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安曽了 「僕が求めたものは一つには小説を書くためのノウハウであり、もう一つは小説家になるためのルートです。」

電撃hp6月号に掲載された野島けんじ先生、安曽了先生の対談企画です。
誌面ではお伝えしきれなかったアツいトークをご覧あれ!

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――入学当初、おふたりの実力はどれくらいだったんですか?

安曽:野島は学院に入ったときに、すでに賞の一次かなんか通ってたんだよね? でもオレは野島よりうまいと思ってたよ。人のものを見て、何も認めないっていうのはダメだけど、人のものを見て「オレはダメだ」っていうのはもっとダメじゃない?
伝わるかな? 伝わらない?
小説家って競争社会でしょ。もっというと、この学校に入ってきた時に、もう競争社会の中に入ってきてるわけ。今70人くらいが学院に入ってくるとして、プロになるのは多くても10人くらいだと思うんだよね。色んな、小説家だけじゃなくて脚本家やライターを含めて、その中にブチ込まれた時に、「オレ、全然ダメだ」とか、相手を「すごいな、すごいな」って感じていたら、やっぱりダメだと思うってこと。だからオレは入学した時は、周りの連中は皆クソだと思ってた(笑)。当時、プロになれると思う人?って聞かれたとき、皆、手をあげてたけど「オレしかなれねぇ」って思ってたし。

野島:「自分だけがプロになるんだろうな。他の奴はなれないんだろうな」と思ってればいいよね。

安曽:かっこよく言えば「志が高くないとダメなんだな」ってなるでしょ。まあ本音をいえば、「寝ながらメシ食えたらいいな」とも思ってたけどね。家から出たくなかったし、まさか小説家になると打ち合わせをしなきゃいけないとは思わなかった。
オレ、一年間予備校行ってたんだけど、ずっとゲームセンターにいたのね。学院に入った時に、「オレは天才だ。誰にも負けないよ」って思って入ったくらいだから、昔から自分のことを頭良いとは思ってたの。
思ってただけだよ(笑)

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安曽氏

勉強は苦痛だけど、やればすごいできる子だから予備校にさえ行けば大丈夫だと思ってた。天才だからね。だけど、まさか自分が予備校にすら通わないとは思わなかった。自分がタイムカードを押したらすぐゲームセンターに行っちゃうとは思わなかった。一年間ずっと、ダイナマイト・刑事っていうゲームをやってるとは思わなかったんだよね。もう一年浪人しようかなと思ったんだけど、「オレ、もう一年浪人しても変わらないな」と思ったの。 そんな時かな、たまたま雑誌の後ろに学院の広告が載ってたのを見たんですよ。それが、僕が19歳の時の12月30日くらいだった。予備校サボってて本屋で本読んでた。それで、「オレ、学院に行ったら小説家にはなれるんじゃないかな」って思った。
あまりにも予備校に通わないから、「生まれ変わるというか性根を入れ替えるには、もう後がないところに行かなきゃならない」ってことだね。

――では、ここでまじめにやろうと?

安曽:そうだね。野島先生はどうだったっけ? あっ、弟に説明会来させた話とかあったでしょ?(笑)



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野島氏

野島:僕は転職をしてたんで、説明会に行く時間がありませんでした。
ということで、近くにいる弟に「行ってくれない?」と。そしたら(弟に)「なかなか良さそうだよ」って言われて…、それでとりあえず東京の説明会に行ってみて。僕があの時覚えているのは、周りは皆私服なのに、僕だけネクタイ締めてるのね。で、作文で、ショボい奴は落とされるもんだと思ってたんです。だからバカまじめでしたよ。
あと僕は、もともと文章を教えてくれるんだろうと思ってた。文芸だろうがなんだろうが。そしたらライトノベルが中心で、僕はライトノベルの本は読んだことがなかったからヤバいと思って、その分野も一生懸命勉強して、文芸も勉強して…。

安曽:野島はウソつきだよ。学院に入ったときは「僕の一番好きな小説は『ロードス島戦記』です」って言ってたよ。そしたらライトノベルは読んだことねぇって、ふざけるなよ。なんですぐ格好つけるんだよ、そうやって(笑)。

■学院のように、周りに同じような人がたくさんいる環境はいいと思う。

――学院はどんな環境でしたか?

