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百話続けりゃ化物でるか?

2006年12月9日 | 小説・シナリオ学科

 ふと気が付けば、通学中に見かける人たち体積が増えています。
 鮮やかに色付いた木の葉を見る視線が、上から下に変わっています。
 満月はやけに遠く、星は明るく、曇天になっても少しだけ胸踊ります。
 もう、そんな季節なのですね。

 我が校は来週から冬休みに入ります。小学時代の自分に言えば、きっと羨ましがることでしょう。
 しかし今は……。
 授業期間が短い気がしてなりません。こんなに早く終わってよいものでしょうか?
 一応、家にこもって作品を書く期間、と理解はしているですが、はたしてそれは正しいのかどうか……。
 
 閑話休題。
 冬休み。それに限らず長期休暇というと私は旅行を思い浮かべます。
 それはきっと、まだ幼かった頃、学校が休みになると親に車に乗せられどこかに連れていかれたからなのでしょう。
 今は、車に乗る事も家族と旅行するのも嫌だと思う年頃なのですが、訳も無しに、どこか遠くへ遊びに行きたい年頃でもあるのです。
 そんな時は目的地も決めず電車に乗って、気が向くままどこかへ行き、どこかに着いてからその後の行動を決定します。
 右も左も分からない旅先では、地図もなにも持たないので、途方に暮れてしまうこともしばしば。
 私は道に迷うと必ず、GPS機能のついた携帯電話を持てば、こんな事にはならなかった? と考えてしまいます。
 ……しかし、考えはしますが、決して持とうとはしません。
 それは友達から、ある話を聞いてしまったからです。


 それは、大体こんな話。

 私の友達であるYは、彼の友人Aと二人でドライブに出ていた。
 一日中走り続け、日も沈んだのでいざ帰ろうという段、カーナビに目的地を入力する。
 『この先、500メートルを、左、です。』
 無機質な音声にしたがって車を運転していたYだが、途中でおかしいと思った。
 カーナビが、目指している場所とはまるで違う方向へ誘導しているのだ。その先に高速などは無し。渋滞も無いので迂回する必要もないはずなのに。
 不審に思ったYだが、一緒に乗っていたAが面白いからドコに行くのか試してみようと言ったので、そのまま車を走らせる事にした。
 『目的地に到着しました。』
 こうして辿り着いたのは、団地群の前。
 夜も更けた時刻、Yの眺めたその団地は、無数に並んだ窓から光がもれていたのだが……妙に暗い。特に屋上は、空の黒より闇が濃い。
 その暗い屋上に、何か動くモノがある。
 なんとなく気になったYは、車を降りて見に行こうとしたのだが、助手席にAに止められた。
 Aは、早く車を出してくれ、と震える声で懇願する。顔は青ざめ、八月の時分に寒いのか、自らの腕で体を抱いている。
 屋上の動くモノは気になるが、Aの調子があまりに悪そうなので、Yはしぶしぶ車を出して、団地を後にした。
 Aは自宅まで一言も口を聞かなかったのだが、車を降りるときポツリとこぼした。
 「あそこ、飛び降り団地っていう、自殺の名所」
 Yは、別れも言わずに去ったAにも気付かず、呆然とカーナビを見つめる。
 『目的地に到着しました』
 目的地とは一体どこを指していたのだろう?

 
 電子機器には霊が宿り易いと聞きます。
 そんな信用もできない物を持って旅行に行ったら、どこに連れていかれることか。
 恐ろしくてGPS付き携帯を持とうとは思えません。

 ……なんて、考えもせずに書いてみましたが、いかがでしたか?

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