ゲームのRTAとはどんな競技？広まった理由や魅力、イベントについて

RTAとは？

RTAとはReal Time Attack（リアルタイムアタック）を省略した略語で、ゲームをスタートしてからクリアするまでの時間を競い合う競技のことです。

競い合う時間には休憩や食事など、日常の生活にかかった時間も含まれているのがRTAの大きな特徴です。

つまりプレイ時間ではなく、現実の所要時間を競う競技となっています。

ただし、実際の細かなルールやスタート時間・クリア時間の基準はゲームによって差異があります。

RTAが広まったのはなぜ？

RTAが広まったのは2012年以降のこと。エンタメ動画として親しみやすくなったことが理由です。

ゲームのタイムアタックというと、以前はプレイ時間を計測し、競い合うのが基本でした。

代表的なのがスクウェア・エニックスの大人気RPG「FFシリーズ」のタイムアタックで、ゲーム内で計測されるプレイ時間を基準に、競争が行われていました。

しかし、その後ゲームのプレイ時間だけではなく、生活にかかる時間も含めた実時間での競争が行われるようになります。

そして2000年になると、プレイ時間だけを計測する従来のタイムアタックと区別して、実時間を競い合う「RTA」が作られます。

そのうちRTAの様子を撮影した動画が、動画投稿サイトへ投稿されるようになりましたが、最初の頃は記録が更新された場合にしか投稿されないこと、1回の動画時間が非常に長いことから、あまり視聴者は増えません。

ところが2012年以降、1人の動画制作者によってエンタメ色を強めたRTAの動画が投稿されたことをきっかけに、ニコニコ動画を中心とした動画投稿サイトで流行。RTAが多くの人に知られるようになりました。

RTAの魅力

ここでは、RTAの魅力を詳しくお伝えしていきます。

なぜ現代では、RTAが多くの人に楽しまれているのか？
それは、RTAが次のような魅力を持っているからです。

自由度が高い

RTAは、基本的にはゲームをスタートしてからクリアするまでの時間を競い合う競技ですが、どこをスタート地点にし、どこをクリア地点にするかは自由に決められます。必ずしも100%の達成度をクリア地点にするわけではありません。

また、時にはバグの利用がルールに組み込まれていることも。

本来なら回避するバグを用いて、イレギュラーな方法でクリアを目指す遊び方は、RTAにチャレンジするプレイヤー（走者）とっても、プレイの様子を見守る視聴者にとっても斬新で面白く感じることでしょう。

ジャンルを問わず楽しめる

RTAでプレイするゲームは、ジャンルを問いません。

終着点が明確に決まっているRPGやアクションゲームはもちろん、そうではないパズルゲームや格闘ゲームでも、クリア地点を決めればRTAが可能です。

さらに、有料ゲームのみならず無料ゲームでもチャレンジでき、ゲーム自体の新旧も関係ないので、大人から子どもまで誰もが走者になれますし、自分に合ったゲームのRTA配信が見つかります。

配信との相性が良い

記録更新する瞬間だけではなく、クリアに至るまでの過程にも醍醐味があるRTAは、リアルタイムでプレイの様子を追う配信との相性が良く、走者はもちろん、視聴者も一緒に楽しめるコンテンツです。

加えて走者の中には、実際にRTAにチャレンジする様子だけではなく、日常の練習風景を配信する方もいます。

RTAはもちろん、その練習風景の配信でも収益化が成立していることからも、RTAと配信の相性の良さが伺えます。

RTAの国内向けイベント「RTA in Japan」

元々RTAは海外で盛んに行われていた競技ですが、その勢いは日本でも拡大しています。
それを裏づけるかのように、日本では国内向けのRTAイベント「RTA in Japan」が開催されています。

RTA in Japanは、毎年夏と冬に日本で開かれる大規模RTAイベントです。

「RTAの発展と促進を図るため」のイベントであり、アメリカで行われるタイムアタックイベント「Games Done Quick （GDQ)」を参考にしています。

RTA in Japanでは、日本のRTAプレイヤーが集まり、それぞれの持ちゲームをRTAとして交代に披露します。

直近で行われた2023年12月、冬の RTA in Japan Winter 2023 では、「星のカービィ」「スーパーマリオパーティ」「ポケットモンスター」などの有名タイトルがプレイされました。

なお、RTA in Japanで行われるイベントはすべて録画されており、TwitchとYouTubeで視聴できます。興味がある方はチェックしてみてください。

RTA in Japan再生リスト一覧（youtube）

RTAには一般プレイヤーも参入できる？

RTAは、タイマーとゲームさえあれば誰もがチャレンジできます。特別なプレイスキルは必要ありません。

もちろん、記録を更新するにはプレイスキルを磨く必要がありますが、現在RTAで記録を残している走者の中には、RTAへのチャレンジを始めてからプレイスキルが上がったという方もいます。

また、先ほどご紹介した国内向けのRTAイベント「RTA in Japan」への参加に関しては、こちらも環境を整える以外に応募条件はありません。

参考：プレイヤーの方へ（RTA in Japan）

このことからRTAは、これまでゲームをあまりプレイしてこなかった方でも気軽に挑めるコンテンツといえるでしょう。

まとめ

今回はRTAについて、言葉の意味や広まった理由、魅力、国内向けイベント「RTA in Japan」などをまとめました。

RTAは、ゲームが好きな方なら誰でも気軽にチャレンジできるコンテンツの1つです。

また、配信の文化とも相性が良いので、走者のプレイを見るだけでも楽しめるでしょう。

そして、RTAが成立するために欠かせないものと言えば魅力的なゲームです。

走者として、あるいは視聴者としてRTAを楽しむのも良いですが、「ゲーム作りを通してRTAを盛り上げていきたい！」という方は、ゲームクリエイターとしてゲーム作りに携わる道を目指してみてはいかがでしょうか？

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