野島:新鮮でしたよ。小説家になりたい人が一箇所にたくさん集まってるなんて初めてでしたから。

安曽:そうだね。ぶっちゃけ、こんな環境ってなかなかないよ。こういう風に、小説書く人が周りにいて、小説のネタがこうだとか、毎日言い合ってるような環境って普通ないじゃない? だからそういう環境だと、発想が浮かぶこともあるしね。
発想とはちょっとちがう話になっちゃうけど、オレさ、最近編み出したんだけど、電気も消してスタンドライトだけで真っ暗な中で書くの。締め切りが近くなったときに集中するために。でも、ひとりじゃなくて、足元には愛犬がいるのね。
暗闇、スタンドライト、オレ、犬。結構シュールな感じでしょ。そんなんだと人間的に死んじゃうよね(笑)。18時間とか書かなきゃ終わらないから書くんだけどさ。

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だからこんなふうに、ひとりでやるより刺激にはなるでしょ。
もっというと、「自分でこういうの考えたんだけど」って投げかけること自体が、鏡に向かって喋るようなものだから、それ自体で刺激を受けるじゃない?やっぱりお母さんとかお父さんとか奥さんとかに話せないでしょ? もちろん話す人もいるかもしれないけど、言ったってあんまり返ってこないでしょ?彼氏とか彼女もそう。「別に興味ないし」みたいに返ってくることもあると思う。だから学院みたいな環境はいいんじゃないのかな?

オレらの時には、例えば一日に15枚原稿を書く人は、オレの周りには野島しかいなかった。だから、野島が15枚書いたなら、「馬鹿言うな。俺も書いた」って。オレは学生の頃、天才だと思ってたから。天才たる者が凡人に負けるようじゃダメだと(笑)。会社というか仕事を投げ出して小説家になりたいなんて夢みたいなこと言ってるようなやつ(野島)に、枚数でも負けてらんねぇぞ、冗談じゃないと思って書いてたから。

野島:そこまで思い上がったこと言わなくてもいいと思うけど、肝心なことは、何枚書いたとか、今年は何回賞に出したとかだよね。

安曽:何回賞に出しても、一回で受かればいいの。何回賞に出したってダメなものはダメなんだよ。本当のこと言うとね、一回でいいんですよ。でも、一回でダメなら何回も出さなきゃいけないってこと。

■周りの空気に流されるのが怖かったから、「小説家になりたい」ってことは内緒にしてた。

――この学院に入ると決めた時、あるいは小説家を志すと決めた時の周囲の反応はどうでしたか?

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安曽:オレはお母さんに土下座した。だけど周りには黙ってた。
オレの感覚だけど「小説家になりたいです」って言う人は恥ずかしい人だと昔から思ってたから例えば、「私声優になりたいです」っていう女の子がいたり、「漫画家になりたいです」っていう子がいたり、もっというと、休み時間に誰とも喋らないで小説読んでたりする人がいるとオレは、「気持ち悪い」って思ってた人間だから。

格好いい言い方をすると、別にそういうのって、人に話すものじゃないじゃないと思ってて。別に人に話してなるものでもないじゃない?
それに「小説を書いてるんだよ」っていったときに、「すごい」って反応がある一方、オレみたいに「気持ち悪い」っていうのもあると思うんだよね。でもオレはどっちの反応もイヤだった。今もイヤなんだけど、小説を書いてるって言って「すごい」って言われるのも気持ち悪いし、「気持ち悪い」って言われると泣いちゃうから(笑) バイト先で「何やってるの?」って言われたら「内緒」って言ってた。「オレは、お前たちの友達だけど、絶対にオレが何をやってるかは言わない」って。

それと、例えば友達と原稿を見せ合うときとかでも、気をつけなきゃいけないなと思う。相手の反応で自分が酔っちゃうことってあるの。すごい気をつけてないと「頑張ってるね」って言われると頑張ってるような気になっちゃう時ってあるでしょ?オレは周りの空気に流されちゃうところがあってそういうのが恐かったから、とりあえず周りには内緒にしてた。

■自分のモチベーション上げるためなら何やってもいい。

――小説を書きたくなったきっかけはなんですか?

