じんじゃーまん in AMGインターンシップ

スペシャルインタビュー監督 糸曽賢志 参加学生紹介 オフィシャルサイト
スペシャルインタビュー
AMGインターンシップ アニメーション学科

―― 今回は「産学共同プロジェクト」という事で、AMGの在校生と仕事をされたわけですが、学生と仕事をすることに対して不安はありませんでしたか?
お会いする前は多少ありましたね。面識がなく、このインターンという機会で初めてお会いする学生さんもいたので、コミュニケーションがとれるかな?とか、技術面での個人差があったらどうしようかな?とか。でも実際に作業のお願いをしたところ、皆さんしっかりとしたスキルを持ち合わせていることが分かったので、まずはどの話でも出てくる“汗をかく”などの基本動作から入ってもらいました。
長期間インターンをした学生さんにはメインの“動き”の部分までやってもらいましたし、丸々一話担当してもらったものもあります。

―― 学生が担当したパートは糸曽先生がしっかり直してくださったようですね。
いや、確かに微調整が必要な部分はありましたが、全体的にはしっかりと仕事をしてくれたといった印象です。
部分部分で学生さんの個性が出ていて、それはそれで面白いなと思いました。結果的には非常に助かりましたし。

―― 各話にそれぞれ担当の方の個性が出ているものですか?
そうですね、意外と出ていますね。例えば今回はどちらかというと作家寄りの人にスタッフとして入って頂いているので、中には僕がちょっと気になって修正をお願いしたものが、反映されないでそのまま返ってきてしまうこともありましたね(笑)。でもそれって“個性”じゃないですか?僕が“駄目”と思っていることが、他の人から見たら“良い”と思うこともあるわけで、そう考えると色々と味が出ていて面白い仕上がりだと思いますね。

―― 一般にテレビシリーズを見ていても、各話の作家さんによって違いが出てくることもありますよね。「じんじゃーまん」もシリーズを通して観ていただいて、そういう違いに気付いて頂けたらそれも嬉しいですよね。
そうですね。特にアニメーターを目指している学生さんの方にはそういう観点から見ることも勉強になると思います。

―― 実際は何人ぐらいの作家さんが参加されたのでしょうか
オープニングとエンディングはボクが制作しましたが、本編は1人平均3話ぐらいで4人程だったと思います。

―― 結構スケジュールが厳しかったと伺っていますが・・
そうですね。大変でした(苦笑)。みんなギリギリにならないと焦らないのかな?と(笑)。

―― 1話創るのにどのぐらいの時間が掛かったのでしょうか?
準備期間はそれなりに掛かっていますが、実作業に入ってからはそれほど掛かっていません。2日ぐらいしか掛かっていないものもありますし、でも最初の頃は様子を見るために少し時間を掛けていました。セルアニメと違ってフラッシュアニメの場合は同じような動きを使い回すことが出来るんです。だから話数を重ねるごとに使える素材が増えて作業が早くなっていきました。

―― プロの方からみて学生の作品(技術力)はどうでしたか?
想像以上に絵が描けるなと思いました。ディレクターの中に絵があまり得意ではないという方がいらっしゃって、そういう方はイラストレーターさんに必要素材を外注するのですが、勿論、費用も時間も掛かります。
今回はそのやり方で制作したのですが、やる気になってくれている学生さんが近くに居たのだからもっと絵を描いてもらえば良かったかもと思いました。自分たちがこの機会で勉強させてもらったことでもありますね。学生さんも結構“描ける”のかと驚きました。

―― 今回の制作で一番苦労した点は何ですか。
今回はテレビ番組ということで、決められた尺の中で制作することの難しさを思い知りました。“こういうことをやりたい”というご要望を脚本家の永森さんからいただいていたのですが、それを全部演出させるとなると5分~6分ぐらいの尺が必要でした。
しかし実際のところ、オープニングとエンディングを除くと使用できる時間は1分半。今回はアニメの制作に入る前に先にセリフを収録していたんですが、それをふつうに繋げただけでも2分ぐらいある話数もあったので困りました。セリフを削ると内容が分からなくなる危険性もあったので、出来るだけ詰めて入れ込むことで調整する以外ありませんでした。
なんか掛け合い漫才みたいになった部分もあって逆に分かりづらくなってしまったんじゃないかって(笑)。

―― じんじゃーまんのスタッフはチームワークが良かったと伺いました。プロデューサーの永森さんがT-シャツを配ったりだとか。
そうです。ある日作業が佳境に差し掛かっているときに、何事も無かったようにいきなり封筒が届きまして、開けたら“ことなかれ”と書いてあるじんじゃーまんのT-シャツが入ってたんです。それを見た知人が「それって“じんじゃーまん”って分からないよね」と言って、“確かに”と思ったのを憶えています(笑)。
じんじゃーまんはシルエットや“じんじゃーまん”といった言葉の方がインパクトあるみたいで、“ことなかれ”という言葉がまだ浸透していなかったんです。でもそういうのを作ってしまうユーモアが凄いと思いましたね。
場も和んで、“よし、やるぞ”ってなりました。

―― 遊び心がありますよね。企画の段階でのキャラクターの性格付けなんかも遊び心利いていて、その時から(作品に)期待していました。
キャラクターに個性がしっかりとあって、グッズになっても面白いし、それぞれのキャラにファンがつきそうな魅力がありますよね。

―― 今後またこういう機会がありましたら・・
是非またやってみたいですね!

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