ライトノベル、キャラクター文芸、文芸小説と、幅広いジャンルで活躍されている人気作家、七月隆文先生が来校。
この日の講義では、説得力のある小説を書くための方法を詳しく教えていただきました。





まずは【作品の企画】について。
七月先生が、小説を書くうえで「最も重要」であると話すのは「文章を書き始める前の下準備」です。
「面白い企画、設定を見つけること、そして、その土台をしっかりと固めることが何よりも大切です。早く書き始めたいという気持ちはよく分かります。僕もそうでした。でも、なんとなく書き始めてしまうと上手くいきません。だから、最初は焦らず、面白い設定を見つけることに専心してください」と、七月先生。
続けて、「AMGは同じ志を持っている仲間、相談できる先生がいる恵まれた環境です。自分が面白いと思うものを見つけたら、周りの人の言葉や反応も参考にしながら、より良い企画に仕上げていきましょう」と、話してくださいました。

次に【取材の重要性】について。
作品の企画・執筆にあたり、取材をおこなうことの重要性を教えていただきました。
「取材をおこなうことで、作品の強度が上がります。想像のみで書くよりも取材に基づいて書いたほうが、説得力がある文章になるので。読んでいる途中で違和感が出てしまうと、読者の心は作品から離れていってしまいます。作家にとって重要なのは『常に読者を納得させること』なんです」。
七月先生も執筆をする際は体当たり取材をおこなっているそうです。
講義の中では、著作『ケーキ王子の名推理』の取材で、実際にケーキ屋へバイトに行ったり、お菓子作りの体験教室に参加したりといった先生のエピソードも。生クリームを混ぜるときの力の入れ加減など、実際に体験したからこそ気付くことがたくさんあり、衝撃を受けたと話しておられました。
さらに、取材以外で作品の説得力を高める方法についても伝授いただきました。それは「皆さんが既に持っている知識、これまでの人生経験を作品に練り込むこと」です。
「自分の作品にも関わらず、自分とまったく関係ないシチュエーションやキャラクターを書いている人が多い気がします。現実世界とかけ離れたファンタジーの話であっても、主人公や友達のキャラクター性など、取り入れられる場面、要素は必ずあると思います。皆さんが持っている材料を使えていないのは勿体ないです」と、七月先生。
自己分析をおこない、まずは自分の経験を小説の中に練り込めないか考える。そして、特定の業界でしか使われない用語など、専門的な知識に関しては、取材を通して学ぶことが大切だと教えていただきました。

【会話で場面を展開するコツ】については、読者を退屈させないように意識しながら書くことを教わりました。
「皆さんも人と話しているときに、相手が退屈していないか顔色や反応を見る瞬間があるかなと思います。常にそういう作業をしながら執筆するのが小説のお仕事です。会話のシーンに苦手意識を持っている人は、誰かと話している感覚で書き進めていきましょう」。
テクニカルな面に関しては、「ライトノベルだと特に分かりやすいけど、登場する各キャラクターの口調が明確に違うことが多いです。口調の違うキャラクターを登場させることで、誰が話したかという説明を極力省略できるし、テンポよく会話を展開していけるから、書きやすくなると思います」と、アドバイスをくださいました。

小説を書き始める前の念入りな下準備や、常に読み手の立場になって考え、退屈させない工夫を施すことの大切さなど、深い学びのある講義でした。
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