安曽:オレが最初に「小説でも書いてみようかな」って思ったのは、18歳の5月か6月くらい。あんまりお金がなくてね、大学にいこうと思ってたんだけど、学費どうしようかな、って思ったの。それで、ある日雑誌を見てたら、賞金100万円もらえるって書いてあったから、「これがいいや」って思ったの。それがきっかけですよ。何か? 問題ある?(笑)

野島:僕は、物語聞くのが好きだった。おじいちゃんが話してくれた昔話をノートに書いてた。

安曽:聞くのが好きだったってのは分かったけど、書こうと思ったきっかけは?

野島:小説家になりたいと思ったのは小学校のときかな。僕はボクシングをずっとやっていたんだけど、プロボクサーにだけはなりたくなかった。で、それをやめたから小説家になれた。これをやれば成功するっていう手法じゃないけどね。
でもボクシングは練習しないと強くならない。小説も一緒だよね。

安曽:21歳とか22歳のときには書いてたんだよね?仕事しながら。

野島:好きで書いてて短編で佳作とかもらうでしょ? それで仕事を辞めたの。

安曽:仕事辞めるときに躊躇とかなかったの?
そう考えると俺は野島とは反対な。周りの反応みたいなのを糧にするっていうところないからね。

野島:自分のモチベーションを上げるためには何をしたっていいと思う。馬鹿にされてムカっときてやるのもいいし、お父さんお母さんのためにやるのもいいし、お金のためだけにやるのもいいし。

■原稿を読んでもらうんだったら、目と目を合わせた方がいい。

安曽:ある人に「酒飲んで原稿書くといいよ、ぶつかっている壁が破れるよ」って言われて、酒飲んで書いたけど、やっぱりダメだったことあったね(笑)

野島:僕の場合も、「酒飲んで泥酔して書くのも手だよ」って言われたから、帰りに焼酎を買って1本全部飲みながら書いて。それで、次の日読み返したらグダグダだったっていう…。でもそれもいい経験。それ以来、僕はお酒を飲んで絶対書かなかくなったけどね。

安曽:君はこれから学校に行く学生がそんなことやると思うの?

野島:そんなこと言わない、言わない。世代が違うからね。

安曽:世代が違うってオレとお前も世代は違うよ(笑)。そういう意味では今の世代だと、インターネットとかで原稿見せ合ったりしてる人とかをたまに見るけど、良い面、悪い面の両方あるよね。
*野島先生の方が年上です。念のため。

野島:僕、原稿を読んでもらうんだったら、直接会ったほうがいいと思うよ。もしくは友達。通信添削とか知らない人に顔も見ずに批評されたら本気でそう思ってるかどうかわからないし、きちんと面とむかって面白くないとか言われないと。面白いと言われたらうれしいね。

■夢を、夢で終わらせないために・・・

――デビューを果たして、今後の夢を一言で言うとすれば?

安曽:人から忘れられない本を1冊でも書くことかな。とても難しいことだと思うけれど。色々なことを書きたいんだよ、僕は。本当にオレが根っこに持ってるものが書けたらいいかな、って。

野島:僕は・・・僕自身のアニメ化、映画化ですね。そこで声優タレント学科の学生さんとか後輩がエキストラで出演・・・なんてことになったら最高ですね。僕の犬も(笑)

安曽:お前、犬のことばっかりだな(笑)

[PROFILE]

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©メディアファクトリー
イラスト/武藤此史

野島けんじ先生(小説家・講師)
第5回角川学園小説大賞で優秀賞を受賞。同年、受賞作『ネクストエイジ』でデビュー。
『きゅーきゅーキュート!』シリーズ(MF文庫J)など著書多数。
2002年3月卒業。

[PROFILE]

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©メディアファクトリー
イラスト/原田たけひと

安曽 了先生(小説家)}
「キャンディストライプ~みならい天使外伝~」(電撃G’s文庫)、「魔界戦記ディスガイア2ダークヒーロー哀歌」、「ファントム・ブレイブ」(電撃ゲーム文庫)など著作多数。
2002年3月卒業。














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