色味やグラデーションを表現できるのが特徴です。
水彩塗りを行うには、デジタルイラスト内のレイヤーを画用紙へ切り替え、水彩ペンやぼかしペンでアナログの雰囲気を表現します。
さらに、オーバーレイで明るい部分を明るく、暗い部分をより暗く見えるよう強調し、濃淡の幅を広げます。
ギャルゲ塗り
ギャルゲ塗りは、主に恋愛シミュレーションゲームで活用されるため、ゲームジャンルになぞらえて呼ばれている色塗り方法です。
具体的にはアニメ塗りをベースにしていて、色の境目をなくし一体感と少し淡い雰囲気を表現しています。
特に影の色をエアブラシなどで、髪や肌、服の色となじませています。
自分の塗り方で表現に差をつけよう
プロのイラストレーターとして活躍するためには、基礎的な技術を身に付けてクライアントの要望に応えるのはもちろん、さまざまな色塗り方法と表現法を覚えるのも大切です。
そして、多種多様な色塗り方法を身に付けた上で、自分の塗り方および世界観を作り上げてライバルと差を付けましょう。
まずは、デジタルイラストのラフ画や線画、色塗りの基本をはじめ、各ツールの操作方法を覚えるのが大切です。
まとめ
イラストの色塗り方法には、さまざまな種類と手順があり、どれも奥の深い内容です。
今回は、基本的な概要と特徴を軸に紹介しましたが、これから色塗りの方法について本格的に学ぶ方は専門書籍などで学んでみてください。
他にもデジタルイラストのぼかしやペン、ブラシやグラデーションに関するツールを何度も活用して効果や使い方を覚えてみましょう。
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