私事日記 ~ある土曜日の日のこと~
2007年4月22日 | 小説・シナリオ学科
ブログらしく、たまには日記でも書いてみようと思う。
いつもスリリングなことに遭遇するわけはなく、そんな日々を過ごしたくもない。
だから、毎日日記を書くのはとても大変なことではないだろうか。
今日は土曜日。
朝、目が覚めると時計は11時をさしていた。
もう昼だ。私は朝に目覚めるという習慣をなくしてしまったらしい。
これは作家らしい体質になったということだろうか。成長だ。
起き上がって携帯電話を見ると、メールの着信が一件あった。
携帯電話といえば、先日、旧友に「携帯電話は便利だ」と熱弁された。
メールの送り主は偶然にもその旧友で、内容は遊びの誘いという厄介なものだった。
しかし携帯電話を畳むとその内容は見えなくなった。
なるほど、たしかに便利な道具だ。
携帯電話を充電器に置いて、私も布団へ戻ることにした。
昼、目が覚めると時計は13時をさしていた。
一日に二回も土曜日の目覚めを味わえるなんて、なんと運が良いのだろう。
みんなが毎日の目覚めを二回味わえば、一年は倍の日数になるに違いない。
増えた時間を何に使おうか、迷うところである。
そんなことを考えていると、旧友から電話がかかってきた。
メールの返事がないから電話をした、とのことである。
仕様がないので、昼食を取った後出かけることにした。
バッティングセンターへ行った。
旧友を後目に、100円を入れる。
ストライクが量産された。
100円でこれだけストライクが出せる私を、プロ野球球団はなぜスカウトしないのだろうか。
不思議だ。
その後、駅前で旧友と別れる。
立ち寄った本屋のコンピューター雑誌系コーナーで、私は「コンピューター学入門」の本を手に取った。
誰かが私と同じようにこの本を立ち読みして、戻すコーナーを間違えでもしたのだろう。
しかし、睡眠誘導書籍のコーナーはいくら探しても見つからなかった。
気付けば一時間近い時間を無駄にしている。
良心からの行動で損をするなんて、嫌な世の中になったものである。
世の不条理さを感じながらも帰宅して、日記を書く現在に至る。
ところで、ここまで書いてきて、頭の中に一つの懸念が浮かんだ。
今日、というよりも十年以上、私はバッティングセンターなどに行っていない。
それに、コンピューター学入門の本を読んだ記憶もとんとなかった。
このままでは、これが嘘の日記になってしまう。
せっかく書いた日記を消すのもシャクだし、嘘つき呼ばわりされるのもよくない。
なので、この日記は今日の日記ではなく、いつの日かこんな一日を過ごしたときの日記として使おうと思う。